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知取気亭主人の四方山話
 

『正当な納税はしましょうよ!』

 

2013年12月4日

いよいよ、来年(2014年)の4月から、消費税率が現行の5%から8%に引き上げられる。庶民の家計を締めつけるのはそれにとどまらず、続く再来年(2015年)の10月には、更に引き上げられて、10%になる予定だ。それでなくても厳しい庶民の懐具合は、今にも悲鳴を上げそうだ。とは言うものの、破綻寸前の国家財政の現状を考えた時、「税金は国家を運営していくのに必要な財源だ」と無理矢理信じれば、受益者負担としての納税が欠かせないのは古今東西何処も同じであろう、と半分納得もしている。ただ、半分しか納得していないのは、諸々の要望があるからだ。

納税は、国民の義務として、ある意味仕方が無い事だとは思っている。ブルネイの様な産油国などには納税義務のない国もあると聞くが、資源の無い日本に住んでいては、それも夢のまた夢と諦めざるを得ない。矢張り、日本に住み、これまでの税金で整備した諸々のインフラを利用している身としては、納税は国民が果たさなければならない義務、と考えるのが当然の事だろう。そして、義務の反対側には責任が厳然としてあるのも当然の話だ。責任とは、勿論、政府が果たさなければならない責任、である。

我々は、納税義務を果たす。だから、政府行政側は、税金を無駄に使わない様に国会議員の定数削減を始めとする行政の“無駄の排除”を先行して行うことや、庶民の基本生活を圧迫しない様に食品や医療、教育に掛けられる消費税率は無くすか、無くさないまでもこれまでと程度以下の低率に抑える、そんな“あれやこれや”を早急にやってもらいたい、と切に願っている。それが要望だ。そしてもうひとつ、是非手を付けてもらいたい要望がある。それは、「税金逃れ」対策だ。

「税金逃れ」と聞くと、宗教法人や富裕層の海外移住、あるいはタックスヘイブンなどを思い浮かべる人も多いだろう。しかし、今回はもう少し身近な話題を提供したい。日本でもすっかりお馴染みになったインターネット通販の巨人、アマゾンがその話題の主だ。

何時だったか、テレビ番組で、「アマゾンが日本で物品を販売しても税金を払っていない。その額は○○○億にもなる」との話を聞いた(○○○は、確か三桁だったが数値は定かでない)。「そんな馬鹿な!」と思いつつも放って置いたのだが、つい先日、アマゾンから買い物をして思い出した。そこで、消費税についてどんな表記をしているのか、価格が表示されている商品ページを注意して見てみた。ところが、「内税」とも「外税」とも表記していない。また、「金額の内、○○円が消費税」とも書いていない。ただし、ヘルプページに消費税に関するページが用意されていて、そこには「消費税は、お届け先が日本国内の場合に課税されます。Amazon.co.jp ではお客様にご注文いただいた各商品、サービスに対し、5%の消費税を課税しております」と書かれている。

「ネット商店は皆そうなのかもしれない」と思い、もう一方の雄である楽天の商店街を覗いてみた。ところが、こちらには、表示価格の後ろにカッコ()書きで「税込み」と書いてある。明らかにアマゾンとは表記が違う。ひょっとするとテレビで聞いたのは本当かも、と話題の真偽を調べてみた。

結論から言うと、どうも本当らしい。少しややこしいが、内容に入る前に、アマゾンについて少し整理をしておこう。本社はアメリカに在って、サーバーもアメリカに置いてあるらしい。日本法人も設置されているが、システム運営と顧客サービスを担当しているだけで、我々が買い求める商品の売主は、アメリカに本社を置く2社が行っているのだという。しかも、この2社の支店は日本にない、というからややこしい。このややこしさが、結果的に税金逃れとなっている所以らしい。

分かり易いのは、今税金逃れとして取り上げられている電子書籍だろう。アマゾンの配信サーバーはアメリカに置かれているため、電子書籍の顧客はアメリカから買うことになる。したがって、日本の消費税は課税されないのだという。ところが、ヘルプの消費税ページに依れば、顧客からは日本の消費税をしっかり取っていることになっている。つまり、顧客からはしっかり消費税を頂いているのに、これを日本に納税することなく、アメリカ本社の売り上げとしている事になるのだ。穿った見方をすると、電子書籍以外の商品にも税金に関する記載がないという事は、そんな税金逃れの深謀遠慮が透けて見えてしまう。

調べてみると、アマゾンに対する税金問題は、消費税問題だけではないらしい。2009年には東京国税局が約140億円の法人税の追徴課税処分を出していて、翌年最終合意に至ったものの、まだ問題はあるらしく、フランスやドイツなどでも問題視をしているらしい。ある国で稼いだのにその国に法人税を払っていない、となるとやっぱり釈然としない。

「アマゾンの消費税逃れはけしからん」という意見に対し、「消費者サイドに立てば完全に間違っている」との意見もウェブサイトには見られるが、私はそうは思わない。日本のインフラを利用し、しかも、日本の消費税を徴収していないのならいざ知らず、顧客からはしっかりと徴収しているのだから…。

加えて、消費税や法人税などの税金を「搾取されている」と捉えているから、そんな発想になるのではないのだろうか。そうではなく、自分が納めた税金で、或いは自分が係わった税金で日本の国は動いている、と考えなくてはいけない。そうすれば、必然的に、税金の使い道を決める政治に厳しい監視の目を向けるようになり、結果的に政治は良くなる。と信じたい。ただ、政治家がねぇ…。

この問題、皆さんはどう思われます?

【文責:知取気亭主人】

  
こんな色に燃えて政治を監視しようぜ!

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