2012年12月19日
今回は、本題に入る前に、まずもってお詫びをさせて頂きたい。知り合いがツイッターで前話(第492話)「サンタさんのお迎え」について呟いたところ、「日本のサンタさん」御本人から投稿があり、間違いを指摘して頂いたのだ。間違いは3箇所あって、第一はあやふやな書き方をした体重に関してだ。正解は、130sでも110sでもなく、丁度その中間の120s以上とのことであった。2箇所目は筆記試験が無いこと、3箇所目は用意されている飲み物もコーヒーではなくミルクであった。不確かな記憶で間違った情報を提供してしまい、大変申し訳ありませんでした。危うく子供達の夢を壊すところでした。なお、問題個所は既に修正してありますので、今一度ご高覧いただければ幸いです。
間違いを指摘して頂いた「日本のサンタさん」、誠にありがとうございました。これからも日本中の子供達に笑顔を届けてください。ご活躍を祈念しております。
さて、16日に投票が行われた衆議院総選挙は、自民党が単独過半数を超える294議席を獲得する一方、政権与党だった民主党は改選前の約1/4にも議席を減らし、惨敗を喫した。予想以上の揺り戻しだったが、これからどんな組閣になろうとも、1年余りでコロコロと猫の目のように変わる短命内閣ではなく、地に足を付けた安定した政権運営を願いたいものである。そして、選ばれた国会議員には、国民の声を反映した白熱した議論や真摯な議会運営を切に願っている。ただ、そう言った職責を全うするためには、激務に耐えられるだけの“体力と気力”が必要だ。必然的に、ある程度の若さが求められることになる。
今回の衆院選は、12党が争う多党乱立となり、現行憲法下で最多となる計1,504人が立候補した。小選挙区(定数300)に1,294人、一方全国11ブロックの比例区(同180)に210人(小選挙区選との重複立候補者を除く)だ。15日の朝日新聞朝刊に掲載されていた、その立候補者の名簿に目を通していて、或ることに気が付いた。これまで行われてきた選挙に比べると、高齢者の立候補者が随分少なくなったような気がするのだ。20代、30代も結構多い。ところが、そうやって年齢に注目して候補者を見てみると、中に80歳を超える高齢の方もいて、これが結構気になってしまった。
体力や気力に個人差があるのは承知しているが、流石に80歳を超えて来ると、有権者としては、特に体力に関して不安を持ってしまう。因みに、80歳以上の候補者は“日本維新の会”代表の石原慎太郎氏(80歳)を含めて3人いて、最高齢は、北関東ブロックの埼玉12区で“無所属”から立候補した川島良吉氏の94歳だ。残りの一人は東北ブロックの比例区で“日本未来の党”から立候補した川口民一氏の81歳だから、川島氏は頭一つ抜きんでている事になる。この3人が気になって選挙結果に注視していたのだが、知名度抜群の石原氏は見事当選し、他の二人は残念ながら落選となってしまった。
80歳を超えても矍鑠としている元気な高齢者も沢山おいでるが、そうは言っても、最高齢の川島氏は何と米寿を6歳も上回っての挑戦だ。これには正直ビックリだ。余程、体力も気力も充実した方なのだろう。それは想像に難くないのだが、一般的な感覚からすると……。
確かに、日本人の平均寿命は経済成長と共に延び、女性は80歳を優に超え、男性でも80 歳に手が届きそうになっていて、世の中には元気なお年寄りが増えているのも事実だ。我々が20代の頃にお年寄りに対して抱いていた“年老いたイメージ”とは、雲泥の差がある。兎に角元気なご老人が多い。それに加えて、年金制度の破綻懸念もあり、高齢者の雇用拡大に向けた法整備も進んでいる。暫く前に55歳から60歳まで延びた定年も、近い将来は65歳まで延長される見通しだ。
実際、団塊の世代の我々が感じているように、今から40年ほど前の60歳と今の60歳では若さも元気さも格段に違う。勿論、今の方がずっと元気だ。そんな高齢者に関し、いつの頃からか「8掛け人生」という言葉を聞くようになってきた。どういうことかというと、今の人の年齢に0.8をかけた数値が昔(多分、55歳が定年だった頃)の人の年齢に相当する、という意味である。例えば、今80歳の人であれば昔の人の(80×0.8=)64歳に当たるということだし、今70歳の人は昔の56歳と同じような体力・気力がある、ということだ。因みに、川島氏の94歳であれば、昔の75歳見当になる。こうやって見ると、「8掛け人生」という表現は、結構的を射ていると言って良い。
ところで、高齢者ばかりに焦点を当てたが、どうやら若者にもその表現が当てはまりそうだ。男女の結婚年齢を例に挙げて考えてみると良く分かる。今時の結婚年齢は高年齢化が進み、40年程前には20代半ばが多かった女性の結婚年齢は、徐々に高くなり、今は30歳前後が多くなっているらしい。例えば区切り良く30歳だとすると、その30歳に0.8を掛けると24歳になり、先ほど言った20代半ばと符合する。ただ、こういった若者に対する「8掛け人生」は、お年寄りに対して主に使う良い意味ではなく、どちらかというと幼稚さを意味する表現として使われていそうだ。
いずれにしても、若者にしろお年寄りにしろ、今を生活している日本人にとって時の長さだけが昔の0.8倍になっている、という見方もできる。どうりで忙しなくなっている筈である。
【文責:知取気亭主人】
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