2021年9月22日
橋やトンネル、或いは砂防施設などのインフラは、定期的にその状況を調査し、必要に応じて補修や補強をしていかないと、2012年(平成24年)12月に発生した笹子トンネル天井板落下事故の様な悲惨な事故を再び起こしかねない。インフラのメンテナンスである。2012年以降に実施した定期的な調査によって、緊急補修が必要となった施設や、予算の関係で補修・補強の目途が立たず使用禁止となった施設も多いと聞く。建設に興味のない人や関連業界でない人たちにとっては、コンクリートで固められ構造物は永久だと思われがちだが、あに図らんやで、大まかに言って築造後30年、50年と使い続けると少しずつ綻びが出てくるものである。それは、避けて通れない事で、全く同じ事が人間の体でも言える。
人の体でも、30年、50年と使い続けると、俗に言う“いう所”が出てくる。還暦の声を聞く頃までは無意識に出来た事が、“赤いちゃんちゃんこ”の話題が出るようになった途端、気合を入れないと出来ない事がぽつぽつと出始める。そして、そのことを自覚してしまうと、「俺も年を取ったものだ!」と肩を落とすことになる。ただ、肩を落としたまま何もしないでいると、解決しないばかりか、“いう所”は増える一方で、出来る事がどんどん少なくなってくる。そうならないためには、症状が出始めた、或いは症状に気付いた時から、橋などのインフラと同様に、体のメンテナンスを心掛けることが肝要だ。
体のメンテナンス、人によっては病院での検査・治療・リハビリであったり、マッサージや整体であったり、時間や金のある人ならば温泉地での静養や休養であったりもある。ただ、負けず嫌いな私は、そういう事をしたいとの思いもあるにはあるが、自力で何とかしたい、という思いの方が強い。他力本願の発想は嫌いなのだ。そこで始めたのが、“いう所”に抗う筋力トレーニング(以下、筋トレ)である。以下「僕のボディメンテナンス」として、今取り組んでいる筋トレを、始めた動機と共に紹介する。
まず始めたのは、スクワットである。5年ほど前、突然両膝の調子が悪くなり、椅子に座っていると膝が疼く様になった。階段の上り下りは一向に平気だったのだが、手で触って見ると、膝周りの筋肉が衰えやせ細っていることに気が付いた。手元にあった膝痛用のサプリメントの服用と共に始めたのが、ゆっくりと行うスクワットである。1セット10回を、1日3セットを目途にやっていたのだが、今年の4月から始めたグリーンキーパーの仕事で膝への負担が増し、少しでも曲げていると痛みを感じる様になって仕舞った。正座も辛くなってきた。それ以来、これではイカンと、腰を落とした時に5〜10秒そのままの状態を保持し、以前よりも負荷の強い運動をするように心掛けている。そのお陰か、痛みは少し和らいだ気がしている。正座も30分を超えるとダメだが、それ以内なら我慢できる様になってきた。このまま続ければもう少し良くなるに違いない、と期待している。
次に始めたのが、机や階段を利用して(頭は高い方)の腕立て伏せである。実は、3年前、軽度の心臓弁膜症と診断された。大したことないだろうと考えていたのだが、翌年再検査をした時に、『少し悪くなっているから半年後に検査をしましょう』と言われ、軽いショックを覚えた。その時自己流で思い付いたのが、腕立て伏せである。比較的手軽で心臓に負荷を与えることができる、と踏んだのだ。そのことを掛かりつけ医(循環器専門医)に言うと、否定もせずに、『運動は続けてください』の一言を良いことに、腕立てを続けている。そのお陰か、つい2週間前の検査では進行は殆ど見られず、半年後は飛ばし1年後の検査という事になった。腕を曲げた状態を5〜10秒保持し、ゆっくりと息を吐きながら腕を伸ばす。これを10回繰り返している。結構効果があるのではないか、と自画自賛しているところである。
3つ目は、つま先立ちと踵落としである。今年の年明け辺りから、会社から帰ると足がむくんでいることが増えて来た。靴下の跡が付いたまま暫く消えないでいた。指で押すとへこんだまま暫く戻らない。健康診断では、これまでずっと腎臓系に異常はない。そこで原因として思い当たったのが、第二の心臓と呼ばれる“ふくらはぎの筋力”の衰えである。またしても自己判断だったのだが、つま先立ちをやり始めたという次第である。やり始めて半年過ぎたが、効果てきめんである。むくみは全くなくなった。恐らく、骨粗鬆症も無縁だと思う。30回を1セットとして、1日3セットを課して励んでいる。
4つ目の筋トレは、上向きで床に寝た状態で片足を曲げ、曲げた片足の力で腰を浮かせる運動だ。「ワンレッグヒップリフト」と言うらしい。残りの片足は、伸ばしたまま腰と一緒に浮かせるか、できない場合には曲げた足の膝の上に乗せてやることになる。理学療法士の長男に、お尻の筋肉を付ける運動として教わったものだ。実は、会社で草取りをしていた時に、草取り用の腰掛に半日座り続けていた時があって、その時お尻の皮がむけてしまった。家内に治療を頼み2週間ほどで完治したのだが、その時、『お尻の肉がないからよ』と言われ、以来この運動を続けている。昔は良くズボンのお尻部分を破るほど張っていたのに、今は見る影もないのだ。やがてひと月ほどになるが、徐々に付いてきた感じがしている。この筋トレは、片足ずつそれぞれ30回やっている。
同じく草取りで“いう所”を感じ、やり始めたのが、最後5つ目の筋トレ、ダンベルを使った両腕の曲げ伸ばし運動である。草取りを始めてひと月ほど経った頃から、右腕から右肩、そして右の首筋に掛けて、凝りのような不快な痛みに襲われるようになった。力を入れないと抜けない草が多いのと、全て右手でやっているからなのだろう。当初は、湿布薬を張ってだましだましやっていたのだが一向に良くならず、腕を曲げる筋肉を鍛えれば痛みは治まるのではないか、と淡い期待をもってやっている。4kgのダンベルを両手で持ち、100回曲げ伸ばしをしているのだが、まだひと月も経っていないということもあってか、効果は実感できないでいる。効果が出るのはいつ頃か、興味津々で待っているところである。
さて、以上5つの運動が、現在励んでいる「僕のボディメンテナンス」である。1セット終わるのに凡そ30分ほどだ。1日3セットを目標に続けているのだが、心配なことが一つある。この先歳を重ねていく毎に、次々と“いう所”が出てきて、新たな筋トレが増え続けていくのではないか、という心配だ。今の30分位がちょうど良い運動時間で、それ以上になると面倒臭くなりはしないか、甚だ心許ない限りなのだ。「だんだん良くなる法華の太鼓」ではないが、「だんだん増えてく僕の筋トレ」とならないことを祈るばかりである。
最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間9月21日18時の時点で、世界全体の感染者数は2億2908万人を、亡くなった人は470万を超えた(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。
(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/)
【文責:知取気亭主人】
ムラサキツユクサ
(放射能や毒性科学物質など、空気中の汚染状態を検知する植物として知られている)
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