2021年10月20日
先週の週末、長男家族、次女と我々夫婦の総勢8人で、中能登(地元石川県では、能登半島を中心とする能登地区を、口能登、中能登、奥能登の3地区に分けている)と呼ばれる、能登半島の中央付近にある貸別荘(今風に言えばコテージ)に行ってきた。8月に初めて利用して、今回で2度目である。コロナ禍で外出や遊びが制限されている孫たちが、気兼ねなく羽を伸ばせた前回の別荘体験を大層気に入り、早々に2度目も敢行したという次第である。と表向きには孫たちを出汁に使ってはいるが、実のところを言えば、子供以上に大人も大いに気に入っている。それ程、非日常は心地良かった。
日々生活している自宅と違って、木々に囲まれている上に建物がお隣と離れていて、隣近所の目線を気にする必要もない。車も滅多に通らない。この開放感と、静寂の中で聞えてくる虫の音や木の葉を揺らす風の音が、何とも心地良い。日常生活に必要な季節ごとの衣類、仕事や学校関係の制服・教科書・かばん、オモチャなど、自宅であれば部屋の中を占拠しているそれらのモノが殆どない分、部屋も広々としている。いつもそれができないでいる孫たちは、走り回っているだけでご満悦だ。大人も、『お片付け!』の小言を言わなくて済む分、おおらかな気分でいられる。ノンビリも出来る。
貸別荘という仕組みがあること自体は、以前から承知していた。しかし、そうした仕組みが商売として成り立つのは、軽井沢や熱海、或いは那須高原など、別荘地として名の知れたところの専売特許とばかり思っていた。長男に『貸別荘を借りようかと思う』と言われた時は、まさか、別荘地としてさして人気があるとは思えない我が石川県に、しかも同じ別荘地に10棟以上も用意されているとは思いもよらなかった。固定観念として持っていた、別荘=高原&避暑地が頭にこびり付いていて、高原が殆どない石川県は避暑地としての魅力に欠ける、と思っていたからだ。また、雪国ではあるものの、北海道や長野の様なパウダースノウではないことに加え、広々としたスキー場が無いことから、ニセコや白馬の様にウインタースポーツを楽しむ魅力も今一つだと思っていた。
したがって、今回借りた別荘が建っている一帯が、随分前から別荘地として開発・販売されていた事は知っていたものの、標高は精々数十メートルで避暑が出来るほどの高原でもないし、雪に関しては雪深いところでもなく近くにスキー場も無いことから、貸別荘があったとしても精々数軒だろうと思っていた。ところが、今回借りてみて、結構な数の貸別荘があることを知った。受付をしてくれた職員の話では、どういう理由かは教えてくれなかったが、建てては見たものの手放す人がそれなりにいて、そうした物件を買い取り、改装して貸し出しているのが結構多いという。そして、このコロナ騒動である。以前にも増して利用する家族・グループは多く、商売として好調らしい。
実際、8月に初めて借りた時は、子どもたちの夏休みシーズン中だったということもあり、(今回借りた別荘を運営している会社の)16棟ほぼ全てが予約で埋まっていて、予約できた時など、『何とか取れた!』と長男も安堵したほどだ。実際借りてみると、冒頭にも書いた様に、家族連れには人気だろうなと思う。自分たち家族だけで非日常を満喫できる訳で、親にとっても子供にとっても、精神衛生上極上の時間を過ごすことができる。その上、大人も子供も大好きなバーベキューが、寝泊まりする建物の敷地で出来るのだから、願ってもないことだ。飲み過ぎても直ぐに横になれる。しかも屋根付きで、少々の雨風でもできる施設が常設されてる。実際、16日の土曜日は雨の中決行したが、全く濡れずに楽しむことが出来た。人気の理由は、こんなところにもあるのだろう。孫たちが大はしゃぎしていたのは、言うまでもない。
長男のお蔭で、思わぬ形で2度も別荘生活の一端を体験することができた。貸別荘ではあったが、良い体験をさせてもらった。そして、体験してみて初めて、著名人や富裕層がこぞって別荘を持つ意味が、何となく分かった気がする。一種のステータスとして保有する人もいるとは思うが、好意的に書けば、「別荘を持っていると日常の喧騒から離れることができ、非日常をカンフル剤とすることで再び喧騒の戦いの場に戻ることができるから」といったところではないだろうか。恐らく、癒しの場として利用している人が多いのではないかと思う。実際、僕も妻もすっかり癒された。
若い頃は子供たちをよくキャンプに連れて行ったが、キャンプとは違う楽しみを見つけられたような気がする。体力の衰えや疲労回復に時間が掛かるようになったことなど、俗に言う「寄る年波に…」のなせる業なのかもしれないが、木漏れ日の中、二人でのんびりとテラスで取った昼食に癒しを感じる様になっている自分がいた。昼にビールを飲んだのも久し振りだったなぁ〜!次はいつにしよう?
最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間10月19日17時の時点で、世界全体の感染者数は2億4113万人を超え、亡くなった人は491万に迫っている(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。
(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/)
【文責:知取気亭主人】
貸別荘の近くで見つけたノギク(オオユウガギク、ヨメナ、ノコンギクのどれか?)
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