2014年7月16日
別に手を抜くつもりはなかったのだが、今回も前回と同じテーマで話題を提供する事になってしまった。というのも、いつも事前チェックをお願いしている妻と娘から、十干十二支の組み合わせについての所が分かり難い、と指摘されたからだ。かなり丁寧に書いたつもりなのだが、表現力の無さなる所以なのだろうか。書いている本人は「至って分かり易い」と思っていたのだが、どうやらそうではないらしい。「かくなる上は名誉挽回」とばかりに、主催者権限で、より分かり易い表現の場を設けた次第である。と格好つけた事を言ってしまったが、本音を言えば、「たまには手抜きを…」である。
本音はさておいて、どうやって説明すればすんなりと理解してもらえるか、結構頭を悩ませた。布団の中でもあれやこれやと考えあぐねたのだが、辿り着いた結論は、60種類の干支を全て見てもらう、である。何はともあれ、その一覧表を見て頂こう。
上の一覧表は、「甲子(きのえね)」から始まって「癸亥(みずのとい)」までの全60種類の干支を、全て網羅している。基準となる「甲」と「子」は、目立つ様に、この二文字だけ太文字にして、更にセル全体を黄色く色付けしてある。また、十干は一回り(10年)が区別できる様に、一回り毎に太線で区切り、色分けもしてある。十二支も一回り(12年)毎に太線で区切ってある。こうして、一覧表にしてみると、一回り毎にお互いの区切り線がずれていくのが良く分かる。実は、この“ずれ”がミソなのである。
さて、前話では十干を主体に説明したが、今回はより身近な十二支を主体に説明しよう。一覧表を見て分かる様に、十二支が一回りして(12年経って)再び「子」に戻ると、相手の十干はその名の通り10個しか無いので、「甲」より二つ進んで「丙」が相手となる。十二支がもう一回りする(24年経つ)と、「子」の相手は、「丙」より更に二つ進んで「戊」となる。この様に、十二支が一回りする毎に、十干の方は二つずつ先にずれていく。結果的に、十二支が5回りした時点で十干もやっと元に戻り、6回り目のスタートで、別れて久しい「甲」と再会する訳である。
12年が5回りであるから都合60年、これで「10と12の最小公倍数」などという小難しい事を考えなくても、すんなり腑に落として頂けたと思う。また、一覧表を見れば、読み方の規則性も覚えやすい筈だ。どうだろう、結構分かり易かったのではないかと思う。「分かり易い!」と膝を叩いてもらえれば、悩んだかいがあるというものだが…。
ところで皆さんは、“還暦”の前に“大”の字が付いた、「大還暦」というのがあるのをご存じだろうか。“還暦”を二度経験する事、つまり120歳の誕生日を迎える事を言うらしい。しかし、「二度目の還暦を迎える」などとは、何とも凄い話だ。こんな途方もない長寿を、本当に昔の人は可能だと思っていたのだろうか。医学が進み、衛生状態や栄養状態が格段に良くなった現代でも、「大還暦」を迎えられる人は殆どいない、と言っても過言ではない。ましてや、欲望のままに日々を送っている我が身では、決して有り得ない話だ。正式には、世界で一人だけギネスブックに認定されているらしいが、これから先もおいそれとは出て来ないだろう。
ただし、観音様の功徳日と呼ばれる縁日に参拝すると百日分や千日分のご利益が得られる、との信仰がある様に、例えば、厄年を無事過ごすと12年過ごしたのと同じだけ暦が進む、 “功徳暦”でもあれば話は別なのだが…。
【文責:知取気亭主人】
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