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知取気亭主人の四方山話
 

『まさか、そこまでやるとは!』

 

2020年10月28日

10月25日の北陸中日新聞朝刊によると、2020年の子どもの出生数は、昨年から2万人程度減少して84万人台になる見通しだという。人口減少に歯止めが掛からない。しかし、それで驚いてはいけない。新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けると予想される来年の出生数は、さらに減って70万人台にまで落ち込む心配もあるというのだ。我々団塊の世代(1947年〜1949年)からたかだか70年程度しか経っていないのに、当時の平均的な出生数270万人弱に比べ、1/3〜1/4にまで落ち込んでしまっている。これでは、国力は衰える一方だ。少子化対策が新政権の重要政策課題に挙げられるのも、当然のことである。

ところで、出生数がいくら減ったとしても、赤ちゃんが誕生すると、お世話になるのがおむつである。このおむつ、布おむつはすっかり影を潜め、暫く前から紙おむつの天下となっている。私達が子育てしていた昭和50年代(1975年〜1985年)は、まだまだ布おむつが主流で、紙おむつだとオシッコをした時の濡れた感触が伝わらないから布おむつで育てるべきだ、と言われていた。また、当時は日々に使う物としては家計に響く値段だったこともあって、同じころの子育て世代は布おむつを使う家庭が多く、晴れた日の物干し竿には沢山の布おむつが風になびいていた。しかし、今はそんな風景をまず見ない。クルンとくるんで、ポイと捨てられる、そんな紙おむつの便利さと清潔さが、共働きが多い子育て世代に受け入れられている。

では、日本全体では、何人の乳幼児たちが紙おむつを使っているのだろうか。我が家の孫たちを例にとると、大体4歳の誕生日前後にはほぼおむつが取れるから、計算しやすいように仮に90万人の新生児が常時生まれるとすると、毎年およそ360万人がお世話になっていることになる。根拠は全くないが、4歳までの平均で年間ざっと2千枚(1日5〜6枚計算)使うとなると、日本全体では凡そ72億枚もの紙おむつが消費されている勘定になる。消費量ではないが、23日の日本経済新聞(以後、日経)に掲載されていた、2019年の乳幼児用の紙おむつの国内生産量を計算すると143億枚になるから、輸出量を差し引いても、あながち荒唐無稽な推量ではなさそうだ。それにしても凄い量だ。

一方、少子化と相反する形で増え続けているのが高齢者だが、それに伴い要介護人口も増え続けている。この要介護の人たちもまた、紙おむつを使うようになっている。厚生労働省の「介護保険事業状況報告の概要(令和2年7月暫定版)」によると、要介護(要支援)認定者数は(https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m20/dl/2007a.pdf)、672.6万人もいるという。この人たちが全て、紙おむつや紙パンツを使用している訳ではないだろうが、現時点で乳幼児に比べ2倍半もいる。しかも、毎年ニュースになるように、高齢者は増え続けている。日経によると、こうした大人用紙おむつの2019年の国内生産枚数は86億枚で、8年前の2011年に比べ5割も増えているという。このままいけば乳幼児用は減っていくことになるが、大人用はまだまだ増え続けることになる。

日経には、乳幼児用と大人用を合わせた2019年の国内総生産枚数が229億枚、というとてつもない数が記載されている。輸出もしているだろうから全て国内消費ではないと思われるが、いずれにしても膨大な量の紙おむつが、実はゴミとして出され、ゴミ減量の足かせの一つになっている。10月22日のNHKのラジオ番組「Nラジ」からの情報によれば、年間220万トンもの紙おむつがゴミとして捨てられているという。イメージしやすいように45リッターのゴミ袋に換算すると、2億4千万袋にもなるというから恐ろしい。

知ってのとおり紙おむつには大量の水分が含まれていて、古い焼却炉だと炉の温度が上がらず、助燃剤として重油を使わなければいけないという。また、体液の老廃物であるオシッコには塩分が含まれていて、これも焼却炉の負担になっているらしい。しかも、廃棄される紙おむつの量はこの10年で1.6倍になっていて、環境省の報道発表資料によれば、2030年には約245〜261万トンが見込まれ、一般廃棄物排出量に占める割合も6.6〜7.1%にもなるらしい(https://www.env.go.jp/press/107897.html)。焼却による二酸化炭素の排出量増加も懸念材料となっていて、リサイクルが喫緊の課題だという。

ただ、リサイクルといっても、排泄物を扱っているから、簡単にはできないだろうと思っていた。ところが、@粉砕して乾燥させ固形燃料として再利用したり、A炭化処理をしてセラミックスとしてコンクリートなどに混ぜて使ったりなど、既にリサイクルしている所もあるという。それだけではない。その先を行く企業まで現れたらしい。使用済みのおむつを再び新品のおむつに蘇らせるというのだ。こうした、同じ商品に作り替えることを、「水平リサイクル」と言うが、まさか使用済みの紙おむつでもできるとは思わなかった。そこまでやるとは大した技術力だと思う。メーカーのユニ・チャームは、2022年に既存商品と同程度の価格で販売するというが、もう少し経ったら私も応援するからね!

さて、最後にジョンズ・ホプキンス大学集計による感染状況を記載しておく。日本時間10月28日午前3時の時点で、世界の感染者数は4,371万人を、死者数は116万人を超えた(NHK NEWS WEB)。これから冬を迎えるヨーロッパが、再び感染拡大の危機に見舞われていて、感染者数5,000万人も年末までに到達してしまいそうな勢いだ。パリなどでは夜間の外出が禁止され、スペインでは2度目となる緊急事態宣言が発出された。同じ北半球の日本も、他人事では済まされそうもない。

【文責:知取気亭主人】


むかご(零余子:山芋の赤ちゃん)
むかご(零余子:山芋の赤ちゃん)

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