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知取気亭主人の四方山話
 

『耐久消費財の耐久って何年?』

 

2019年1月30日

確か10年程前にも似た様な事があったと記憶しているのだが、最近自宅の電化製品が、相次いで「もう疲れたよ!」の信号を出し始めた。血圧計と洗濯機、そして炊飯器だ。どれも、買ってからまだ10年経っていない。中でも重症は手首に巻くスタイルの血圧計で、2週間ほど前に完全に止まってしまった。朝の血圧測定を医師から言われている私にとって、必需品の健康器具だけに、直ぐに買い替えすることに決めた。

また洗濯機は、衣類を均等に入れ、洗濯槽の重心が偏らないよう細心の注意をしている筈なのに、しょっちゅう止まってしまう。その度に手を煩わされ、全自動洗濯機の“全自動”を取ってやりたいぐらいだ。暮れから一緒に暮らし始めた長男に言わせると、「使い物にならない!」となるのだが、何とかだましだまし使っている。ただ、共稼ぎの息子夫婦にとっては、大事な時間が取られてイライラは募るばかりのようだ。金の掛かる話だが、これも代替機探しを始めることにした。

三つ目の炊飯器は、蓋の開け閉めの具合が悪くなってきている。妻の話だと、パッキンを取り付ける蓋のところが少し欠けているらしい。まだ確認はしていないのだが、恐らくパッキンを取り換えさえすれば、まだまだ現役でいてくれると信じている。確認すればハッキリするのだが、忙しさにかまけているのと、女性陣からの悲痛な叫びが届いていないのを良い事に、確認も部品の注文もまだしないでいる。購入して5年程しか経っていないから大丈夫だろう、と高をくくっているのだ。

ところが、血圧計と洗濯機の買い換え候補を探し始めたところで、家庭用電化製品は、購入してから5年や6年でも、故障したり使えなくなってしまったりする可能性が十分あることを知った。製造物責任法(PL法)によって、「製造物は10年間の瑕疵責任があるのだから10年間は使用できるように作ってある」と勝手に信じていたのに、どうやらそうでもないらしい。しかも、血圧計にいたっては、「耐用年数」、あるいは「装置寿命」があって、5年どころかもっと短くても使えなくなる製品もある。

この「耐用年数」「装置寿命」は、メーカーの取扱説明書に必ず記載されていて、これが血圧計の寿命だという。確かに、つい先日ネットで購入した上腕式の血圧計の取扱説明書にも、「耐用期間」として「30,000回もしくは5年のいずれか早く到達した方」と書かれている。上腕に巻く「腕帯」にいたっては、「10,000回もしくは1年の何れか早く到達した方」とも書かれていて、5年どころの話ではない。また、洗濯機の買い換え機種を探しに行った家電量販店でも、説明を受けて驚いた。洗濯機の部品保管期間は10年ではなく6年だと言い、しかも1日1回で6年間使えるのが目安になっているのだという。最低でも10年間は使用できる、とばかり思っていただけにショックだ。長く使い続けてもらっては商売がやりにくい、という企業の本音は分からないでもない。しかし、今の技術力をもってすれば10年という耐用年数はそんなに難しいことではないと思われるのだが…。

ところで、私が勘違いした製造物責任法(PL法)は、「製造物の欠陥」が原因で他人の生命・身体・財産に損害が生じた場合、製造業者等に損害賠償責任を負わせる法律だが、どうやらその法律の中に耐用年数などは規定されていないらしい。ただ、PL法を受けて「公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会」が取り決めた部品の保有期間を定めた一覧表があって(https://www.eftc.or.jp/code/notation/notation_table3.php)、それを耐用年数の目安にしているのではないかと思われる。その一覧表(下表)の説明には、「当面の間、最低限、下記の表の品目を対象にしており、保有年数は同表の右欄の年数をしたまわることはできません。(原文のまま)」と書かれているのだが、思ったより短い。


補修用性能部品表示対象品目と保有期間
製品名 年数 製品名 年数 製品名 年数
電気冷蔵庫 9 テープレコーダー 6 エアーコンディショナー 9
電気洗濯機 6 白黒テレビ 8 電気掃除機 6
カラーテレビ 8 ミキサー・ジューサー 6 ステレオ 8
電気釜 6 扇風機 8 電気コタツ 6
電気井戸ポンプ 8 電気アンカ 6 冷水器 8
電気毛布 6 冷風扇 8 電気ストーブ 6
電子レンジ 8 電気カミソリ 6 換気扇 6
電気ポット 5 電子ジャー 6 トースター 5
ズボンプレッサー 6 ロースター 5 電気パネルヒーター 6
アイロン 5 ウィンドファン 6 電気コンロ 5
ラジオ 6 ヘアーカーラー 5 屋外排気式石油ストーブ 7
開放式石油ストーブ 6
<https://www.eftc.or.jp/code/notation/notation_table3.php>より作成

この一覧表に示されている家電製品は、俗に言う「耐久消費財」だ。しかし、ご覧の様に5〜9年と幅があり、しかも何れも10年には届いていない。恐らく、メーカー側は5年以上を“耐久がある”と定義しているのではないだろうか。しかし、できれば10年、それが無理ならせめて8年はもってもらいたい、と思うのが財布の紐を緩める我々の願いなのだが…。


【文責:知取気亭主人】


風雪に耐えて21年、良く頑張ってるな!(ツツジ)
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