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知取気亭主人の四方山話
 

『猛暑災害』

 

2018年8月1日

暑い!とにかく暑い!連日の猛暑で、まるで日本列島そのものが熱中症になってしまったかの様だ。関東から九州の広い範囲で、体温を軽く超える日が続出している。本格的な夏はまだまだ続くのに、7月23日には埼玉県熊谷市で41.1℃の酷暑を記録し、それまでの国内最高記録(高知県四万十市の41.0℃)を更新してしまった。この日は、熊谷市以外の青梅市、多治見市、甲府市でも40度を超えた。新聞には「災害級猛暑」の文字が異彩を放っているが、総務省消防庁の発表に依れば、7月22日までの1週間に熱中症によって救急搬送された人は、全国で22,647人にも上る(http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_2.html)。亡くなった人も13人もいる。最早「猛暑災害」だ。

夏の猛暑については、これまでもこの四方山話で何回も取り上げたが、今年の暑さは尋常ではない。しかも、西日本豪雨災害以降、ここ金沢では全くと言って良いぐらい雨が降っていない。植物もそうだが私も干からびそうだ。先週の週末に紀伊半島に上陸して瀬戸内海を西進した、異例の迷走台風12号が金沢にも大雨をもたらすかと危惧していたのだが、南側のコースを通ったこともあって、恵みの雨すら降っていない。豪雨災害被災地の皆さんには申し訳ないが、とにかく一雨ほしいところである。

この異常気象、どうやら日本だけではなく、世界規模で起こっているらしい。テレビのニュースでやっていたが、カナダ東部のケベック州で熱波により死者が出たかと思えば、同じカナダ東海岸のラブラドール州では6月中旬に180cmもの積雪があり、人々をびっくりさせたという。また、アメリカ・カリフォルニア州のデスバレーでは、7月8日に52℃もの物凄い高温を記録している。7月22日の日本経済新聞朝刊(以降、日経新聞)によれば、涼しい夏のイメージがある北極圏でも、ノルウェーで33.5℃、フィンランドで33.4℃を記録したというから驚きだ。

こうした異常気象の原因が急激な地球温暖化に依るものだということは、最早論を俟たないのだが、その一方で、人間の活動に影響されない天体現象の大きな揺らぎが地球の気候に多大な影響を与えていることも、以前より知られているところである。同じ7月22日の日経新聞にはそんな記事が載っていたのだが、その記事を読むうちに、今よりももっと凄い灼熱地獄の夏がやって来るのではないか、心配になってきた。

その記事によると、現在地球の自転軸は太陽の周りを回る公転面に対して23.4度傾いているのだが、この傾きが21.5度から24.5度の間でゆっくりと変化しているという説があるのだという。その周期は約4万年にもなるらしい。また、太陽の周りを回る公転も、円から楕円へ、楕円から円へと、約40万年もの長い周期でゆっくりと変化していることが分かったという。日本の研究グループが発表したものだ。

発表に依れば、南極大陸の内陸にある大陸氷河をボーリングで地下深部まで掘削し、約72万年分、長さにして3,035mの氷を採取・分析した結果分かったという。氷の中には過去の気候を示す酸素と水素の、それぞれ2種類の同位体が微量に閉じ込められていて、これを分析することで分かったらしい。各同位体の比率は温度によって変わることが知られていて、その性質を利用したのだ。因みに、深さ2,500mまでは氷1oが約1年に当たり、それ以上深くなると氷自体の重みや地熱で保存状態が悪くなり、分析も難しくなるらしい。

ところで、私が注目したのは、公転の変化である。今の公転軌道は、太陽からの距離が遠日点で15,210万km、近日点が14,710万kmの楕円軌道を描いている。この楕円軌道が40万年周期で変化するらしいのだが、現在の地球は、丁度40万年ぶりに円軌道に戻る周期が始まった状態らしい。だとすると、これから40万年かけて遠日点が500万km太陽に近づくことになる。近づく距離を率にすると約3%である。たかだか3%の変化であるが、地球環境にとっては余りに大きいのではないだろうか。しかも、北半球にとっては太陽から遠い位置が夏に当たるから、夏のシーズンに近づくことになるのだ。今よりも更に暑い、灼熱の夏がやって来る可能性は無いのだろうか。

研究チームも、公転軌道の変化が地球の気候にどんな影響を与えるか、計算機による模擬実験などを通じて予測したらしい。ところが、はっきりした結果は出なかったという。その事をどう考えたら良いのか、結局今も不安を払拭できないでいる。尤も、40万年も先の事ではあるのだが…。

因みに、自転軸の傾き変化が“南極の気温”に与える影響については、傾きが大きくなると(24.5度)上昇し、小さくなると(21.5度)低下して、その気温差は約3℃だという。こんなにも気温差があるとは驚きだ。4万年という気の遠くなる様な周期のお蔭で、本来であれば、たかだか100年前後の人間の寿命では体験せずに済みそうなのだが…。

しかし、地球の揺らぎが気候に与える影響よりも、人間活動が与える影響の方が遥かに大きいことから、4万年も待たずにずっと早く、激しい気候を体験してしまうかもしれない。7月24日の日経新聞によれば、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、このまま温暖化が進めば、今後10年当り0.2℃ペースで気温が上昇して2040年には産業革命前よりも1.5℃上昇する、との予測をまとめた。現在よりも約0.4℃も上昇することになる計算だ。そんなに先の事ではない。今30歳の人が50歳になる頃の話である。その頃には、40℃超えが普通になり、最高気温は45度に迫り、「猛暑災害」が頻繁に使われている、そんなことになっていそうな気がしてしまう。恐ろしいことである。

【文責:知取気亭主人】

夜空に浮かぶ月は涼しげなのだが…
夜空に浮かぶ月は涼しげなのだが…

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