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知取気亭主人の四方山話
 

『もしや、の不安』

 

2020年4月8日

新型コロナウイルスが、全世界で猛威を振るっている。前話にも出てきたが、予言となる研究報告書を纏めた米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、4月7日、感染者数は世界全体で140万人を超え、死者も8万人を超えたという。テレビやネットニュースで示されるこうした世界の感染者数のグラフを見ていると、指数関数的に増えていて、この爆発的な感染拡大はいつになったら治まるのか、全く目処が立たない状況だ。そうした中、そうはならずに何とか持ちこたえていた日本も、最近になり世界と同じようなカーブで急増し始めた。とうとう政府も(私に言わせれば“やっと”)、7日火曜日の夜、医療崩壊を防ぐとして「緊急事態宣言」を発令した。

最近の急増報道で懸念されていたのが、海外への渡航歴がある人や感染源を特定できる人ばかりではなく、感染経路が不明な人が目立ってきていたことだ。平たく言えば、“身に覚えがない感染者”が増えているのだ。どこに感染源者がいるのか分からず、市民の不安は募るばかりである。また、人気お笑いタレントの志村けんさんがこのウイルスの犠牲になったことにより、とかく若い世代には甘く見られがちだったウイルスの恐ろしさが再認識されるようになり、結果的に不安が広がる一因にもなっている。少し風邪に似た症状が出てきただけで、「もしや?」と疑ってしまうのだ。こう断定的に書けるのには理由がある。そう、私も普通の風邪をひいて、その不安を経験してしまったからだ。

先週の水曜日(1日)、夕方になるにつれ何となくゾクゾクっとしてきた。腰痛のため2週間限定で禁酒していたのを中断し、飲んで早々に寝ることにした。そんなに激しい寒気でもなかったから、これまでの経験上酒を飲んで寝れば朝にはスッキリ治っている、と思っていたのだ。ところが、次の朝になっても、少しもスッキリしない。それどころか、何となく熱っぽい。体温を測ると、37.8度ある。「もしやコロナ?」が頭をよぎり、“風邪気味で熱があること”を家族に伝えると、間髪入れずに「コロナ感染の疑いあり!」にされてしまった。勿論、家庭内隔離である。

コロナ感染の判断指標の一つに「37.5度以上の高熱が続く」とあったのを思い出し、市販の薬で熱を下げコロナではないことを証明しなければ、と急ぎ家内に風邪薬を探してもらった。風邪の引き初めに効くと言われている葛根湯が一袋見つかり、これを早速飲んでみた。すると、1時間ほどで37.1度まで下がり、2時間後には36.9度まで下がってくれた。しかし、熱は下がっても、ひどくはないが寒気は続いている。鼻詰まりもあって、頭も重い。普通の風邪だと確信しつつも、時期が時期だけに、コロナ感染の不安が頭から離れない。

高熱が続いていたわけではないが、不安解消にと、掛かり付け医に電話を入れて診てもらうことにした。「これだけ騒がれているから、医療機関は神経質になっているだろうな」と思いきや、状況説明が功を奏したのか、明るい声で「お待ちしています」と言う。拍子抜けするぐらい緊張感がない。院内も主治医の雰囲気も一緒で、何となくホッとする。受診すると、@咳が出ていない事、A喉が腫れていない事、B肺の呼吸音に異常がない事、以上の点から新型コロナウイルスには感染していない、との診断だ。ホッと安堵である。ただ、「微熱があるから風邪薬は出しておきましょう」ということで、3種類の薬を処方してもらい帰途に就いた。安堵と少しの不安が入り混じった複雑な心持で…。

帰りの車を運転しながら、良く考えてみた。「“感染はしていない”とは言ってくれたが、実は感染しているのだが軽症なのかもしれないし、第一PCR検査をしていないのに大丈夫なのかな?」と、どうしても不安が頭をよぎる。そこで本当に安心して良いのか、感染の可能性は無いのか、自己流ではあるが検証することにした。

まず、最も注視されている最近の渡航歴、これはない。3月以降、国内感染拡大地域への出張も、大好きな飲み会も控えている。三密状態での集まりには、会社も含めて4週間近く参加していない。加えて、会社でも家でも手洗いは必ずやっているし、咳エチケットとしてマスクも着用している。ここまでは、ほぼ完璧だ。でも、どこかに見落としはないだろうか。そうだ、時々外からの来客がある。滅多に行かないが、時々立ち寄る店もある。コンビニにドラッグストア、それに本屋、休みの時に家内の買い物に付き合うスーパーマーケット、でもそれらの店で感染者が出たという話は聞いた事が無い。だとすると、先生の診立て通り、ほぼ新型コロナの可能性がない。と、何とか自分を納得させたのだが…。

ところが、である。その日の夜になって、また熱が上がり始め37.1度と37度を超えてきた。37.5度には届かないが、気になる。病院勤めの長男からは、同じ屋根の下にいるのに「LINEで体温報告をして」と指示が来た。「主治医からコロナではないと言われた」と伝えても、まだ微熱があるだけに不安らしい。夫婦共に医療従事者だけあって、感染だけは何としてでも避けたい、との思いが強いのだ。分からないでもない。それからは体温測定をしてはLINEで報告し、結局本人も家族も安心できたのは、月曜日の昼過ぎになってからだ。その頃になってやっと平熱に落ち着いた。これでやっと「もしや、の不安」から解放される。

しかし、姿形が見えない脅威が忍び寄る不安がこれ程までとは、初めて知った。そして、それは「もしや?」と思った瞬間から大きくなっていく。実は、私にはコロナ騒動以外にそろそろ始まる別の「もしや、の不安」がある。老いと共に忍び寄る、あの不安である。


【文責:知取気亭主人】


いつかコロナ騒動も終わり必ず春が来る!
いつかコロナ騒動も終わり必ず春が来る!

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