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知取気亭主人の四方山話
 

『ウォーキングの勧め』

 

2013年3月27日

兼六園の桜の枝先が少し色付いてきたのもあって、冬の冬眠から目覚めたクマよろしく、先々週から再びウォーキングを始めた。自宅の近所を30分から1時間ほど、早足で歩いている。万歩計は付けていないが、以前の記憶や蘇ってきた感覚からすると、歩く速さは恐らく時速6kmほどだ。結構頑張らないといけないスピードである。御蔭で、30分も続けると、多少肌寒い時でも薄らと汗をかく。冬の間、除雪以外では殆ど汗をかいていなかったこともあり、結構気持ちが良い。しかも、歩き方を変えたせいか、筋肉痛にならないのも嬉しい。特に、弁慶の泣き所と言われる“向こう脛”が、全く筋肉痛にならないのだ。

昨年の夏頃だったか、フルマラソンを2時間3分台で走った記録を持つ世界最速のマラソンランナーの一人と日本人ランナーの走り方、そして筋肉疲労の違いを、科学的に解明する番組をNHKがやっていた。多くを端折って記憶にあるところだけを述べると、踵で着地をするか、小指と薬指の付け根辺り――正式には「外側足根小球」と言うらしい――で着地(以後、イメージしやすいように“つま先着地”と表す)をするかによって、足の筋肉の疲労度が全く違うというのだ。

子供の頃裸足で野山を駆け巡っていたそのマラソンランナー(パトリック・マカウ)は、着地時の衝撃を和らげるために、“つま先着地”することを自然に身に付け、以来その走法でマラソンを走っているという。一方日本の選手は、足の裏の回転を利用できるようにと、踵から着地している。その両者の筋肉疲労を比較すると、明らかに“つま先着地”の方が疲労度が少ない、という結果であった。

そんな番組の記憶があったものだから、感化されやすい私は、マラソンでそうならば歩くのにも効くに違いない、と以来短い距離でも意識して“つま先着地”で歩く様にしていた。ただ、意識はしていたものの、これまでそんなに頑張って速歩をしたことが無く、本当に効果があるのか半信半疑であったのも事実だ。

ところが、実際歩いてみると、結構効果あることが分かる。以前だと、1時間近く速歩した後には必ず筋肉痛になっていた向う脛が、全く痛くないのだ。ふくらはぎも何ともない。大腿部も大丈夫だ。少々膝の内側が痛むが、これは加齢のせいで、大したことは無い。どうやら、“つま先着地”の有効性は本当らしい。その上、“つま先着地”をすると、速歩の際の体重移動がスムースで、「体を無理やり前に移動させる」という感覚が必要無く、楽に速歩が出来る。短距離走をやっている感覚に近いのかも知れない。したがって、必死になって速歩をしなくても、比較的楽にスピードが出るのだ。楽な分、必然的に筋肉は疲れないのだろう。

ところで、1年以上休んでいたウォーキングを再開したのには、訳がある。実は、今年になって、同年代の複数の友達が糖尿病を患っているとの連絡が入り、中にはそれが原因で入院し、人工透析をしなければいけない状態になっている同級生がいることも分かり、俄かに健康に不安を感じたからだ。「還暦過ぎが集まれば病気の自慢」ではないが、よく聞けば、飲み薬を飲んでいるのは可愛いもので、インシュリンを打っている同級生もいる。そんな友達の病気情報を聞くにつけ、病気予防としての有酸素運動の必要性を再認識し、ウォーキングを再開したと言う訳である。

ただ、人一倍酒を飲んできた割には、ありがたいことに、これまで実施した数多くの血液検査には今のところ糖尿病の兆候は出ていない。しかし、何を隠そう、“真性のメタボ”である。しかも、以前四方山で書いたように、今年の正月以来“鬼門の75キロ”を超えた日が続いている。そこで、“防糖尿病”に加え、“脱メタボ”、“脱75キロ超え”を目標に据えている。

折しも、3月24日の朝日新聞朝刊に、腰痛の記事が一面にデカデカと出ていて、その予防対策として運動が一番だ、と書いてありいたく納得している。記事に拠れば、厚生労働省の調査で、推定2800万人もが腰痛に悩まされているという。40〜60代の四割が悩んでいるそうだが、3ヶ月以上痛みが続く慢性腰痛では、色々な治療がなされている中で、ストレッチやウォーキングなどの運動がお勧めだという。かく言う私も、若い頃にギックリ腰を患ってからというもの、寝込んでしまうほどひどくはないものの、腰痛持ちとなってしまった。いわゆる、慢性腰痛持ちだ。

雪かきなどで中腰状態を続けると、もういけない。痛くて腰を伸ばすにも一苦労、となってしまう。その度に、湿布薬のご厄介になっている。顔を洗うだけでも辛かった頃を思えばまだマシだが、チョッとした中腰状態でも腰痛への一本道になっているのは結構辛い。

その辛い腰痛にお勧めなのがウォーキング、というわけである。何はともあれ、人間歩くことが基本であるから、それを欠かさなければ糖尿病も腰痛も未然に防ぐことができる、というのは素直に納得である。さあ皆さん、待ち遠しかった春が来ましたよ。外に出て、健康にもエコにも繋がるウォーキングを、“つま先着地”でご一緒に!

【文責:知取気亭主人】

  
歩けばこんな春にも巡り合える(モクレン)

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