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知取気亭主人の四方山話
 

『季節感』

 

2019年10月30日

もう10月も終わろうとしているのに、我が家には、いまだに夏の余韻が残っている。西日が当たる窓に、グリーンカーテンが撤去されずにまだ残っているのだ。生活道路に面しているから、「いい加減外したらいいのに」と呆れて通る人もいるに違いない。サッサと片付けてしまえばいいのだが、いまだに奇麗な花を咲かせてくれていて、申し訳なくて処分に踏み切れないでいる。植えてあるのは、2年生の朝顔だ。最低気温は既に15℃を下回る日が増え、最高気温も20℃に届かない日もある。一時の暑さに比べたら随分涼しくなった筈なのに、相変わらず元気に咲いてくれている。そんな元気な朝顔を朝晩見ていると、もう直ぐ“みぞれ”が降る季節になるとは、とても思えない。

朝顔と言えば、小学生の夏休み定番の観察植物と思っていて、夏の植物の代表選手の感が強いからだ。したがって、私の思いの中では、朝顔の花に似合うのはギラギラと照り付ける真夏の太陽で、“みぞれ”が降る灰色の空ではない。勿論、服装なら半袖だ。麦わら帽子もお似合いだ。ところが、今はもう半袖では風邪をひいてしまう。日によっては暖房が恋しくなる日も出てきた。そんな状況なのに、朝顔はまだ花を咲かせている。品種そのものが長い期間花を付けるものなのかもしれないが、それにしても、後ひと月もすると雪の便りが届く頃になるというのに、まだ朝顔とは、何ともおかしな感じである。恐らく、我が家の朝顔にとっては、まだまだ活動時季、と思い込むほどの気候なのだろう。

そう言えば、通勤の車の中で良く聴いているNHKラジオからも、季節感に関する話題が流れていたことがあった。凡そ半月ほど前だっただろうか。秋の花で香りのよい花と言えばキンモクセイがすぐ思い浮かぶのだが、ラジオから流れてくる視聴者の便りによれば、例年に比べて開花が随分遅れているのだという。番組レギュラーの気象予報士の話だと、当該視聴者の地域ばかりでなく、全国的にみても遅れているところが多いという。我が家のキンモクセイも、10月の上旬ぐらいから咲き始めたのだが、いつもより少し遅い気がする。そして、いつもより遅くまで咲いていたような気もする。

また、キンモクセイ以外にも、例年より遅れている植物が話題になっていた。秋の彼岸(9月23日の秋分の日を挟んで前後3日間)の頃に咲く、真っ赤なヒガンバナだ。花が少ない時季に、これでもかというぐらい目立つ花だが、今年は全国的にいつもより遅いという。言われてみれば、会社近くの川の堤防で毎年目を楽しませてくれているが、今年は例年より少し遅かった気がしないでもない。このままいけば、秋の彼岸の花、というイメージが崩れてしまうかもしれない。田舎育ちで、野山の自然と一体然として遊んできた私としては、狂いっぱなしの季節感になっている。

狂っている季節感は、着るものにも表れている。いまだに、着ているスーツは夏物だし、その下のワイシャツに至っては、先週までではあるが、半袖で頑張ってきた。さすがに、雨の日など上着を脱いで半袖シャツだけだと肌寒い時もあったが、日中はそんなでもなかったのだ。ただ、「年寄りの冷や水と言われないようにね!」との奥さんの忠告を聞き入れて、今週からは長袖シャツに決めた。しかし、この先も最高気温が20℃を超えるとの予報を見ると、今しばらく半袖でもいけるのではないかと思ってしまう。去年の今頃の事を明確に覚えている訳ではないが、例年に比べると随分と温かい感じがする。痩せ我慢をしているわけではないが、休日の家での装いも、まだ暫く冬仕様にはなりそうもない。

庭いじりをしている時も、近くに出かける時も、長時間歩く時以外はいまだに素足にサンダル履きが殆どだ。家の中でも、冬に履くいつものスリッパは袋の中にしまったままで、11月が直ぐそこまで来ているのに素足で通している。でも、一向に冷たくない。いつも足の裏が冷たく感じるとあたふたと履き出すのだが、このままいけば、12月の声を聞く頃まで素足で行けそうだ。これを書きながら、今年からスリッパを履き出した日を付けておくことに決めたのだが、冬使用への変更は例年いつ頃だっただろう。本格的な衣更えもまだなこともあって、どうも季節感が狂ってしまっている。肌感覚では、半月ぐらいは遅れているような気がする。

余り季節感が狂ってくると、折角先人が考え広めてくれた、粋な日本語の表現も使えなくなってしまう。その代表例として挙げたいのが、「小春日和」だ。晩秋から初冬までのポカポカと温かい日を言うのだが、10月29日のNHKラジオによれば、「小春日和」とは旧暦10月の異称で、今の暦でおおよそ11月から12月上旬ころを指すのだという。今年は、29日から旧暦の10月に入ったという。ただ、上記の期間でポカポカ陽気の日を全て「小春日和」というかと言えばそうではなく、一旦寒くなった後という条件が付くらしい。だとすると、このままずるずると年の瀬を迎えてしまうと、「小春日和」を使うタイミングはないような気がしてしまう。いくらなんでも、そんな事にはならないと思うのだが…。


【文責:知取気亭主人】


ダリアは今頃の季節だったかな?
ダリアは今頃の季節だったかな?
(散歩中に孫が撮影したダリア。 2019年10月26日)

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