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知取気亭主人の四方山話
 

『にわか大工、あわや寝たきり?』

 

2019年2月6日

長男家族との同居が始まってほぼひと月が経った。もうそろそろ片付けから解放されている予定だったのに、生憎そのゴールはまだ遠い。少しは近づいて来ているが、落ち着くまでには今暫く掛かりそうだ。運び込まれる荷物がいまだに増え続けていて、キッチンと居間、そして寝る部屋以外は、持ち込まれた荷物や我々夫婦の断捨離できないでいる物で溢れ返っている。入れ物である我が家はそのままなのに、人間と物だけが一挙に増えたからだ。何せ、大人二人に幼児が三人、都合五人も増えたのだから仕方がない。当然のことながら、人間に付いて来る物もその分多い。

そうした人間や物の増加に加え、元々家自体に収納スペースが少ないこと、そしてその少ないスペースを有効利用していないことなども、物が溢れている原因の一つだ。他人事のように聞こえるが、どうやって運び込んだ荷物を整理するか、息子夫婦の片づけ手腕の見せ所となっている。今は「取り敢えず運び込んだ」という状態だ。仕舞い込む空間として残されているのは、中途半端な利用しかしていない押入れがひとつと、押し入れとしての装備がない、全くの空き空間が一つのみである。どちらも中途半端な大きさなのだが、特に後者は極めて使い勝手が悪い。仮に“新押入れ”とでも呼ぼう。

新押入れは、内寸法で間口120cm、奥行き82 cm、高さ250pほどの、本当に何にもないただの空間だ。それが長男家族の寝起きする部屋に備わっているのだが、何を入れるにしても収まりが悪い。しかも開き戸のため、布団を敷くと開けられなくなってしまう。そこで、長男と相談して、普通の押し入れと同じように布団を仕舞うことができるようにしよう、ということになった。他の部屋の押し入れに習い、床から85pの高さのところに布団が積み重ねられるしっかりした棚を、そして天井から60センチほど下に奥行40pほどの軽いもの専用の棚を付け、都合3段に分けようというのだ。作るのは、もちろん言い出しっぺの私である。これでも、大工仕事には少々腕に覚えがある。

金曜日の夜からメモ書き程度の設計図を作り、土曜日一日で一挙に作り上げることにした。計算では、夕方までに終える予定だったのだ。ところが、10時頃から材木にカット線を入れ始めたのにも拘らず、“奥”と“て前”、そして“上と下”で寸法が微妙に違うため、切り出すまでに予想外の時間が掛かってしまった。全ての部材を切り終り、それではと組み立て始めた頃には、もう日は大きく傾き始めていた。

16時半ごろから本格的な組み立て作業に取り掛かったのだが、道具と作業スペース、そして腕に限りがあるため、なかなかスムーズに進まない。しかも途中で足りなくなった木ネジを買いにいったりしたこともあって、結局終わってみれば21時近くになってしまった。ただ、無我夢中で工作したお蔭で、なかなかの出来栄えだ。家族からは、「まるでプロ!」とまではいかなかったが、「凄い!」のお褒めの言葉を頂いた。

しかし終わってみると、我ながら満足する出来栄えになったのは良かったのだが、なんだか腰が重く痛い。昔やったギックリ腰とはどうも違う。どうやら、三方の壁に桟となる部材を木ネジで止める姿勢が良くなかったらしい。理学療法士の長男によれば、私の腰痛の原因は、腰骨にあるのではなく、腰を伸ばした姿勢を保とうとして腰の筋肉が緊張したままの状態を長時間続けたためだという(筋肉が収縮したままの状態も緊張状態と言うらしい)。そう言えば、上の棚を止める際、棚板がぎりぎりのサイズだったこともあって、腰が伸びきった状態で暫く格闘していたのだった。腰の筋肉の緊張が腰痛の原因、と聞いてある人のことを思い出した。向かいのご主人だ。

向かいのご主人は、3年ほど前の文化の日に菊花展で腰を痛め、暫く入院を余儀なくされた。退院してきた姿は気の毒なほどで、両手に杖を持ちヨボヨボ歩き、歩くのもやっとであった。聴くと、菊花展の際、一番若かったこともあって高い所への展示を一手に引き受けたらしい。その晩から痛みがひどくなったという。ところが、体力にも自信があり軽く考えていたため、病院にもいかず暫く放っておいたらしい。すると、緊張したまま固まってしまい、激しい痛みで歩く事も出来なくなってしまったというのだ。結果、入院と手術、そして長期のリハビリを余儀なくされ、そして丸2年以上経った今、やっと杖が手放せるようになった次第だという。重い物を持ったわけではないのに腰を痛めるとは、筋肉を緊張しっぱなしにするというのは恐ろしいものである。要するに、無理な姿勢は続けるな、ということであろう。

私はというと、彼ほど重症ではなかったこともあり、我流のストレッチや息子に教えられた姿勢のお蔭で大事に至らずに済んだ。4日経った今、まだ少し違和感があるものの、痛みはだいぶ和らいだ。“にわか大工”と意気込んだまでは良かったのだが、あわや向かいのご主人の二の舞になるところだった。やはり、“にわか”が付いている通り、素人は体の使い方が下手くそらしい。暫くは、“にわか…”には手を出さないでおこう!

【文責:知取気亭主人】


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