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知取気亭主人の四方山話
 

『予約を入れてみた』

 

2021年5月12日

大都市やその近隣県に限られるのではないかと思っていたのに、とうとう石川県も仲間入りをしてしまった。緊急事態宣言のことだ。政府からの発出ではないが、9日の日曜日、前日にこれまでで最多の感染者数80人を記録したことを受け、谷本石川知事は、県独自の「石川緊急事態宣言」を発出した。実は、石川県の感染状況は4月下旬から既に悪化の一途をたどっていて、政府に「まん延防止等重点措置」の適用要請をしていたところだったのだ。しかし、結局、適用は見送られてしまった。ところが、見送られた途端にこの急拡大となり、仕方なく県独自の発出を決断した、という次第である。

宣言の対象期間は、今のところ、今月31日までとなっている。3週間である。「新規感染者数が○○人以下になったら解除」などと感染者数の減少を宣言解除の目安にしているのではなく、単に期限で区切っていることには大いに不満だが、緊張感が緩みがちだった県民への注意喚起にはなるのではないかと思う。宣言期間中、県民へは20時以降の不要不急の外出自粛が求められる。飲食店への時短要請ばかりでなく、その他映画館や遊興施設などの施設に対しても、金沢市内では20時まで、それ以外の市町では21時までの時短協力を要請するとしている。また、石川県が管理・保有する「兼六園・金沢城公園」や「のとじま水族館」、「いしかわ動物園」などの施設は、期限一杯まで閉館が決まった。これで、残されていた子供たちの僅かな遊び場が、一段と少なくなってしまった。

危機意識の低さからくるのか、緊張感を持続させることの難しさなのか、それとも自暴自棄になってしまっているのか、石川県に限らず全国的に感染状況は深刻だ。通常であればこれから夏に向かってインフルエンザや風邪の流行は落ち着いてくる時季なのに、新型コロナウイルスによる感染症は、一向に減る様子も見せない。それどころか、逆に増加傾向にある。アジア人の免疫力を低下させるというインド株と名付けられた変異ウイルスが、関西を中心に増え始めていて、感染者増加に拍車をかけていると見られている。厄介な事である。必然的に医療現場は、多くの自治体でひっ迫して来ていて、崩壊寸前との声が日増しに大きくなってきている。それは、ワクチン接種を担う小規模病院とて同じである。

第927話『私だったら…』で取り上げた、「ワクチン接種予約券」で期日の明記されていなかった予約が、金沢市では今月6日から始まった。予約が殺到して電話が繋がりにくくなったり、対応にてんてこ舞いしていたり、金沢市より先行して始まった自治体における予約の様子がニュースで流れていたが、金沢市の場合もご多分に漏れずであった。お隣の奥さんから妻が聞いたところによれば、電話は繋がらないだろうと判断してネット予約を試みたのだが、回線がパンクしたのかソフトのバグなのかは定かでないが、結局ネットでは予約が取れなかったとこぼしていたという。

私たち夫婦はと言えば、掛かりつけ医でもワクチン接種ができることを確認していたので、6日の当日、早速妻が予約の電話を入れた。しかし、予想していた通りなかなか繋がらず、やっと繋がったと思ったら、もう最初の数量は予約で埋まってしまったという。『ついてはキャンセル待ちの用紙を渡すので取りに来てほしい』と言われ、もらってきたのが巻末に添付した写真-1である。そして、必要事項を書き入れ翌日医院に持って行き、引き換えに渡されたのが、写真-2の「キャンセル待ちをされる方へ」と書かれた書類である。

写真-1の「新型コロナウイルスワクチン申込書(キャンセル待ち用)」と書かれた書類には、既に予約番号が印刷されている。そしてよく読むと、「全くキャンセルが出なかった場合には接種可能日は6月26日以降になる予定です」と説明されている。要するに、6月26日以降に第二弾のワクチンが配布され接種が再開するという事らしい。予約の殺到状況を見れば、キャンセルが出る可能性は極めて低いと思わざるを得ない。しかし、医院の先生は“少しでも早く”と思ってくれているのだろう、これを持って連絡を待ちわびることになる写真-2の書類には、「集約接種や他の医療機関で接種しても構わない」と書かれている。また、「接種能力を遥かに超える申し込みがあった」とも書かれていて、医院のひっ迫した状況がうかがえる。何せ、ワクチン接種ばかりでなく、日々の診療もあるのだ。

そんな大忙しの先生から、思いもよらぬ電話をもらった。9日の日曜日19時30分頃だ。私たちの予約番号からすると接種できるのは7月中ごろになってしまう、というのだ。そして、もしコールセンターに電話を入れて、他で接種できるところが見つかったら、予約番号はそのままにしておくから接種してもらっても構わない、との連絡をくれたのだ。休診日のこんな時間までワクチン接種の対応をしなければいけないなんて、本当に医療現場は大変だ。感染への不安もあるだろうに…。日本全国の、いや世界の医療従事者全ての皆さんに、心より感謝である!

最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間5月11日17時の時点で、世界全体の感染者数は1億5895万人を、亡くなった人は330万人を超えた(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス)。同じ時点の日本の感染者数は65万人を、亡くなった人は1万人を超え(NHKまとめ)、感染者数で見ると、世界で37番目に多い国になってしまった(上記特設サイト)。心配だ!

【文責:知取気亭主人】


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写真-2
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