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知取気亭主人の四方山話
 

『行ってきました高齢者講習』

 

2020年3月18日

16日の月曜日、昨年11月の第852話『ついに来たか』で書いた、運転免許更新に伴う「高齢者講習」に行ってきた。今回の高齢者講習は、誰しもが経験する「歳を取ると公的な扱いに生じる変化」のひとつである。高齢者と呼ばれる年齢まで生きてこられたという意味では幸せなことなのかもしれないが、体の機能の衰えは如何ともし難く、誰しも65歳を過ぎると公的な扱いに変化が出てくる。私にも、65歳を過ぎてからこれまでに、大きな変化が三つあった。まず65歳の誕生日を迎える直前に来た、「あなたは目出度く高齢者の仲間入りと成りました」のハガキだ。65歳以上が対象となる「介護保険被保険者証」である。2014年の第563話『仲間は3190万人』でも書いたが、このハガキをもらうと、いやが上にも「年を取ったものだなぁ」と実感させられる。

次の変化は、70歳の誕生日を迎えた時だ。70を過ぎても会社員として働いている人が対象となるのだが、70歳を過ぎると厚生年金を払う必要が無くなる。これからは支えられる一方の身分になってしまう訳で、支える側の若い人たちには申し訳ないのだが、“長幼の序”の一端を垣間見たような気がして、何となく嬉しくなってしまう。また、医療機関に掛かった場合には、健康保険証に加えて、負担割合が書かれた「健康保険高齢受給者証」を提示する必要が出てくるのも、この年齢からだ。

そして三つ目が、今回の高齢者講習という訳である。70歳を超えて運転免許証の更新をする人だけが対象ではあるが、そうした人は誰もがこの講習を受けなければいけない。ただこの後75歳を迎えると、後期高齢者の仲間入りをすることになり、今回以上に認知症検査を始めとする厳密な適性検査を受けなければいけないらしい。したがって、今回の高齢者講習は、生涯でただ一度経験できる貴重なものである。という訳で、まだまだ先のことと思っている後輩たちのために、どんな講習内容だったか参加報告をしようという訳である。

参加人数は、事前情報通り少人数で、男性4人、女性4人の都合8人である。新型コロナウイルス用に、ということなのか、机はそれぞれ1mほど離れている。ただ、受付手続きに続いて行われた視力や視野、そして動体視力の検査器具については、一人の検査が終わる度に消毒することもしなかったから、それほど意識している風でもなさそうである。それはさておいて、第852話で紹介したネット情報による講義内容は、@双方向型講義、A運転適性検査器材による指導、B実車による指導、の3種類だったのだが、どうやら都道府県によって多少の違いがあるらしい。

結果を先に言えば、内容については、AとBはほぼ想定していた通りだった。ところが、@に関しては見事に裏切られてしまった。ネットで調べたところ「双方向型講義」となっていたのだが、実際には、アンケートに答え講義を聞きビデオを見るだけで、とても双方向とは言えないやり方だった。講義の内容は、高齢者特有の体の衰えを踏まえた安全運転の指導や、「A運転適性検査器材による指導」として行われた目の検査結果を踏まえた注意などが主だったものだ。目の検査結果に関しては個別指導も行われたから、双方向と言えなくもないが、想像していた、「やり取りから認知症のチェックをする」ものとは大きく違っていた。

大きく違ったといえば、想定していた以上に納得したのが、「A運転適性検査器材による指導」として行われた目の検査方法だ。結果もさることながら、その方法は運転者の目のチェックとして理にかなっていて、「成る程ね!」と感心してしまった。器具は3台ある。最初の1台で、通常の視力検査(これを静止視力と言うらしい)と、回復時間の測定を行った。回復時間とは、例えば明るいところから暗いトンネルに入った時にいかに早くその暗さに慣れるか、その慣れる時間を回復時間として測定するのだ。

測定方法はこうだ。視力検査の機械で、明るい状態のまま、暫く(30秒ほどか)中央に表示されている視力検査お馴染みの“Cに似た模様(ランドルト環)”を見ている。時間が経つと、明かりが消えて真っ暗になる。やがて少しずつ明るくしてゆき、ランドルト環の隙間が視認できるまでの時間を計る。この時間を回復時間と称していて、75歳未満は53秒、75歳以上は58秒までが合格ラインらしい。私はぎりぎりだった。視認が遅くなるのは、水晶体を動かす筋肉が老化によって衰えるからだというが、パソコン画面の見過ぎも、筋肉の老化を加速させているのに違いない。若者は10秒で回復という情報もあるのに、トホホである。

次に検査したのが、視野角度だ。これはすこぶる原始的な方法だ。真っ直ぐ前を見ている状態で、ターゲットとなる白い小さな丸が左右に90度ずつ、両側で180度動かせるようになっていて、“見えなくなる角度”と“見え始める角度”の両方を計る。恐らく狭い角度の方を採用するのだろうが、私は167度だった。検査結果の紙に書かれている平均は130〜170度とあるから、まあまあ良好な結果だろう。

最後に検査したのが動体視力だ。時速30qで近づいてくるランドルト環が視認できた時の視力を測定するのだが、視力が1.2ある若者でも0.7まで下がると言われているらしい。50代以降急激に低下し70歳以上の平均は0.1〜0.3程とのネット情報もある中、私は0.4だったから、平均値並みということだろうか。以上、何とか講習も無事終わった。ヤレヤレだ。

初めて臨んだ高齢者講習であったが、ダンボになって聞いていると、皆さん視力と回復時間で難儀している。白内障の検査に行った方がいいよ、と諭されていたご婦人もいた。見た目は皆さん元気そうだったが…。歳は取りたくないもんである!


【文責:知取気亭主人】


千枚田(こんな景色を見ていると目には良いのかも)
千枚田(こんな景色を見ていると目には良いのかも)

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