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知取気亭主人の四方山話
 

『背が縮む!』

 

2021年5月5日

諺に「無くて七癖あって四十八癖」という。人は誰しも癖があって、“自分には無い”と思っている人でも七つぐらいはあるものだ、とされている。四十八もあるかどうか分からないが、私にも気付いている癖だけで可成りある。その最たるものが収集癖だ。子供の頃から色々なものを集めてきた。記憶にある中で最初に集めたのが、小学5年生ぐらいの時に始めた石だ。川原に行って色や組織の珍しい石を採取し、木で標本箱を作り、並べ、眺めては悦に入っていた。同じ趣味の友達もいて、見せ合いっこをしながら、結構楽しんだものである。

それから、拾い集めるという意味でその延長線上にあったのが、中学に入って始めた、縄文時代を中心とする石器や土器などの収集だ。「郷土研究会」というクラブに入り、変速機構の付いてない重いママチャリで遺跡巡りをしたのも懐かしい。今思えば、結構遠出をしたものである。夢中になって集めていた。大分散逸してしまったが、少しだけ今でも残っていて、孫たちへのプレゼントとして取ってある。それから、化石にも手を広げ、良く採集に行った。化石への興味は今も続いていて、海外に行った時など、市場で掘り出し物を見つけるのが楽しみのひとつとなっている。これも、プレゼントとして幾つか残してある。

その他最近ひょんなことから集めだした古切手を除けば、そうした石や化石、土器や石器以外で、意識して集めた記憶は殆ど無い。ところが、最近会社の机や回りを整理していて、私の収集癖は意識していないだけで“可成りの重症”である、ということに気付いてしまった。勿論、言い訳めいてはいるが、7〜8割がたは仕事上必要に迫られ、集め残しておいていたものだ。しかし、よくまあこんなものまで取っておいたものだ、と驚くようなものも見つかって、我ながら呆れている。その多くは即刻廃棄処分の判断が下せるものばかりだが、中には今でも興味を惹かれる面白いものもあって、“ある書類”を見つけた時など、驚いてしばし片付けの手が止まってしまったほどだ。手を止めさせたのは、身長や体重、血圧や血液検査などの検査結果が書かれた、古い定期健康診断の報告書である。

実は、自慢できる話ではないが、私には高血圧という生活習慣病がある。以前通っていたかかりつけ医から、「健康管理をするように」と言われていたこともあり、20年ほど前から健康診断(以下、健診)の結果をエクセルに入れ、管理してきた(こうした事こそ重症だと思う理由のひとつなのだが)。つまり私の手元には約20年分のデータがある訳で、それを見ると、体格や血液などから見た健康度合いの変遷が一目瞭然の状態になっている。そこに今回の、思わぬ発見である。しかも、日付を良く見ると、西暦1990年から1995年まで、毎年の分が途切れることなくある。今から30年ほど前の、40代に入ったばかりの頃の健診の結果だ。年代から言って、恐らくエクセルのデータにはない。しかも、体重の項目をちらっと見ると、82.5kgの数字が飛び込んできた。今より10kg以上も重い。面白い!早速家に持ち帰り、エクセルデータに加えることにした。

エクセルに打ち込み、(途中欠けているデータはあるが)凡そ30年間にわたる健康状態の推移を眺めて見ると、40代以降は意外と健康的な生活を送ってきたことが読み取れる。呑兵衛の割には、肝機能はバンバンだし、糖尿病の心配もほぼない。高血圧と共に40代から指摘され続けてきた高脂血症は、60代後半からは大分落ち着いてきていて、今では中性脂肪だけが、時々基準値を上回る状態になってきている。尤も、高血圧や高脂血症の治療薬を飲んでの話だから、あまり自慢にはならないのだが…。

ただ、昔からなるべく歩くように心掛けていて、特に60代半ばあたりからは、週4日は1日6,000歩以上を心掛けてきた。そのかいあってか、目に見えて効果を発揮しているのが、体重である。今回見つけた1990年の健診結果では、82.5kgとある。それが今では、ほぼ70kgで安定している。約30年間掛けて12.5kgの減量に成功した訳で、我ながら天晴だ。「その人の適性体重は高校時代のもの」と聞いたことがあって、その説が正しいとすれば、私の適性体重は69kg前後となる。つまり、72歳の今がほぼ適性値だということになる。

ところが、体重とは別の項目で、ショックを受けてしまった。身長である。背が縮んだのだ。最近の健診で、縮んでいることはある程度分かっていた。しかし、若い頃の記憶が曖昧で、具体的のどれだけ縮んだのか確信は持てていなかった。ところが、今回見つかった古い健診結果によって、40代に入りたての時に177.5cmあった身長は、71歳の時の健診では174.9cmとなり、2.6cmは確実に縮んでいることが分かってしまったのだ。しかも、もっと若い時の健診では「もう少しで178cmに届いた」とのかすかな記憶があって、今回見つけたデータでそれは確信に変わった。したがって、一番高かった時には178cm近くあったのだろうと思う。だとすると、凡そ3cmも縮んだことになる。今の歳で3cmも、だ。

関節の縮む許容範囲がどの程度なのか良く知らないが、私の背は、一体どこまで縮むのだろう。今度はそっちの方にも興味が湧いて来た。この変な興味が収集癖重症化の根本だと分かってはいるのだが、見届ける必要は、勿論ありそうだ!

最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による新型コロナウイルスの感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間5月4日17時の時点で、世界全体の感染者数は1億5355万人を、亡くなった人は321万人を超えた(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス)。衰えぬ感染拡大を受け、金沢では、昨年に続き百万石祭の中止が決定された。東京オリンピック・パラリンピックは、どうなるのだろう。極めて難しい判断が迫られている。

【文責:知取気亭主人】


40年経って、我が家の鯉のぼりも随分と縮んだ
40年経って、我が家の鯉のぼりも随分と縮んだ

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