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知取気亭主人の四方山話
 

『剪定』

 

2020年7月15日

本題に入る前に、まずもって今回の豪雨災害により亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災されている皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。

さて、「令和2年7月豪雨」と命名された今回の大雨で、熊本県を流れる球磨川流域や筑後川流域など、九州を中心とした西日本で甚大な被害が出ている(15日朝のNHKニュース:死者76名、行方不明者13名)。道路などのインフラや農林水産被害も深刻だ。また、鉄橋を流されたりして、復旧の目途が立たない鉄道もある。今後の成り行きが心配だ。

ところが今回の災害、初めてのコロナ禍での被災ということもあって、三密を避けるためボランティアが“集められない”、“集まらない”などと報じられている。後片付けは人手が必要なだけに、人手不足は深刻だ。避難所の運営も大変らしい。1日も早く安心できる日常に戻れることを祈るばかりだが、梅雨前線はまだ列島上に掛かっていて、この先も大雨が予想される地域がある。とっとと押し上げられてもらいたいのに、まだ暫くは日本上空に居座る気配だ。もう勘弁してほしい、というのが偽らざる心境だ。

ところで、降りすぎると今回のような豪雨災害を引き起こす梅雨だが、皮肉なことに、多くの植物にとっては願ってもない時節だと言える。成長に必要な、水も気温もふんだんに得ることができる。雪の多い北陸では、もう一つの欠かせない日照時間も、例年だと冬よりもずっとある(ただし今年は日照不足)。こうした好条件に支えられて、植物はここぞとばかりに成長スピードを加速させる。気を付けないと、猫の額ほどしかない我が家の庭は、いつの間にかモサモサになってしまう。そうなると、必要になってくるのが剪定である。枝を切り揃えたり、間引いたりして、樹形を整えるやつだ。剪定をしないとどうなるか。狭い庭に所狭しとばかりに木を植えていると、風通しが悪くなり、病害虫にやられやすくなる。我が家のツバキが良い例だ。

この四方山話の記念すべき第一話は、その剪定にまつわる話題だった。『みなさん茶毒蛾にご注意を!』(2003.6.13)と題して、剪定をしていて毛虫(茶毒蛾)にやられた時の事を書いた。その茶毒蛾が好んで卵を産み付けるのは、ツバキやお茶などツバキ科の植物である。それまでは植物を育てた経験などなく、「樹木は自然に任せておけば良い」と思い込んでいたのだが、剪定もせず放っておいた結果、庭木のツバキ、キンモクセイ、コブシはグングン成長し、猫の額には大きくなり過ぎて仕舞った。そこで“小さな樹形にしましょう”と、最初に剪定したのがツバキであった。勿論、“茶毒蛾”という名前すら知らない。ましてや、毛虫として第一級の毒虫であることや、異常発生するとご近所にも迷惑が掛かるなど、結構やばい害虫だったとは露ほども知らなかった。とにかく、物凄く痒い。お陰で、「茶毒蛾にやられないためには剪定して風通しを良くすること」は、もう生涯忘れない。三度目は絶対したくないが、やはり経験に勝るものはない!

同じ様に、花が終わった5月〜6月にハイスピードで枝を伸ばすコブシにも、茶毒蛾ではない別の害虫にやられることがある。今年はツバキもコブシも5月の連休の頃に剪定したのだが、時期が早すぎたのか、6月末に2度目の剪定をしなければいけなくなってしまい、この2度目の時に、葉を殆ど食べ尽くされた大きな枝を見つけ、驚いた。犯人を特定することはできなかったが、ツバキと同様、やはり風通しが悪くなるとやられる。また、ツツジも同じで、伸び放題にしておくとグンバイムシが異常繁殖してしまう。何ともはや、自然は正直だ。

正直言うと、我家の庭は、広さの割に木が多すぎる。上記の木の他にも植わっていて、放っておくとすぐに風通しが悪くなってしまう。したがって、2003年6月の茶毒蛾事件以来、ほぼ毎年、剪定をするようにしている。年が明けて最初にやるのが、キンモクセイだ。3月にやる。次に先ほどのツバキとコブシ、引き続いてツツジとタマツゲ、そして最後11月頃にビックリグミをやって1年が終わる。今年は、それにガクアジサイとカルミア(アメリカシャクナゲ)も、久しぶりに剪定した。

ただ、剪定も気を付けないと、次のシーズンに花が咲かなかったり、実がならなかったりする。今年のグミがそうだった。自己流で毎年やっていた。それでも、そこそこ実がなっていたから“それで良し”としていたのだが、どうしたことか、今年はサッパリだった。恐らく、グミに合った剪定ではなかったのだろう。植物にとって最適なルールに従って選定しないと、植物からしっぺ返しを食らう、その典型例だと言える。夏前にもう少しこじんまりとさせておきたいのだが、さてどうしたものか…。

しかし、こうした植物もそうだが、我々人間の社会でも剪定を必要としている組織や仕組みがいっぱいある。わがまま一杯に伸びた既得権益や、身動きとれないくらいに絡みついたしがらみという無駄な枝、若い枝の伸びをさえぎる古い枝、サッパリと剪定すればかなりすっきりとするのに放っておかれている。剪定さえすれば、成長が止まっていた幹も再び元気よく伸びていく筈だ。そんな思いは、今の日本の姿にピッタリ重なってしまう。そう思いませんか、皆さん!

最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学の集計データを示しておく。日本時間の7月14日午後4時現在、世界の感染者数は1310万人を、死者数は57万人を超えた。こちらのコロナ禍も、もう勘弁だ!

【文責:知取気亭主人】


カルミア(今は左の写真の倍ぐらいに成長している)
カルミア(今は左の写真の倍ぐらいに成長している)

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