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知取気亭主人の四方山話
 

『ジャンボ』

 

2021年12月8日

早いもので、今年も残すところひと月を切った。この四方山話も、今回を入れて4話で2021年の丑年分が終わる。この時期になると、通常回で取り上げる話題に加え、毎年の最終話で書くと決めている狂歌にも頭を悩ます羽目に陥っていて、今年も例外ではない。前話を書き始めた当りから、油切れ寸前の頭をフル回転させようともがいていて、例え夜中であっても、狂歌に使えそうな文言がひらめくと枕元に置いてあるノートに書き写す、そんな日々を送っている。しかも前立腺肥大による夜間頻尿との仲の良いお付き合いもあって、最近は、寝不足の日がとみに増えて来た。「自分で蒔いた種だから自業自得」.と言ってしまえばそれまでだが、例年通り“ああでもないこうでもない”と生みの苦しみを味わっている。ただ、ものは考えようで、一年を振り返る良い切っ掛けになり、思い出すことによって脳に刺激を与え、結果認知症予防にもなっている筈だ、と自分に言い聞かせている。

振り返って見ると、コロナ禍で大人しくしていた割には、今年も、公私共々色々な事があった。そんな中、最終話のネタバレをちょっとだけしてしまうと、今年一年を通しての明るい話題の筆頭は、何と言っても大谷翔平選手の大活躍だろう。野球ファンの少ないと思われるヨーロッパでもその活躍ぶりが報じられたと聞いているから、同じ日本人として何とも誇らしい。今年一番の話題としてイの一番に挙げても、そんなに異存は無いだろう。

その大谷選手を見ていて、妻とよく話に出るのが、『体、大きくなったね!』、である。海を渡った時に比べると、確かに一回りも二回りも大きくなった様に見える。大柄な選手が多い大リーグの中でも、全く遜色ないし、むしろ大きな方に入るのではないかと思う。暫く前のゴルフ界で、当時としては日本人の中でひときわ体の大きな尾崎将司選手が、ジャンボ尾崎として親しまれていたのを思い出すが、大谷選手の体も活躍も、正にジャンボである。そのジャンボな体から繰り出すパワーは、投げても打っても、また走っても、規格外だった。

ただ、大谷選手は別格としても、日本人の体格も年々向上している。古希を過ぎた僕の年代での175cm越えは比較的大きな方だったのだが、今では、若い人たちの中に交じると全く目立たない。ほぼ平均サイズになりつつあるように思う。栄養が良くなったのか、たっぷり寝ているのか、重い荷物を背負わなくなったせいなのか、あるいは親や先輩たちからの“頭を押さえつける圧力”が弱まって来たせいなのか、その理由については色々と面白い憶測が聞えてきそうだが、スポーツ番組を見ていても、つくづく近ごろは立派な体格の日本人選手が増えたなぁと思う。

そんな体格の向上と相まって、当然食べる方も旺盛だ。僕ら団塊の世代が(体の成長が止まると聞く)25歳ぐらいまでに摂ってきた食事と、今の若い人たちが摂っている食事を比べると、今の方が遥かに豊かで量も多い。野菜も、乳製品も、肉類も魚介類も、全てにおいて種類が豊富で、値段は兎も角としてマーケットに行けば容易に手に入る。こうした現状が可能になった背景には、たゆまぬ品種改良と生産技術の向上、そして保存技術の発達、物流の発達、冷蔵庫の普及など、一括りで言ってしまえば経済の発展があったればこそ、である。その経済発展を支えたのは、飽くなき欲望だ。

この飽くなき欲望を満たすために、我々は働いている様なものだ。食に関して言えば、旺盛な食欲を満たすために、収穫量が増えるように改良したり、厳しい気候の中でも栽培できるようにしたり、大きく美味しくなるようになど、生産者の生き残りも掛け、改良を重ねてきた。その結果、今では僕が若い頃には思いも付かなかったような食材が、たくさん出回っている。中でも果物は、次々と新しい品種が店頭に並んでいて、目移りしてしまう。石川県のブドウのブランド品種「ルビーロマン」に見られるように、高級路線を追及している果物もある。

「ルビーロマン」は、一粒の大きさが20g以上と決められているそうで、これは大粒ブドウの代表格である巨峰の約2倍にもなり、30g以上になるものもあるという。正にジャンボブドウである。購入した事は無いが、値段もジャンボ級らしい。同じ様にジャンボと言えば、大きなものだと1.5kgにもなるという「新高梨」や、1kg近くにもなるというリンゴの「世界一」なども流通していて、日本の食卓を豊かにしてくれている。そんなジャンボサイズが、柿にもあることを、つい先日知った。5日の日曜日に行った母の七回忌法要で、お寺から御供として、ビックリするほど大きな柿を頂いたのだ。その商品名を「福嘉来(ふくがき)」という(品種は「太天柿(たいてんがき)」というらしい)。

測って見るとその重さは、650g近くもある(P-3)。普通出回っている柿の2倍〜3倍にもなる(P-1,2)。比較的大きくなる次郎柿の原産地で育った僕でも、ビックリ仰天の大きさだ。正にジャンボである。その昔、『♪大きいことはいいことだ』と歌ったCMソングがあったが、今どきの大きくなった日本人の胃袋を満たすには、こうしたジャンボな果物はうってつけなのかもしれない。

最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間12月7日17時の時点で、世界全体の感染者数は2億6646万人に迫り、亡くなった人は526万を超えた(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。

(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/

【文責:知取気亭主人】


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