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知取気亭主人の四方山話
 

『戦いは続く』

 

2021年6月30日

戦争であれ、スポーツであれ、戦いが延々と続くことは、当事国や当事者、或いは当のチームにとって喜ばしい事ではない。戦争であれば、戦死者は出る、国土は荒れる、経済的な負担は増える、産業界は疲弊するなど、国民に大変な困難を強いて、下手をすれば国家が破綻をしてしまう恐れもある。長引く中東の紛争地域のニュースを見れば、その悲惨さは目を覆いたくなるほどだ。そんな国家存亡の危機に繋がる様な戦争は兎も角として、スポーツなどそれ以外の戦いでも、長引くと体力的にも精神的にも疲れ果て、当事者や関係者はほとほと参ってしまう。それが、病との戦いとなると尚更である。

自慢ではないが、“病のデパート”とまでは言わないまでも、私も結構な数の病を抱えていて、継続して病院のお世話になっている。定期的な検査に加え、治療薬も両手に僅か足りないほどたくさんの種類をもらっていて、健康保険制度を圧迫する側に位置しているのではないか、と秘かに心配している。今すぐ命に係わる様な緊急性のある病は無いのだが、病院に最初に掛かる時の問診票に記入させられることの多い、現在治療中や経過観察中の病名と服用中の薬の名前を、殆どの場合書き切れないでいる。数が多過ぎるのだ。

病院に定期的に掛かっている病気の多くは、40代後半から治療し始めたものだ。いわゆる生活習慣病だ。ただ、中には50代半ばから治療を始め、お付き合いが20年近くなるものや、70の背中が見え始めた頃から定期的な検査が必要となったものもある。どちらも、悪化すればいずれ手術ということになりそうだが、後から判明した方は、今のところ自覚症状は全くない。他方、20年近くも仲良くお付き合いしている方は、現れる症状が幾つかあるが、薬を服用しているお陰で、和らいだ症状もある。その一方で、そんなに顕著に改善されず、今でも以前と変わらぬ戦いを強いられている症状もある。しかもその戦い、肉体的に消耗させられることが多く、激しく出る場合は結構辛い。そんな“戦いさなかの病”とは、男性特有の病気「前立腺肥大症」(以下、前立腺肥大)である。

この前立腺肥大、遺伝的要因や食生活の偏り、肥満や高血圧や高血糖なども発症因子として係わっているらしいが、(半分自慢話として)諸先輩方から耳にタコができるほど聞かされている原因は、加齢によって男性・女性のホルモンバランスが崩れることらしい。主治医の先生も似たような説明をしてくれているので、ほぼ間違いないと思う。私の場合は、前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSAの値が高く、検査をしたところ、癌ではなかったものの肥大しているのが分かったという次第で、その時に言われたのが、加齢によるホルモンバランスの崩れである。

前立腺は膀胱の出口の尿道を取り囲むようにあって、肥大すると尿道が圧迫されて、「頻尿」など排尿に係わるいろいろな症状が出てくる。私の経験では、「頻尿」を筆頭に、(若い時に比べて)「尿の勢いが弱い」、「尿の切れが悪い」、「突然尿意を催すことがあり、この時は矢も盾もたまらなくなる」などが主な症状だ。この他、「尿が出始めるまでに時間がかかる」、「排尿している途中で尿が途切れる」など、たまに出る症状もある。こうした症状とお付き合いをしながら前立腺肥大と戦っているのだが、この中に、体力を消耗させる、私の一番苦手な症状がある。「頻尿」だ。

この「頻尿」、前立腺肥大によって膀胱の容積が減り、肥大前よりも少ない尿量で排尿ランプが点灯してしまうことによるらしい。ついひと月ほど前の検査によれば、普通は胡桃ほどの大きさものが、私の場合は倍ほどの大きさになっていて、それに伴い膀胱の容積も半分ほどに減ってしまっているという。服用している薬は、肥大したものを小さくする効能は無くて、尿道の緊張を緩めて症状を和らげるものだというから、症状が全く出なくなる訳ではない。しかも、少ない量で排尿ランプが点灯するこの仕組み、昼だけでなく夜も働き続けていて、これが曲者なのだ。ランプが一旦点灯すると、夜中の何時であろうと、何回であろうと、目が覚めてしまうからだ。

6月になって、寝ている間に布団をはいでしまい体が冷えるのか、夜中のランプ点灯の回数が増えている。多い時で4回、少ない時でも1回は目が覚め、平均すると3回はトイレに起きている。今これを書いている火曜日(29日)で、3日連続で4回トイレに起きた。そうなると、必然的に見舞われるのが寝不足、体力の消耗だ。暑い日はなおのこときつい。それもあってか、最近は、家にいる時は昼寝が日課になってしまっている。ソファに座ったままウトウト、なんてことも増えて来た。こんな戦い、いつまで続くのだろう。いい加減おさらばしたいのだが…。

最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間6月29日17時の時点で、世界全体の感染者数は1億8143万人に、亡くなった人は393万人に迫っている(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。ワクチン接種が進むイギリスなどでは、一旦沈静化を見せていたのに、デルタ株と呼ばれる変異株が猛威を振るっていて、再び感染拡大しているという。東京オリンピックの防疫体制、大丈夫かな…。

(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/

【文責:知取気亭主人】


ナンテンの花とミツバチ
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