いさぼうネット
賛助会員一覧
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
知取気亭主人の四方山話
 

『今年もご愛読ありがとうございました』

 

2012年12月26日

今年も、いよいよ最後の四方山話となった。昨年発生した東日本大震災から早くも1年9ヶ月が過ぎたというのに、まだ32万1433人もが避難生活を余儀なくされている(12月6日時点、12日復興庁発表)。しかも、福島原発の事故の影響で、地震や津波の直接的な被害が無いにも拘らず、自宅に帰れない人が沢山含まれている。

これまでに警察庁がまとめた死者は1万5878人、警察に届け出があった行方不明者は、未だに2713人にも上る。腹立たしい事に、時間だけは確実に過ぎていく。ところが、本格的な復興の道筋はまだ見えてこないのが現実だ。こういった国難には、政治主導で立ち向かうべきなのに、「政治の無策」ばかりが目立った一年でもあった。国民はとうとう三下り半を突き付け、慌しく年末に行われた衆議院の解散・総選挙で、与党の民主党は惨敗を喫してしまった。

ただ、そう言った暗いニュースばかりが目立った一年だったが、夏に行われたロンドンオリンピックでは、多くの日本選手が活躍し、過去最多のメダルを獲得した。また、iPS細胞を発見した山中教授がノーベル賞を受賞したりなど、数は少ないが嬉しいニュースもあった。 そこで、昨年同様、一年間書き綴った「四方山話」を紐解き、印象深い出来事を拙い狂歌で振り返ってみたい。  

 

 竹取の 姫も掛けたか サングラス 月と日で成す 金環リング 

5月21日の月曜日、太平洋側の広い範囲で金環日食が観測され、晴天に恵まれたこともあって、日本中が日食フィーバーに沸いた。日本における金環日食は、沖縄で観測されて以来、25年振りだったという。私の住む金沢でも、朝から晴天に恵まれ、“金環”とまではいかなかったものの、綺麗な部分日食が観察出来た。

夕方のテレビニュースは、この話題で持ちきりとなったが、見事な映像が繰り返し放映され、テレビ画面を通じ観察できなかった人も自然の神秘さを楽しませてもらった。金環日食は、太陽と月と我々が住む地球との距離、そして太陽と月の大きさの微妙な関係があっての現象だ。「天地明察」の映画化もあって、天文に関心が注がれた一年でもあった。因みに、次に日本国内で金環日食が見られるのは、2030年の北海道だという。

 

 撫子が 五輪で咲かす メダル花 畳の上の  意地の一輪

7月27日、第30回夏季オリンピックロンドン大会が開幕された。開幕式に先立って行われた7月25日のサッカーを皮切りに、19日間に亘って熱戦が繰り広げられた。大会期間中、眠くはあったが、日本人選手の大活躍や、陸上の100m、200mで見事連覇を果たしたボルトを始めとする世界の一流アスリートの熱戦を、思う存分堪能させてもらった。

選手団出発前に発表された、「金メダル15個を獲得し5位以内に入る」の目標には残念ながら届かなかったが、金メダル7、銀14、銅17の合計38個を獲得してこれまでの最多記録を更新し、メダル総数獲得競争では第6位と大いに頑張った。特に女子アスリートの活躍が目を引いた。見事銀メダルを獲得した「なでしこジャパン」を筆頭に、バレーボール、卓球、バトミントンも女子が頑張った。お家芸の柔道では、唯一の金メダルを女子の松本選手が獲得し、金メダル7個の内半数を超える4個が女子で、その全てが格闘技であった(尤も、男子を含めても7個の内6個が格闘技ではあるのだが……)。柔道の松本選手の他に、レスリングの小原選手と伊調選手、同じくレスリングの吉田選手の計4個である。中でも、伊調、吉田の両選手は、全競技を通じて、日本人女子として初めて三連覇の偉業を成し遂げた。

 

 難病に 光を当てて ノーベル賞 捏造スクープ ノーグッドで賞

iPS細胞を発見した山中教授が期待通りノーベル賞を受賞し、その快挙に日本中が歓喜に沸いた。研究資金を得るためにフルマラソンを走るその人となりは、共感と尊敬の念を持って迎えられている。受賞が決定してから報道されている、医療に対する真摯な態度とユーモア溢れる語りは、日本人ばかりでなく世界の人々の心を捉えたに違いない。

ところが、ノーベル賞受賞の嬉しいニュースが日本を歓喜に包んでいた頃、とんでもないニュースが世界を駆け巡った。それは、日本人研究者がiPS細胞から作った心筋細胞を使い世界で初めて臨床応用した、という衝撃的なものだった。日本の大手新聞社がスクープし、心臓病の患者に光明を与えたかに思えたのだが……。

その後、このスクープがとんでもない嘘だったことがバレ、ニュースソースの信憑性を確認しない日本報道機関の在り方に、世界から批判の目が注がれてしまった。

 

 復興の 二文字使う 予算サギ 屁理屈こねて 丸める役所

 近いうち 改装予告の ドジョウ店 閉めて離れる お客の心

 鳩つつき 菅が乱した 野の田んぼ 小さな沢涸れ 干上がるドジョウ

3年前に華々しく打ち上げられたアドバルーン、「政権交代」に、多くの国民が期待を寄せた。ところが、政権を担った民主党は国民の期待に応えられず、東日本大震災の復興対応の拙さもあって、政権運営は困難を極めた。結局、課題を解決するために自民党と公明党との取引をし、その見返りとして「近いうちに解散する」との約束をしたらしい。この「近いうち」は、流行語大賞の噂にも上った。

また、結党以来常に中心にいた小沢元代表が離党し、これに呼応するように離党者が相次いだ。更には、震災復興財源の不自然な使用も明るみに出て、民主党に対する厳しい目がますます厳しくなっていった。そんな逆風の真っ只中、野田首相は突然解散・総選挙を表明し、12月4日公示、16日投票の“師走選挙”に突入していった。その結果、民主党は惨敗し、自民党が大きく議席を回復させる結果となった。

これから、自公政権に国家運営を任せることになるのだが、安倍総裁が選挙公約で言っていた「日本を取り戻す」が、具体的にどういうことを指していたのか、年明けからの政権運営に注視していかなければならない。そして、漂流している感のある我が日本丸を、しっかりと操縦して行ってもらいたいものである。

 

今年も何とか年末を迎えることができました。これも一重に、拙い文章にお付き合いくださる皆様のご声援・ご愛読の賜物と深く感謝しております。本当にありがとうございました。皆様にとって迎える年が素晴らしい一年になりますように、そしていさぼう会員皆様のご多幸とご健勝を祈念して、四方山話2012年の締めと致します。

 

【文責:知取気亭主人】

  
マンリョウ

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.