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知取気亭主人の四方山話
 

『これもコロナの影響か?』

 

2021年8月4日

7月23日に開幕した2020東京オリンピック競技大会(以下、東京五輪)も前半戦が終わり、この四方山話を書き始めた8月1日の時点では、早いもので残すところ1週間となっている。早いと思うのは、ほぼ毎日、日本選手のメダル獲得のニュースが流れ、日替わりでその日のヒーロー・ヒロインが登場しているからだ。とにかく、日本選手の活躍が目覚ましい。嬉しいことに、(失礼ながら)予想外のメダルラッシュとなっている。

多くの種目がある陸上競技の殆どを残してはいるが、水泳競技が終わった8月1日の時点で、日本は金メダル17個、銀5個、銅9個の計31個を獲得し、金メダル獲得数だけの比較では、24個の中国、20個の米国に次いで3番目と気を吐いている。9個もの金メダルを量産した柔道の活躍もあるが、惜しくも獲得を逃した競技も数多く、これまでのところ日本チーム大活躍、と言って良いだろう。コロナ禍によって五輪どころではない人も少なからずいることは承知しているが、それでも、この大活躍は好感をもって受け止められ、各方面に好影響を与えているのではないかと思う。

まず、多くの人がそうだと思うが、コロナ禍で内向きになりがちだった気分を、大いに高揚させてくれている。感染拡大の不安は抱えたままではあるが、恐らく、多くの人がテレビの前で盛り上がっているに違いない。一方、その盛り上がりを「もっと盛り上がってくれ!」と願っているのは、政府・与党ではないかと思う。彼らは違う意味で、日本選手の活躍に拍手していることだと思う。私の穿った見方ではあるが、この活躍で国民の関心は東京五輪に向き、根強い開催反対やコロナ対策への批判の声が小さくなるのではないか、そして内閣支持率も少しは上がってくれるのではないかと期待している、と勝手に想像しているからだ。非常事態宣言が出されている困難な状況下ではあるものの、それほど日本選手の活躍は目覚ましい。

この大活躍によって、困難な状況下で準備から運営まで東京五輪に携わって来た関係者も、ホッと胸を撫で下ろしているに違いない。更に、競技を終えた選手へのインタビューで殆どの選手が語っている、開催出来たことに対する感謝、そして開催に携わっている関係者への感謝の言葉に、大会関係者は救われた思いがしていることだと思う。

また、救われたという意味とは少し違うが、アスリートにとっても、メダルを獲得できたかどうかは別にして、大変有意義な大会になったのではないかと思っている。それは、いくら強くても自分だけの力ではどうすることもできない、ということに世界のトップアスリートたちが改めて気付かされたからだ。競技大会あってのアスリートであることに気付かされた大会になった、と言い換えても良いのかもしれない。つまり、競技大会を開催するには、平和、平穏がいかに大事かということだ。

日本のみならず世界が大変な時期に、「不要不急ではないか」と批判された今大会が開催され、それに参加できたこと、それがコロナ禍で困難な状況にある人々に比べどれだけ幸せなことか、それを口にする選手も多い。そういう意味では、これまで記録や勝敗の中だけで評価されてきたアスリートにとって、もっと基本的に大事なものがあることに気付かされ、異なる視点で自分を見つめ直す良い切っ掛けになったと思う。

また、コロナによって練習そのものや大会への参加がままならない状況の選手も多数いて、トップコンディションを大会に合わせる難しさと、感染への不安や期待という目に見えないプレッシャーとも戦わなければならない二重苦に、苦しむアスリートも多かったに違いない。とにかく今大会は、1年延期になった上に未だに感染拡大中での開催、という五輪史上初めての大会となっているのだ。

それは、観戦する側も一緒で、感染への不安を抱きながら日々を送り、テレビでしか観戦・応援できないでいる。コロナ禍により痛手を被っていれば、日頃抱いている不満のはけ口を見つけ出し、ぶつけたくなることもあるだろう。そうした背景があってのことか、日本選手に限らず海外選手にも、SNSなどを使った誹謗中傷が後を絶たないという。残念なことだ。例え対戦国が勝ったとしても、或いは期待を裏切ったとしても、アスリートへのリスペクトがあれば、残念な思いを抱くことはあっても誹謗中傷はしない筈である。

5年前のリオデジャネイロ大会では聞かれなかったことだ。これもコロナの影響なのだろうか?例えそうだとしても、身を隠し、名を隠し、誹謗中傷とは、人として最低の行為だ。しかも、人類は、新型コロナウイルスという共通の敵と戦っている最中である。人類同士がいがみ合う誹謗中傷は、もう止めよう!それよりも、こんな困難な時に精一杯のパフォーマンスを見せてくれるアスリートに、盛大な拍手を送ろうじゃないか!そうした方が余程気分が良い。ガンバレ、アスリート!頑張ろう、みんな!

最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間8月3日17時の時点で、世界全体の感染者数は1億9893万人に、亡くなった人は424万に迫っている(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。日本は、感染者数が凡そ95.8万人、亡くなった人は凡そ1.5万人となっている。新しい変異株も報じられている。この戦い、一体いつまで続くのだろう?
     (※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/

【文責:知取気亭主人】


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