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知取気亭主人の四方山話
 

『公開討論会』

 

2021年10月27日

24日の日曜日、家の電話が鳴った。見慣れぬ番号からの電話だ。「オレオレ詐欺の電話かな?」と期待しながら出ると、購読している新聞社からの、投票日が31日に迫った衆議院選挙についてのアンケート調査だという。面倒くさいなと思いつつも、興味がない訳ではないので、協力することにした。音声ガイダンスに従って、10項目ほどの質問に回答していった。多くは即答できる質問だったのだが、どの候補者に投票するかとか、どの政党を支持しているかなど、実際の投票に係わる質問には、即答できず迷ってしまった。僕が住む金沢市の選挙区は4人が立候補しているのだが、新人ばかりで、政治信条や“人となり”などの情報がまだ頭に入っていなかったからだ。

とは言うものの、比例区についてはどの政党にするか、既に決めていても良さそうなものである。しかし、それもまだ決められないでいる。先日、日本記者クラブ主催の党首討論会をテレビで観ていたのだが、どの党首の話を聞いていても決め手に欠く内容で、消化不良になってしまったからだ。もっと白熱した論戦を期待していたのに、観ていた時間帯が代表記者からの質問に答えるという形だったせいか、口角泡を飛ばす論戦とはならず、少々がっかりしたというのが正直な感想だ。ただ、公開の場で意見を戦わすというのは、選ぶ側にとっては優れた情報提供の方法である。資質は勿論、“人となり”もある程度比較でき、そして運が良ければボロも出てくる場合があるからだ。金も掛かり騒音にしかならない、旧態然とした選挙カーによる連呼合戦などに比べれば、その効果たるや絶大なものがある。

そういう観点からして、党首だけに限らず、小選挙区の立候補者同士も積極的に実施すべきだと思う。過去の国政選挙では報道機関や公益社団法人日本青年会議所などが主催してやられたこともあるが、どうやら石川県選挙区(1区、2区、3区とも)に於いては、今回は開催されそうもない。日本記者クラブと同様に地方の地元報道機関も協力してやれないものかと思うが、残念ながら狭い地域での競争が激しいのか、実現されないでいる。討論会をWEB配信するのも手だと思うが、それも行われないらしい。「今回は時間がない」というのもあるのかもしれないが、「これまでの選挙カーで名前を連呼する選挙活動は止めにして、公開討論会で堂々と自らの主張を訴えてください」と声を上げ、報道機関としての矜持を見せてほしいものである。そうでないと、選ぶ側には判断材料が無いに等しいのだ。

話は戻るが、先にも書いた様に、我が選挙区の立候補者は全て新人である。人物については勿論、直面している課題の解決に向けた考え方や手腕、実行力、基本とする政治信条など、知らないことばかりだ。どこの党に所属しているかで選ばないとすれば、人物本位で選ぶしかないのだが、何を指標として選んだらよいか迷う。新聞に書かれている経歴や主張を読んでも、また政見放送を聴いても、奇麗事ばかりが並んでいるようで、へそ曲がりとしては俄かに信じがたいのだ。

それには理由がある。最近の国会議員には、余りにもお粗末な方々が多いからだ。今回と同じ様な選挙活動をして晴れて当選し国会に送り出されたものの、議員として活動をし始めると、次第に“化けの皮”が剥がれマスコミを賑わしていく、そんな先生方のなんと多いことか。その人物に関する情報が決定的に不足していたからだ。これまでの選挙活動では、“人となり”など、全く知ることができない。中には、政治家としての資質のみならず、人間性まで疑いたくなるようなあきれ返る先生もいて、近年政治家の質はガタ落ちである。勿論選んだ国民の責任であることは重々承知しているが、その原因は、僕が選挙権を持った時から半世紀以上も変わらない、選挙活動にあると思っている。

「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す」と諺に言うが、言い得て妙だと思う。そして、誰しも、出来るならば良い方で名を残したい、と思うのが人情だ。それは、自分たちの代表を選ぶ場合でも同じで、誰もが、良い方で名を残してくれるであろう人物を“選んでいるつもり”である。ところが、先にも書いた様に、“化けの皮”が剥がれ、悪い方で名が残ってしまった先生を選んでいる場合が多々ある。理由は、判断材料が少なすぎたか、人物本位ではなく政党で選んでしまったからか、或いは自分で判断せず他人の言われるままの候補者に投票してしまったからか、そのいずれかだろう。いずれにせよ、時が経つにつれ、不本意な人を選んだことに忸怩たる思いを抱くことになる。

そうならないためにも、公開討論会は必ず実施すべきだと思う。公開討論会に耐えられない人は立候補しなくなるだろうし、討論会に向けた事前準備でしっかり勉強もするだろう。また、選挙地盤の死守を目的に擁立されることの多い二世議員が減る可能性もある。他方、有権者にとっては、その人物の政治家としての資質や“人となり”を知る絶好の機会となる。いずれにしても、公職選挙法で公開討論会の義務付けをするぐらいでないと、この国は変われないのではないかと思う。皆さんどう思います?

最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間10月26日17時の時点で、世界全体の感染者数は2億4407万人を、亡くなった人は495万を超えた(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。

(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/

【文責:知取気亭主人】


モミの木の幹で見つけたハラビロカマキリの卵鞘
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