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知取気亭主人の四方山話
 

『パパちゃん、ママちゃん』

 

2020年1月8日

2020年が本格的にスタートした。まだ正月気分が抜けきらないでいるが、ともあれ日常業務の再開だ。といっぱしに気張ってはみたものの、休みの間中“食っちゃ寝飲んじゃ寝”を繰り返していたせいか、飲み疲れた頭は今しばらく覚醒しそうもない。一週間もすればスッキリと覚醒しエンジンも掛かってくる筈、と高をくくっているのだが、今のところまだ暖機運転中といったところである。こんな言い訳をくどくど書いたのには訳があって、暖気運転中を良いことに、この四方山話も手身近なところで済ましてしまおうという魂胆なのだ。昨年暮れにも書いた“困った時の孫頼み”を、また頼ろうと思っている。ただ、今回話題提供をしてくれたのは、同居している孫たちではなく、長女夫婦の幼子である。

1月2日、長野県に住む長女夫婦が、1歳5カ月になる女の子を連れて里帰りしてきた。よちよち歩きをし始めたばかりの可愛い盛りの孫娘(以下、同じ)である。誰しも、乳幼児の成長には目を見張るものがあることは承知しているが、いざ実際会ってその様子を見ると、改めてその速さに驚かされることになる。そして、愛らしい仕草に、世の爺婆の目尻は下がりっぱなしとなるのである。当然、我々夫婦も一緒だ。しばらくぶりに会った孫娘の成長に、それでなくても細い眼はほとんどなくなってしまう。勿論、同居している孫たちも目に入れても痛くないほど可愛いのだが、小学三年と一年生、一番下でも既に四歳となった今では、もうこの子たちでは見られない年齢の愛らしい仕草が孫娘にはある。

その孫娘、少し見ない間にすっかり乳児から幼児に成長し、発する言葉はまだそんなに多くはないものの、既に可愛いしゃべり方で自分の意思を伝えられるようになって来ている。昨年9月に来た時にはまだ乳児そのものだったのに、その成長ぶりには驚かされるばかりである。たった4か月しか経っていないから、成長したのはヨチヨチ歩きできるようになったことと逞しくなった食欲だけかと思っていたが、どっこい発する言葉も随分と増えて来ている。それに伴い、両親の呼び方もハッキリとしてきた。

昨年11月末の時には、まだ本当の赤ちゃん言葉だったのに、今ではすっかり幼児言葉になっている。この時期特有なのだが、声の響き、イントネーションが堪らなく可愛い。また、その呼び方も堪らない。良く聞く「パパ」「ママ」ではなく、タイトルにも書いたように、「パパちゃん」「ママちゃん」と呼んでいるのだ。横で聴いていると、テレビで放映されている「サザエさん」のタラちゃんを彷彿とさせる可愛らしさだ。これまで数多くの幼児に会ってきたが、こんな呼び方を聴いたのは初めてである。

長女夫婦には呼ばせ方にこだわりがあったのか、生まれたばかりの時は、確か「お父ちゃんだよ」とか「お母ちゃんだよ」と呼び掛けていたような気がする。大きくなったら「お父さん」「お母さん」と呼ばせるつもりだったのかもしれないのだが、それが今では「パパちゃん」「ママちゃん」である。娘夫婦に聞いてみると、最初の頃は幼児でも言い易い「パパ」「ママ」と言っていたのだが、いつごろからか突然「パパちゃん」「ママちゃん」を使い始めたという。長女が言うには、長女には「ママいた」に聞こえていた孫娘の「ママぃちゃ」を、お義母さんと婿殿が「ママちゃん」と復唱していて、それを聞いていた孫娘が「ママちゃん」と言うようになったのではないかという。ただ、切っ掛けはどうあれ、愛らしい呼び方で、爺婆はすっかり気に入っている。娘夫婦も満更ではなさそうである。

しかし、この孫娘の呼び方で思い出したのだが、子どもが親を呼ぶ呼び方にはいろいろあって面白い。呼ばせる親の方にこだわりがあるのだが、我が家は、私が「パパ」と呼ばれるのが嫌いで、ずっと「お父さん」「お母さん」と呼ばせてきた。極々普通だと思っている。ところが、普通でない呼ばせ方をさせていた家庭を知っている。最も変わったところでは、大学時代の友人が「父」「母」と呼ばせていて、驚いたことがある。第三者に自分の親のことを話す時と同じ口調で、面と向かって親を呼ぶ時も言わせているというのだから、ビックリである。時代劇の中で侍が口にしていた、「父上」「母上」に通じていているのだろうが、今もって違和感がある。

また、「お父(おとう)」「お母(おかあ)」と“さん”を省いて呼ばせている知人もいる。私の勝手な想像だが、この呼び方が日本における親の呼び方の元々の基本だったのではないか、と思っている。「お父さん」「お母さん」は勿論だが、子供のころ良く耳にしていた、「おっ父(おっとう)」や「おっ母(おっかあ)」、あるいは「父ちゃん」「母ちゃん」など、いずれも真ん中に「お父」「お母」があるからだ。そう言えば、私の田舎で「おとっちゃ」「おっかちゃ」と呼んでいた友達もいた。これも漢字で書くとどうなるのかは不明だが、恐らく父と母の字が入るのだろう。また、長女の周りには、「とと」「かか」と呼ぶ子もいるという。

こうした昔からの呼び方も何となく哀愁があって良いのだが、今は「パパ」「ママ」が日本の家庭を席巻している。私も、若いころそう呼ばれるのは好きではなかったのだが、横で孫たちが言うのを聴いているうちにだいぶ違和感はなくなってきた。何歳ぐらいまでそう言わせるのか知りたいところだが、そんな“いらぬお世話”はさておいて、「パパちゃん」「ママちゃん」は、本当に可愛らしい。いつまでもそう呼び続けてほしいものだが、熟年夫婦がお互いを呼び合うのならいざ知らず、大きくなったらそんな訳にもいかないか…。


【文責:知取気亭主人】


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