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知取気亭主人の四方山話
 

『今年もご愛読ありがとうございました』

 

2020年12月30日

早いもので、今年も大晦日を残すのみとなった。今年は、地域性にも貧富の差にも関係なく、誰でも等しくその脅威に曝されるという意味に於いて、世界中の人々にとってこれまでに経験したことのない、最悪の一年となった。昨年の暮れに中国武漢で発生した新型コロナウイルスによる感染症は、瞬く間に世界に広がり、全世界を巻き込むパンデミックとなってしまった。年の瀬となった今も、多くの国で人の行き来を自粛させ、各国の経済を停滞させている。感染拡大は一年経った今でも終息の端緒さえ見せず、未だに世界で猛威を振るい続けていて、見えざる脅威との戦いはこれからも続く。

この四方山話で紹介してきたジョンズ・ホプキンス大学の統計によれば、全世界ではこれまでに(12月29日午前3時の時点)8100万人余りの人が感染し、177万人に迫る人が亡くなっている。映画の中だけの話だと思っていたパンデミックが、今現実世界を震撼させているのだ。しかし、パンデミックがこんなにも身近で、こんなにも瞬く間に世界中の人々に脅威を与えるとは…。その昔映画『アウトブレイク』を見ていたのに、全く自分事とは考えもしなかった。反省しきりである。

しかしここに来て、光明が無い訳ではない。暮れも押し迫った今月14日のアメリカを皮切りに、待ちわびていたワクチンの接種がいよいよ始まった。世界の人々が固唾をのんで見守り、画期的な効果を期待している。ただ、例え画期的な効果があったとしても、世界の全ての人に行き渡るには時間が掛かりそうだ。下手をすれば、一年掛かっても行き渡らない可能性もある。貧富の格差が障害となるのではないか、と危惧しているのだ。いずれにしても、世界中が新型コロナウイルスに翻弄された2020年だった、と誰もが記憶するに違いない。また、どこの国の教科書にも載ることになる。

教科書に載るのは、被害状況ばかりではない。各国の対応、感染対策と経済対策、そしてそれらによる国家財政への影響なども、次なるパンデミックへの警鐘として、厳しく検証されるに違いない。そこで、そうした視点で、日本におけるパンデミック狂騒を、例年通り拙い狂歌で振り返ってみたい。

 

コロナ禍に アベノマスクが 名前売り 効果さて置き 際立つ話題 

緊急事態宣言が出された4月、品不足になったマスクを全国民に行き渡らそうと、安倍政権は、全ての家庭に布マスクを2枚ずつ無償配布することを決めた。「アベノマスク」と揶揄された布マスクである。当初のその費用、郵送費などを含めて466億円、と試算されていた。緊急経済対策で1世帯あたり30万円の現金給付(最終的に全国民に一人当たり10万円の給付となった)が盛り込まれた時期であったから、無駄遣いだとの声が各方面から上がり、非難の的となった。また当時既に市民の間では手作りマスクを使用していたにも拘らず、それとどこが違うのか、効果はどうなのか、説明もないまま実施されてしまった。

その後、他業種からの参入もあって、素材も色も形も、いろいろなマスクが登場してきた。絹を使ったものまで売られるようになった。しかし、市販されたどのマスクも、話題性に関しては、「アベノマスク」の足元にも及ばなかった。また、安倍前首相は、在任中当該のアベノマスクを着け通したが、顔に合わないその小ささも、他の閣僚が付けていたどのマスクよりも際立っていた。

 

安倍見捨て 菅が乗り継ぐ 日本丸 コロナ波受け 操舵が効かず 

感染を 天秤にかけ GoToと あっちに振られ こっちに振られ 

日本を始め世界の多くの国々が、新型コロナウイルスの感染拡大防止に躍起になっていたさ中の8月末、当時の安倍晋三首相は、官邸での記者会見で突然辞任意向を発表した。理由は、持病の潰瘍性大腸炎の再発で職務を継続するのが困難になった、というものだ。コロナ対策への評価がいまいちだったり、これに合わせるように内閣支持率が低下したのを見たりして、投げ出してしまったのではないか、との見方が根強くあった。新型コロナに感染したトランプ大統領が体調の悪い中、聴衆の前に姿を見せて無事をアピールしたのと随分違うな、との声がネットにアップされもした。

安倍政権を引き継いだのは、菅前官房長官だった。ただ、矢継ぎ早の対策も、寒さの到来と共に始まった第三波と言われる感染の急拡大で、自治体や医療関係者から、反対の声が多く聞かれるようになってきた。菅政権肝いりの経済対策だったGoToキャンペーンは、年末に向け反対の声が大きくなったのを受け、12月14日、政府は全国を対象としたGoToトラベルの一時的な停止を決定した。経済正常化と感染抑制の両立をするのは誰がやっても難しい舵取りであることは理解しているが、もう少しいろいろな意見を聞いた方が良いと思う。天秤の上で右往左往させられるのは、我々国民なのだ。

 

行政は 蛙(かわず)に似たり 井戸の中 中から見えぬ 外界(げかい)の進歩

コロナ禍を 洗剤のごと 使いおり 落とす頑固な 慣習規制

このコロナ禍で、あぶり出された日本の課題が幾つかあった。その第一位が、行政業務に関するデジタル化の遅れである。東京都に於いて、感染者に関する情報集計をFAXで行っていた事例など、その典型であった。10万円の現金給付や支援金の給付などで、諸外国との遅れが際立っていて、デジタル化が効率化への一里塚であることが浸透している民間企業から、驚きと共に呆れる声が大きく上がった。

政権を引き継いだ菅首相は、世界からの遅れを痛感したのだろう、首相に就任するや、デジタル庁の創設をぶち上げ、古い慣習と戦うことになる行政改革・規制改革担当相に行動力のある河野太郎氏を起用して、その意気込みを示した。早速やり玉に挙がったのは押印の廃止で、大きく影響を受ける産業を抱える山梨県や業界からは、早速反対の声が上がった。しかし、政府はこのコノナ禍を追い風に一気呵成にデジタル化を進め、先進各国に追いつきたい考えらしい。しかし、いつも改革や変革を拒む、業界に染み付いた慣習や規制は、結構頑固だ。デジタル改革担当大臣に就任した平井卓也氏と河野太郎氏の、二人の大臣の手腕や如何に。大いに期待したい。

以上、コロナ禍の世情を切り取ってみました。我が身を振り返ってみると、東京への出張は正月明けの一度だけとなり、多くの人と同じ巣ごもり状態の一年でした。そんな中、コロナ頼りになってしまいましたが、何とか納めの四方山話を迎えることが出来ました。こうして続けて来られましたのは、偏に拙い文章にお付き合い下さる皆様のご声援・ご愛読の賜物、と深く感謝しております。本当にありがとうございました。

何はともあれ、来年こそ新型コロナウイルスによる感染症の終息宣言が出されることを、ただただ祈念致しております。併せて、皆様にとって迎える年が素晴らしい一年になりますように、そしていさぼう会員皆様のご多幸とご健勝を祈念して、四方山話2020年の締めと致します。


【文責:知取気亭主人】


皆さんに幸運が舞い込みますように!
皆さんに幸運が舞い込みますように!

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