いさぼうネット
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
知取気亭主人の四方山話
 

『またも大雨』

 

2013年8月28日

今年の夏はどうしてしまったのだろう。これまでになく、色々な気象現象が激しく、そしてその頻度が高くなっている様な気がしてならない。高知県四万十市で日本の観測史上最高気温となる41.0度を記録した時期の、あの全国的な“猛暑”を始め、今年の夏は、各地で竜巻などの“突風”が吹き荒れ、いつもより“落雷”による被害も多い気がする。そして、大きな被害をもたらす“大雨”も然りだ。

気象庁が大雨の際、“最も災害発生の危険性が高くなった”と注意喚起に使う「これまでに経験したことのないような大雨」の呼びかけは、嫌な事に、今年は頻繁に聞かれるようになっている。“突然の大雨”はニュースの常連になってしまった様だし、洪水や土砂崩れなど“大雨による災害”は被災地を目まぐるしく変えながら全国を移動している、とさえ思えてしまう。蒙った被害に程度の差はあるものの、異常気象による災害は、確実に日常茶飯事になりつつあるのではないだろうか。

24日から25日にかけて、猛烈な雨が島根県を襲い、多くの被害を発生させた。僅か半日で、平年の8月1ヶ月分の雨量を超えてしまったところもある。島根県は、先月(7月28日)にも記録的な大雨に見舞われ、大きな被害が出たばかりだというのに、またも大雨に襲われてしまった。

この25日までの1週間だけに絞ってみても、各地で記録的な大雨が相次いだ。18日には、比較的雨が少ないと思っていた北海道でも大雨に見舞われ、道南のJR函館線が、土砂崩れで不通になった。日も置かず、翌19日には秋田が、20日には北陸が相次いで記録的な大雨となっている。この様に、梅雨時や秋雨の様に長雨にはならないのだが、今年の夏は、短時間にとてつもなく強い雨が日本各地で降っている。都市部などでは、大きな被害は出ないものの、突然の大雨に見舞われることも度々だ。こういった状況を聞くにつけ、最近とみに不安定な気象になって来ているのではないか、と不安になってしまう。

こういった気象現象は、日本海を含めた日本近海の海水温が高いことも一因らしい。海水温が高いことを裏付ける様に、九州以南の海に住み猛毒を持つ“ヒョウモンダコ”や“ソウシハギ”が、今では、北上して山陰などの日本沿岸で見つかるようになっている。肌で感じる風も空気も、以前と比べ、今年は特に高い気がする。これまでも地球温暖化の進行が叫ばれてきたが、何だか、今年なって加速した感がある。そこで、実際気温は上昇しているのか、また今年は特別高いのか、私が住む金沢のデータで調べてみた。

気象庁のホームページには、大変貴重な情報が集められていて、膨大な過去の気象データを簡単に検索できるところがある(http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/)。観測が始められた時期によって何年前まで遡れるか観測所毎に異なるが、金沢については古くからのデータが収められていて、1886年から2013年(今年)まで、128年間分ものデータがある。この中から、8月にだけスポットを当て、8月の最高気温、平均気温、最低気温について、時系列のグラフにしてみた。ただし、8月がまだ終わっていない今年は、24日までのデータを使って作図した。それが、次のグラフ「金沢市の8月の気温(1886年〜2013年)」だ。

このグラフを見ると、予想通り、今年の最高気温は突出していることが分かる。それまでは高くても大体32、33度で推移していたものが、今年初めて35度を超えている。これでは暑い筈だ。今年の暑さからは想像もできないが、今から100年ほど前の1900年代初頭の凡そ15年間は、30度を超えない時も多く、過ごし易い夏だったに違いない。時代的には、明治の後半から大正の初め頃に当たる。経済活動がこれから活発になる、という時期だ。グラフからは、丁度その頃から気温上昇しているのが読み取れる。

  

“最高気温”のグラフは少し分かり辛いが、“平均気温”と“最低気温”のグラフは、その上昇の様子がはっきりと分かる。特に、“最低気温”の上昇傾向は明らかだ。110年ほど前に21度前後だった最低気温は、最近では25度前後と、凡そ4度近くも上昇したことになる。下手をすると、100年ほど前の平均気温を上回る年さえある。寝苦しい夜が増えて来た訳である。この傾向は、多分日本全体に言えるのだろう。

金沢は、海に面した町である。海は、熱し難く、冷め難い。陸地は逆に、熱し易く、冷め易い。したがって、海に近いところでは、最高気温は陸地の影響を受け、最低気温は海水温の影響を大きく受けることになる。例えば、暖かいメキシコ湾流のお蔭で、北海道よりも北に位置するロンドンの冬季の気温は、札幌よりも温暖となっている。金沢の気温にそれを当てはめると、「最低気温が上がって来た」ということは、金沢近辺の海水温が上昇している、と考える事が出来る。そうすると、今年の異常気象の一因として挙げられていた、日本近海の海水温が高いこととも一致する。きっと、41度を記録した四国沿岸の海水温も、上昇しているに違いない。

この最低気温の上昇傾向は、多少の上下変動を経ながら、凡そ100年間も続いている。したがって、これまでと同じような生活を続けていれば、気温はまだ上がり続けることになるだろう。そして、異常気象は、益々激しく、頻発するようになるに違いない。それを防ぐ手立ては、我々一人一人の考え方に、行動に、委ねられている。さて、どうするか…?

【文責:知取気亭主人】

  
水は大好きだけど…(ホテイアオイ)

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.