2021年11月17日
先週の木曜日(11日)、家で使っているエアコンの掃除を、初めてプロにやってもらった。これまでは家族で何とかやっていたのだが、設置場所が狭いうえに、素人には手が出せないと躊躇していたところもあって、中途半端にしか掃除できないでいた。ところが先月の下旬、自分たちが寝起きする部屋のエアコンを掃除していた長男が、『どうしても手が届かない箇所があり、しかも物凄く汚れているからプロに頼もう』、と言ってきた。なかなか治らない孫娘の鼻炎もエアコンの汚れやカビが原因の可能性もあるのではないか、との不安もあって、お掃除のプロに頼むことにした。
最終的に3台の掃除をお願いしたのだが、2階の2台は取り付け時期が2004年4月、1階リビングの1台は2009年3月に買い替えたもので、どれも10年以上経っている。しかも、ただの一度もプロにお願いした事がない。そんな事はごく当たり前のことで、どこのお宅も同じ様なものだと思っていた。ところが、今回掃除に来てくれたプロに聴くと、営業トークもあるとは思うが、定期的に(3年に1度ぐらいが多いらしい)掃除を依頼してくるお宅が結構多いという。特に年末にかけて増えるらしく、今年も11日時点で、年末まで全て予約で埋まっているというからビックリだ。
そうとも知らず我が家では、僕自身の“根っからのものぐさ”もあって、数年に一度、思い出したように掃除していただけだ。しかも、ごく簡単にフィルターを奇麗にしたりする程度で、お茶を濁して来た。ところが、くだんの長男の話である。鼻炎などのアレルギー症状にはアルゲンとなり得る埃やカビなどはもっての外であり、「徹底して奇麗にする必要があり、それにはやっぱりプロ!」と判断したのだが、果たして…。
流石プロである。プロ仕様の道具が揃っているということもあるが、中は勿論のこと、外も見違えるように奇麗にしてくれた。洗浄液を勢いよく噴霧し、エアコンから滴り落ちてくるその廃水は、汚れで真っ黒だ(P-1参照)。バケツに溜まっていくその真っ黒い廃水を見ていると、こんなに汚れた機械からの排気を吸っていたのかとゾッとする。それ程見事に汚れている。ただ、この掃除のお蔭で、これから暫くは汚れた空気を吸わなくて済みそうだ。加えて、奇麗になれば機械の作業効率も格段に上がるだろうから(確実に20%は上がるでしょうとのこと)、健康ばかりでなく、懐にも優しくなりそうである。
3台とも真っ黒な廃水が出てきたのだが、リビングのエアコンは別格だった。取り付けてある部屋の中で、ホットプレートを使って“焼きそば”や“お好み焼き”などを調理することがあるからなのだろう、埃が熱交換器(フィン)にこびり付いてしまっていて(P-2参照)、取れにくいという。上の2台と同じブラシで擦っていたのだが、「これじゃあダメだ」と言って、より硬めのブラシに取り換えて作業していた。使用年数は2階の2台に比べて短いにも拘らず、使用頻度が我が家で一番高いたことと、浮遊していたであろう油分を吸引しているせいで、汚れは一番酷かった。知らぬが仏、とはよく言ったものである。ただ、これで暫くは安心して一家団欒を楽しめる。
ところで、「掃除のプロ」と書いたが、その呼び名に恥じぬ“プロの仕事ぶり”には、いたく感心させられた。男性1人、女性2人の、計3人のチームでやってくれたのだが、男性が実掃除作業前の養生の担当、女性1人が洗浄液を使っての実掃除作業、もう一人が外した部品の掃除や洗浄液などの用意と後片付けを担当していて、3人の連係が素晴らしく、動きに無駄がない。3台で凡そ2時間半の作業時間だったのだが、観ていて気持ちが良いほどテキパキとしていた。こうした無駄のない動きが出来るのも、3人とも作業手順がしっかりと身に付いている上に、段取りが良いからに他ならない。
「段取り八分仕上げ二分」とよく言われる、あの段取りである。作業全体からすると、男性が担当していた養生が段取りとなる。この養生をおろそかにすると後の作業に思わぬ手間暇が掛かりかねないのだが、洗浄液を吹きかけられるようにするまでの準備作業として、蓋とフィルターを外し、洗浄液が飛び散らない様に養生シートとテープでエアコンを囲む(P-3参照)、この一連の作業が流れる様にスムースだ。また、女性二人の連係も素晴らしい。常に動き続けていて、相手の作業を待っている時間など殆どない。この女性たちの作業の中にも当然段取りと呼ばれる準備作業があって、これを二人が理解していて、確実にこなしているからなのだろう。仕事をするなら、こうありたいものである。
三人の流れるような仕事ぶりを見ていて、ふと脳裏に浮かんだのは、会計検査院の報告によって明らかになった2020年度の予算執行のお粗末ぶりだ。永田町や霞が関界隈の人たちも、プロの筈なのだが…。それとも違うのかな?
最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間11月16日17時の時点で、世界全体の感染者数は2億5387万人を超え、亡くなった人は511万に迫っている(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。
(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/)
【文責:知取気亭主人】
P-1(下が廃液)
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P-2(リビングのフィン)
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P-3(養生の様子)
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