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知取気亭主人の四方山話
 

『やっぱりメンテナンスが大事』

 

2018年10月10日

ひと月ほど前から、住宅のある部分が気になって仕方がない。散歩の時も自宅の二階から外を見る時も、そして会社から下の家並みを見る時も、である。中でも一番よく見ているのは、出張して電車に乗っている時だ。これまでだと、この貴重な移動時間は、本を読んだりこの四方山話を書いていたりしていることが多かったのだが、最近はもっぱら外の景色、それも住宅の屋根ばかりを見ている。そう、屋根が気になって仕方がないのだ。

理由は、6月にあった大阪北部地震以後、京都―新大阪間の屋根にブルーシートが目立つようになったのだが、それが一向に減らないばかりか、先月上旬に近畿地方を中心に大きな被害をもたらした台風21号の影響なのか、逆に増えているように見えるからだ。そうした近畿地方の自然災害による被害に加え、身近なところで我が家のお隣さんの屋根も僅かばかりだが屋根材が飛ばされているのを見つけ、それ以来我が家の屋根も気になり出している。どんな種類の屋根材に被害が多いのか、一向に減る気配のない近畿地方のブルーシートも気になりっぱなしである。

金沢から大阪に向かう特急「サンダーバード」に乗り、福井県と滋賀県の県境を過ぎると琵琶湖周縁の平坦地に出る。外の景色に注意していると、この辺りから台風や地震の被害が少しずつ見られるようになってくる。住宅地に近い斜面には、強風によるとみられる倒木が目立つ。それもかたまって倒木している所が多い。そして、左に広がっていた琵琶湖を離れ京都に近づく辺りから、倒木に代わり、住宅や納屋と思しき建物の屋根に張られたブルーシートが急に増えてくる。建物自体が壊れているなどという重篤な建物は全く見られないのだが、青は一般的な日本家屋の屋根材には無い色なので、ブルーシートが掛けられていると良く目立つ。ただ、目に入るすべての屋根にシートが掛けられているわけではない。そこで、どんな種類の屋根に多くかけられているのか、探ることにした。

注意して見ていると、圧倒的に粘土瓦(以下、瓦)の屋根が多いように見える。走っている電車の中から見ただけであるし、詳しい統計を取った訳ではないが、感覚的には9割近くがそうではないかと思う。残りの1割が我が家やお隣さんと同じスレート瓦(以下、スレート)のように見える。この二種類の屋根材の他に、一般住宅用としては瓦やスレートに似せた金属製の屋根材もあるらしいが、私が見ていた中にあったかどうかは分からない。そんな中、これは金属屋根に間違いない、と気が付いたのがひとつだけあった。神社と思しき建物の緑青色の銅板屋根だ。ただ、この屋根は、シートのかけらもなく見事な曲線を描いていた。

さて、圧倒的に被害が多かった瓦屋根だが、見ているうちにシートが掛けられている位置にも特徴があることも分かってきた。大屋根の「棟」と呼ばれる屋根の一番高いところを覆い、両側に垂らすように掛けられているのが圧倒的に多いのだ(写真-1参照)。シートの端には土嚢袋が括りつけられていて、風で舞い上がらないようになっているのだが、写真-1にも見られるように、シート自体が破れているものも散見され、被災後も度々強風に襲われているのが良く分かる。

瓦屋根における地震の揺れに対する被害で多いのがこの「棟」の損壊だと聞いたことがあるが、一番上に位置していることから、恐らく強風の被害も受けやすいのだろう。シートの位置を見ると何となく分かる。また、次に被害を受けやすいのが、写真-1で言えば大屋根の両端(赤丸印)部分だという。確かに、写真-1ほど隣家とくっ付いていない所では、この部分にもシートが掛けられている家もある。そしてもうひとつ気が付いたことがある。

見るからに古そうな住宅が被災しているのは勿論だが、建てて20年も経っていなのではないかと思われる比較的新しそうに見える屋根も被災している。恐らく、施工が悪かったのか、必要なメンテナンスをしていなかったのだろう。我が家のお隣さんは完全にそうだ(写真-2参照、赤丸印部分が飛散した)。スレートの場合は10年に一度は塗装する必要があるらしい。ネットで調べると、比較的耐用年数の長い瓦屋根でも、メンテナンスは必要だという。人間の体もそうだが、何事もメンテナンスは大事、ということである。

写真-1(右端のシートは破れ)
写真-1(右端のシートは破れ)
写真-2(中央の棟の金属が飛ばされていた)
写真-2(中央の棟の金属が飛ばされていた)

ところで、たまたま手にした10月5日の神戸新聞夕刊によれば、日本三大瓦の一つとされる「淡路瓦」(後の二つは、愛知県の「三州瓦」と島根県の「石州瓦」)に注文が殺到していているという。台風21号で大きな被害を受けた、大阪府南部や和歌山県、奈良県からの注文が多いらしい。メーカーも減って供給能力に限界があるため、需要全てに応えるのは年をまたぐ見通しらしい。三宮で乗ったタクシーの運転手も、「瓦の修理を頼んでも半年待ちだ」と言っていたが、その話はどうやら本当のようだ。下手をすると、真冬の時期をブルーシートの下で過ごさなければならないかもしれない。

被災して修理を待つ人にとっては遅きに失した感は否めないが、今回の修理に合わせメンテナンスをしておくことが次への備えになることは間違いない。そうすることによって、次の災害の時には難を逃れることができるかもしれない。そのためには、自宅の現状を把握しておくことが重要だ。そして小まめに手入れをしておく、それが肝心かなめのようである。

【文責:知取気亭主人】

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