2014年9月17日
先週、インターネットで嬉しいニュースを読んだ。10日の読売新聞ネット版に載った記事で、一時皮膚がんの増加が危惧された、成層圏のオゾン層破壊に関するものだ。その記事に拠れば、国連の世界気象機関が、「オゾンの増加傾向が、この35年で初めて確認された」と発表したとある。フロンを始めとするオゾン層破壊物質の規制が世界的に進み、その効果が表れた結果なのだろう。数値的には、北半球中緯度の上空約40キロ・メートルの成層圏で、2000年から2013年で約4%増えたことが観測されたらしい。大した増加ではないように聞こえるが、このペースでいくと、今世紀の半ばまでに地球のほとんどの地域で破壊が深刻化し始める以前の状態に戻る、というから凄いことだ。更に、他地域に比べ回復が遅れる南極地方でも、2075年頃までに元に戻るというから何とも喜ばしい。このままいけば、何とか孫子の時代に、安全な環境のひとつは残してやれそうだ。
先行きが世界各国の努力に委ねられているところが何とも危ういが、兎にも角にも、「オゾンが増えた」ということは地球人にとって喜ばしいことである。ところが、そんな嬉しい増加のニュースを知った後で、極めて個人的な事なのだが、或るデータを整理していて、気になる増加・減少の事実に気が付いてしまった。こちらは、オゾンと違って努力を怠った結果が素直にデータに表れた、つまり、因果応報だということになりそうなのだが、さてどういうことなのやら…。
私は、2006年の3月から、血液検査の結果をパソコンの表計算ソフトで管理している。生活習慣病を指摘されたのを契機に初めて、今もせっせと続けていている。年1回実施している毎年の定期健康診断の結果に加え、ほぼ2ヶ月に1回の割合で掛かりつけの医院で行っている検査の結果も合わせ管理している。データを数えると、大体年5、6回血液検査を実施している事になる。また、ただ記録するだけでは面白くないので、標準値を超えた場合は、そのデータのセルに黄色の色付けをして、ひと目で注意項目が分かるようにしている。丁度、黄色が多ければ不健康、という注意信号が灯っている感じにしているのだ。
今回の四方山話を書くに当たって、改めて8年余の検査結果を俯瞰してみた。すると、データを管理している割には、多少黄色が減ったように見えるものの、2006年当時に比べ劇的には変化していない事に気が付いた。悪化している検査項目も無い代わりに、明らかに改善されたという項目も少ないのだ。途中で劇的に改善されたように見える年もあるにはあるのだが、暫くすると、元の木阿弥になっている。
生活習慣病であるから、これまで通りの怠惰な生活を送れば改善されないことは判っているのだが、なにぶんにも数値が改善されると直ぐ気が緩んでしまう。その結果、悪化の一途をたどる項目も無い代わりに、劇的に改善される事も無く、生活習慣病とキレイサッパリおさらば出来ないでいる。「原因は?」と問われれば、生活習慣病を患っている多くの人と同じ様に、飲酒と運動不足が諸悪の根源であることは間違いない、と即答できる。しかし、多分、私はバッカスに愛されていて…。とこんなバカな妄想まで言い始めたが、これまで通りの“楽しい生活”を続けた結果、血液検査以外にも予想外の数値変化が出始め、驚いているのだ。週末に、新たな管理項目に加えて、初めて気が付いた。そんなお粗末な話である。
掛かりつけの医院では検査していないが、毎年の定期健康診断で必ず調べる項目がある。身長と体重、そして腹囲、つまり腹回りである。身長と体重からは肥満度を表すBMIが計算され、「健康診断成績票」に記載される。この「健康診断成績票」には、過去2年分のデータも記載されていて、1枚の調査票で、都合3年分の健康成績が確認できる事になっている。
血液検査の結果を整理していて、BMIを含めた4項目も管理しようと思い立ち、週末にこのデータを加えていて、驚いた。増えなくていいものは増え、減らなくていいものが減っているのだ。それも着実に。
メタボの指標となる腹囲は、基準の85センチを僅かばかりだが超え、見事90センチに到達している。その増える様は、腹の贅肉が自我を持ち始め、100センチの大台を目指しているようにも見える。そうであるなら、是非とも自我は捨ててほしい!
冗談はさておいて、それに合わせて、体重も少しずつだが着実に増えている。必然的に、BMIも増え続けていて、まだ基準となっている25.0には届いていないものの、目前に迫っている。しかも、体重が増えているだけでなく、もう一方の関係数値である身長が地球の重力に逆らえないでいるから、尚更大変なのだ。
データはないが、私の記憶では、10年ほど前には177センチ台の時もあった筈なのだが、今年の計測では、175.6センチと1センチ以上縮んでいる。それまでは、測定時の姿勢や測定器具による誤差なのだろう、と背が低くなっている事をどこか認めない自分がいたのだが、今年の調査票を見て愕然とした。毎年着実に低くなっているのだ。毎年同じような時間帯に測定しているから、朝晩による違いのようなことは無い。よく、歳を取ると背が縮む、と聞いたことはあったが、まさか自分の身に起こるとは思ってもみなかった。しかもこの若さで!
加齢と共に関節の隙間が減ったり、擦り減ったり、などという事が原因であることは判っているのだが、まさかこんな事で老いを感じるとは思ってもみなかった。体そのものが擦り減って亡くなってしまう訳でもないから、そう悲観することも無いのだが、ひょっとして体重の増加も加齢以上に悪さをしているのかも知れない。春頃から時々痛み出す膝も、そういったものが原因に違いない。尤も、重力さえなければ、背の縮みも膝痛も無いのだが…。
【文責:知取気亭主人】
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私にもこんな時があったのだが…! |
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