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知取気亭主人の四方山話
 

『忘れられない経験』

 

2021年10月6日

以前もこの四方山話で書いたことがあるような気がしているのだが、僕はラジオが好きでよく聴いている。車を運転している時はカーラジオだし、胸ポケットが付いた服装で散歩に行く時は、小型のポケットラジオがお供だ。この四方山話を書く時も、受験生さながらに、ラジオを聴きながらということがある。また最近では、会社でグリーンキーパーをやっている時など、ラジオが唯一の相棒となっている。

一人作業は耳寂しいからだが、地震や台風など災害に関する詳しい情報や、政治・経済・社会・スポーツなどあらゆるジャンルの旬な情報が、タイムリーに得られるのが便利で、手放せないでいる。加えて、ほぼここしか聴かないNHKラジオだと、何と言っても、民放テレビの様なしつこいコマーシャルがないのが良い。また、複雑な操作をせずとも耳だけ傾ければ情報が得られるという点や、そして圧倒的に電池の持ちが良いという点においては、最新式のスマホよりも格段に優れていると思っている。だから、“ながら作業”にはぴったりで、一人作業の相棒として欠かせないでいる。

ただ、手放せない理由は他にもある。実は、この四方山話のネタ元としても活用させてもらっているのだ。聞えてくる情報に耳を傾けながら、何か面白い話はないか、気になるネタはないか、と聞き耳を立てている。そうやって聞き耳を立てていると、僕のアンテナに引っかかる情報は結構あるもので、既にこれまでにも何話か、そうした情報をネタにして書かせてもらっている。情報量に限りがある身としては、大変有り難い情報源なのだ。今回の第950話も、実はラジオがネタ元である。

3月までは聴きたくても聴けなかったウイークデーの、しかも昼間のラジオ番組を、今はグリーンキーパーをしながら、誰憚ることなく聴いている。聴くのは、勿論NHKだ。そのNHKのラジオ番組(第1放送)に、「らじるラボ」という番組がある。通常は月〜金に放送される午前中の番組だ。その中に、“お便りテーマ”を決め、視聴者からテーマにまつわるエピソードを投稿してもらうコーナーがあって、これが実に面白い。

先週のテーマは「食」だったのだが(今週も一緒らしい)、ラジオから流れる視聴者からの投稿に、笑いをもらったり、思わず膝を打ったりと、すっかり楽しませてもらっている。中でも、高齢の人たちの食にまつわるエピソードは、自分の子供時代と重なることが多く、「分かる、分かる!」とその時の情景が見えるようで、我が事の様に懐かしささえ覚えたのは意外だった。多くは、食べ物が今ほど豊富でなく、外食をする機会も滅多になかった時代の、初めて食した時のエピソードである。どちらかと言えば失敗談が多かったが、それも良い思い出として語れるほどの時の流れに、時代の違いを痛感した次第でもある。

50代男性が、『高校生の時初めて食べた天津飯、こんなに美味いものがあるのか!』と感激した話をしていたが、僕も似たような経験をしている。外食ではなかったが、高校受験の頃、夜食として母が作ってくれた「ドンブリに乾麺を入れてお湯を注ぐだけのインスタントラーメン」の手軽さと美味しさに感激したのを、今でも覚えている。インスタントラーメンの出始めの頃、前回の東京オリンピックの頃のことだ。懐かしい話である。

また、番組に参加していたNHKアナウンサーが、50年以上前に初めてナポリタンを食べた時、タバスコの使い方も味も知らずジャブジャブに掛けて失敗した話をしていたが、『ある、ある!』といたく納得してしまった。田舎育ちの僕がスパゲッティを始めて食べたのは大学に入ってからで、その時は友達の真似をして食べたお陰で辛い失敗をせずに済んだが、お手本がいなかったらどうなっていたか分からない。タバスコの何たるかを全く知らなかったからだ。今と違って、外食する機会は滅多になく、食レポのテレビ番組もない、食事のマナーを学ぶ機会のなかった時代の、初めての料理である。戸惑いや失敗は、多くの人が経験したことだろう。今は情報を得る機会は多い。つくづく良い時代だと思う。

ある高齢の女性は、『兄と二人に買ってもらったバナナが嬉しくて、今でもバナナを見ると仏さんに上げている』と語っていた。お歳は不明だが、僕の子供の頃もバナナはとても高価だったから、似たような年齢の方ではないかと思う。(小学校の)遠足の時でさえ、バナナを持ってこられるのはクラスに一人か二人しかいなかった。僕が初めて食べたのは、ずっと遅くなってからで、高校生、或いは大学生になってからではなかったかと思う。恐らく、そんな時代を共有していた女性なのだろう。今でも仏さんに上げて感謝を伝えるという話に、どれほど嬉しかったのかが伝わってくる。ほっこりさせられる良い話だ。

実は、僕にも食にまつわる初めての、甘酸っぱい経験がある。大学合格のお祝いに好きな物を食べさせてくれるとの母の言葉に、どうしてそう言ったのか今となっては記憶にないが、『パイナップル!』と答えた。時は3月である。苦労して買ってきてくれたのだろうが、想像していた味と違い甘くない。二人で顔を見合わせ、苦笑いしたのが今でも忘れられない。でも、何でパイナップルだったんだろう?

最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間10月5日17時の時点で、世界全体の感染者数は2億3541万人に、亡くなった人は481万に迫っている(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。

(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/

【文責:知取気亭主人】


センニチソウ
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