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知取気亭主人の四方山話
 

『バックアップ』

 

2020年11月4日

3週間ほど前、昔の仕事仲間に電話を入れ、ある頼みごとをした。その昔私が携わっていた仕事の様子が分かる写真があったら送ってほしい、と頼んだのだ。手元に残してあれば何の事はないのだが、残念ながら、その手の写真は一切残っていない。その頃はフィルムカメラ全盛時代で、現像写真とネガが残っていなければもう諦めるしかないのだ。運の悪いことに、私はそのどちらも奇麗に処分してしまっていて、半ば諦めていた。そんな時、昔の仲間がデジタルカメラの時代になってもその種の仕事に携わっていたことを思い出した。彼の性格からして恐らく残している筈だと判断し、電話をしたという次第である。

電話口に出た彼は、予想通り、私が希望する写真データは残っていると思う、と答えてくれた。ただ、快く引き受けてくれたものの、「一つ難題がある」と気になることを言う。つい最近ハードディスクが壊れ、データが取り出せないで困っている、と言うのだ。パソコンメーカーに問い合わせても、また、こうしたトラブルへの対処を仕事としている会社に聞いても、「データは復元出来ません」と言われたらしい。そこまで聞いて半分諦めかけたのだが、話の続きに一縷の望みを持たせてくれた。実は、家には古いパソコンがもう一台あって、暫く前までバックアップ用として使っていたから、そちらに古いデータが残っている可能性がある、と言ってくれたのだ。そう言われると、気分はもうあったも同然である。

それから約2週間後、電話を入れると、期待通り嬉しい返事が返って来た。もう少し経ったら送ってくれるという。有難い話である。持つべきものは友人、そしてバックアップである。聞けば、壊れたパソコンはまだ買ってから3年ほどしか経っていない、比較的新しいやつだったため、迂闊にもバックアップを取っていなかったという。我が家のノートパソコンとほぼ同時期の購入なのに、もう壊れたと聞いてビックリだ。彼も、壊れるにはあまりにも早過ぎて、欠陥品じゃなかったのかと訝しんだという。しかも、前兆もなく突然壊れたというから、なす術が無かったらしい。

そこで、当然、相談した会社の人に、「壊れるなんて、一寸早すぎないか?」と尋ねてみたらしい。ところが、「最近のパソコンはそんなもんですよ」と、えらく簡単に言われたという。そう言えば、ITに詳しい会社の仲間の話でも、最近のパソコン、特にノートパソコンは壊れやすく、5年持てば良い方で、大体3、4年で壊れることが多いという。10万円以上もするものが、仮に5年だとしても、たった5年で使いものにならなくなるなんて、まったく割に合わないと思う。ところが、くだんの相談員同様、会社の仲間も「そんなもんですよ」と達観している。彼らの言う通りだとすると、真剣に自衛手段を講じておかなければならない。バックアップである。

私も、バックアップを全くしていない訳ではない。会社のパソコンには、外付けのバックアップ用ハードディスクを備え付けてあり、定期的にやっているつもりである。ところが、家のノートパソコンはやっていない。コンパクトな外付けハードディスクの用意はしてあるのだが、まだ壊れないだろうと高を括っていた面もあって、買ってきた日にトラブルが発生したこともあり、面倒臭くなって放ってある。もう2年近く経つ。しかし、今回の一件で、慌ててバックアップをしなければと考え直し、この四方山話を書きながら準備をし始めた。

ところが、簡単にできるだろうと考えていたのだが、それができない。「容量が足りない」と表示されるのだ。製品規格では1TB(テラバイト)もある筈なのに、36GB(ギガバイト)しかないと表示される。訳も分からず、会社に持ち込んだ。すると、会社の仲間がいとも簡単に原因を解明し、直ぐに使えるようにしてくれた。年寄りだからと、エクセルとワードが使えるぐらいで粋がっていてはダメだということを、改めて教えられた。そんな反省をしながら、3日の文化の日、やっとバックアップすることができた。ひとまずこれで安心だ。

しかし、データが電子化されればされるほど、バックアップの重要性が増してくることを、今回の一件で再認識させられた。重要な電子データがどこにどのような形で保存されているのか、パソコンなどを介してでないと見ることができない為、日頃の確認とバックアップが極めて重要だ。今回お願いしたデータは無ければ無いで済ますことができるものだが、第一次安倍内閣の時に発覚した消えた年金問題などの様に、国民の生活に大きな影響を与えるデータについては、“無い”では済まされない。新政権が推し進める「行政のDX」は大賛成だが、重要なデータが“消えた”、“残っていない”などと言うことがないよう、確実にバックアップを取り続けることを肝に銘じてほしい。データの紛失・消失は、国家の恥でもある。

さて、最後にジョンズ・ホプキンス大学集計による感染状況を記載しておく。日本時間11月4日午後4時の時点で、世界の感染者数は4,741万人に迫り、死者数は121万人を超えた(NHK NEWS WEB)。前話で、「これから冬を迎えるヨーロッパが再び感染拡大の危機に見舞われている」と書いたが、アメリカ、インド、ブラジルも一向に衰える気配を見せていない。この3カ国で、世界の約半数の感染者数を数えている。かく言う日本も、一向に衰える気配がない。そんな中で、唯一明るい兆しと言えば、懸念されていたGOTOキャンペーンによる感染拡大がほとんど見られないことだ。少しずつでもいいから、コロナ以前に戻ってくれることを望むばかりである。

【文責:知取気亭主人】


十三夜(9月29日)
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