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2018年5月23日
「東西両雄が激突。伝統校同士の東西両雄対決は、東に軍配が上がった。やはり前年の覇者は違う。しかし、両校の戦いは実に見ごたえがあった。
手に汗握る戦いに、両校の応援席からは温かい拍手が鳴りやまなかった。」となる筈だったのに…。実際は全く逆の様相を呈している。勝ったチームに対し、
称賛ではなく激しい非難が浴びせられているのだ。しかも、日本全国からだ。今月6日に行われた、関西学院大と日本大学のアメリカンフットボール(以下、アメフト)の定期戦で勃発した、例の反則騒動だ。
誰が見ても一方的に反則を犯していると分かるあのシーンが繰り返し流されている上に、その後の対応のまずさから、
反則を犯した日本大学の心証は悪くなる一方だ。無防備な相手選手に後ろからタックルするという危険な反則行為の映像は、
真相が究明され解決されるまで放映され続けることになるだろう。ここまでくると、監督の辞任だけで事を納めようなどという甘い考えでは到底治まらない。
日本大学そのものや監督・コーチの責任はそれほど重大だ。監督からの反則指示があったとの話もあり、真相究明は焦眉の急だ。
ただ、そうした真相究明もさることながら、反則タックルを受けた関西学院大学選手の後遺症と同様に、反則を犯した選手の心の傷も心配だ。
22日に犯した側の選手の記者会見も行われたが、そこに同席する大学関係者の姿は無い。その状況を見るにつけ、大学や監督など指導する
側と選手との気持ちは完全に乖離していることが分かる。大学が当初発表した、指示と受け取り方の乖離ではない。心がバラバラなのだ。チームとして戦うスポーツなのに、何とも情けない話である。
それにしても、ルール上重いとされる15ヤードロスの罰則は受けたものの、あんな卑劣な反則をしても一発退場にならないとは驚きだ。調べてみると、
アメフトにも「資格没収(退場)」というルールがあるらしいが、誰が見てもレッドカードものだと思う反則なのに、あの程度ではそれに当たらない、
ということだったのだろうか。その後立て続けに2度、都合3度の15ヤードロスの罰則を受けて、やっと資格没収になったというから、きっとそういうことなのだろう。
映像で見ている限り、サッカーの様に審判が反則した選手に対し直接注意している様子も見られないし、監督やコーチ、
あるいは同僚から注意を受けているシーンも気が付かなかった。こうした危険な反則プレーが日常茶飯事だとは思えないが、
少々のラフプレーや反則プレーは織り込み済みのスポーツ、ということなのだろうか。そう言えば、私の穿った見方なのかも知れない
のだが、アメリカで人気のスポーツは少々荒っぽいところがないとダメ、なのかも知れない。精神性も問う日本発祥のスポーツ、例えば柔道や剣道とは随分と違う。お国柄、なのだろうか。
今回騒動となったアメフトは、その名の通りアメリカが発祥の地で、当地では不動の一番人気スポーツであるらしい。
100キロを超す巨体のぶつかり合いは、確かに迫力がある。「少々のラフプレーがないと興味は半減」とまではいかない
までも、イングランド生まれのラグビーに比べると、ぶつかり合いの激しさは格段上の様な気がする。それは、ラグビー選手
にはない、ヘルメットに代表される防具を装着していることからもうかがえる。防具を装着する理由は、ラグビーと違い、腰から
上へのタックルが認められており、且つボールを持たない選手同士でもぶつかり合うことが認められているからだという。やはり、そうした激しさが気に入られている大きな理由なのだろう。
他にも、アメリカでは荒っぽいスポーツが人気だ。アイスホッケーもそうだ。あの激しい当たりは、
氷上の格闘技と呼ばれているらしいが、言い得て妙だ。先ごろ韓国で開かれた平昌冬季オリン
ピック・パラリンピックでも、激しい当たりで熱戦を繰り広げてくれた。良く怪我をしないものだと感心するほどの激しさだ。やはり、あの激しさとスピードにアメリカ国民は魅了されるのだろう。
また、激しいという意味では、一部の日本人にも人気のプロレスもそうだ。アメリカでの試合を見た経験もないのだが、
日本でのプロレス黎明期である力道山時代から、プロレスの本場はアメリカだと思っている。恐らく、今でもそうだと思う。
アメリカではショービジネスとしての側面が強いように聞くが、筋書きのある格闘技だと分かっていても、あの激しさに魅了されてしまうのだろう。
相手を叩きのめすまで戦うスタイルは、眠っている狩猟民族の闘争心に火が付くのかも知れない。
今二刀流で話題となっている大谷選手がプレーする大リーグも、激しさという意味では、結構インパクトのあることをしてくれる。
デッドボールに端を発することの多い乱闘の激しさは、テレビニュースでしか見たことはないが、日本プロ野球の比ではない。
日本に助っ人として来る大リーグ経験者もその激しさを持っている選手が多く、オフに放映される歴代の乱闘シーンには、
必ずと言って良いぐらい外国人選手が中心にいる。それに比べると、日本人同士の乱闘シーンは極めて少ないように思う。
また、スワッ乱闘か、と期待しても大乱闘にならずに治まってしまうことが多い。やはり、お国柄、ということなのだろう。
しかし、「激しさはお国柄の違いなのかな」と思う反面、アメリカは極めて論理的だ。野球に見られる投手の投球数制限なども、体のことを考えた上のことだ。そ
ういう意味では、精神論で物事を見ようとすることの多い日本球界とは随分違う。選手生命のことを考えればアメリカの方が進んでいる、と思えてしまう。恐らく、
今回の騒動をめぐる対応も随分違ったのではないかと思う。それこそ、お国柄が出たのではないだろうか?
【文責:知取気亭主人】
サクラソウ
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