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知取気亭主人の四方山話
 

『今年もご愛読ありがとうございました』

 

2021年12月29日

今年も、残すところ僅か2日となった。今年こそコロナ禍から解放されたいと願っていたのに、昨年に続いて、コロナで明けてコロナで暮れる一年となってしまった。ついひと月ほど前の11月下旬には、WHOによって「オミクロン株」と命名された変異株の発生が報告され、沈静化に向かうのではないかと期待した感染状況は一転、新たな脅威に晒されている。「オミクロン株はデルタ株よりも感染力が強い」との情報もあり、年の瀬の今も、多くの国で人の行き来を自粛させ、各国の経済を停滞させている。我が国では、ワクチン接種の浸透によって、感染者数は11月の半ば以降比較的低く抑えられている状況だが、チラホラとオミクロン株の感染者が出始めており、第6波の襲来が囁かれている。見えざる敵との戦いは、いつまで続くのだろう。

この四方山話で紹介し続けてきたジョンズ・ホプキンス大学の統計(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)によれば、全世界ではこれまでに(12月28日午後5時の時点)感染者数は2億8140万人と、昨年今頃の約8100万人から1年で一挙に約2億人も増えたことになる。一方、亡くなった人は、541万人に迫っていて、昨年同時期の177万人から凡そ364万人増加している。当初「夏ごろ迄には…」と期待していた終息宣言も、「何とか今年中には…」に変わり、今では「2022年中には何とかならないかな?」と切望している状況だ。パンデミックの恐ろしさを改めて実感させられた1年、そして2年目であった。

(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/

ただ、今年はコロナ禍との付き合い方が少しずつ分かって来たのか、昨年よりも人々の行動は活発になっていたような気がする。昨年自粛していた各種イベントも、参加人員の制限であったり、声を出しての応援をしないとか、飲食は伴わないなどの厳しめのルールは設けられていたりしたものの、何とか開催されるようになってきた。賛否両論あったスポーツの祭典「東京2020オリンピック・パラリンピック」の盛り上がりや日本選手の活躍も、良い方に影響しているのだろう。また、大リーグ大谷翔平選手の大活躍で、日本人として自信が持てた事も大きかったのではないかと思っている。それでは、コロナの話題ばかりでなくそうした明るい話題もあった一年を、例年同様拙い狂歌で振り返ってみたい。

 

コロナ禍は マスクの下の 肥やしかな スクスク育つ ムダ毛口ひげ 

ウイルスは 見えぬ津波を 起こしおり 引いては返し 6波目も危惧

日本に於けるコロナ禍の状況は、各種メディアによって連日報道されており、ここで改めて取り上げることは止めておく。それよりも、自分事で申し訳ないが、この四方山話で「私」から「僕」に表現を変えた(9月22日の第948話『僕のボディメンテナンス』)頃から、実はひげを生やし始めている。“口ひげ”と“顎ひげ”だ。マスクの下は見えないから、と暫く不精を決め込んだ結果である。家族にはさほど人気はないが、会社にも伸ばしている仲間がいて、コロナに耐えている記念としては良いかな、と思っている。女性もマスクの下はお手入れに手を抜くようになった、と聞くから、男女を問わず人間だれしも似た様な思いを持つものだな、と改めて感心した次第である。

ところで、毎話の最後に新型コロナウイルスに関するNHK 特設サイト( ※1)からの引用で世界の“感染者数”と“死者数”を記してきたが、それを利用して下記のグラフを描いてみた。これを見ると、今正に大波の真っただ中にいることが読み取れる。ただ、死者の数については、大きな波は見られず、最近は週5万人ほどで推移している。来年の今頃は、「終息宣言が出されるまでの推移」のタイトルでグラフが描けることを願うばかりである。

なお、「感染者数7日間」とあるが、集計時間に若干の差異があるため厳密ではない。また死者数が把握できなかった時(1月27日)もあるため(この場合は前後の累計値を平均してある)、真値でない可能性もある。したがって、“全体の傾向が分かるグラフ”として見ていただければ幸いである。

世界の感染者数推移

 

五輪委が SDGsに 揺さぶられ こぼれ落ちたは 舌禍と前科(委員の辞任)

観客を テレビの向こうに 避難させ 五輪を襲う コロナの嵐

最後まで賛否両論が渦巻いた東京2020オリンピック・パラリンピック(以下、東京2020)が、7月23日のオリンピック開会式を皮切りに、9月5日のパラリンピック閉会式迄、中休みも含め約6週間にわたって開催された。1年延期、パンデミック下、しかも各国とも渡航制限がなされているという状況下で開かれた、異例ずくめの大会であった。また、「オリンピックどころではない!」と反対する声も大きかったが、多くの競技を無観客で実施したこともあってか、大過なく開催出来たことは何よりだった。

加えて、日本選手の活躍も花を添えてくれた。オリンピックもパラリンピックも、日本選手の大活躍に、テレビの前で釘付けになった人も多かったに違いない。どの競技も、暑さを忘れるほどの熱戦を繰り広げてくれた。参加した全ての選手に、そして大会を支えた運営スタッフ全員に大きな拍手を送りたい。勝ち負けはどうしても付いてしまうが、真剣勝負に徹するその姿や戦い終わってお互いを称えるその姿に、久しぶりに清々しい気持ちにさせてもらった。やっぱりスポーツは良い。そう思えた大会であった。

その一方で、2015年9月の国連総会で採択され、東京2020の理念の一つでもあった、「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)に対し、理解不足の人たちが組織のトップにいたことが明らかになり、残念な気持ちになった人も多かったに違いない。組織委員会前会長森喜朗氏が女性蔑視発言で、開会式・閉会式の演出を手掛ける組織のトップが女性タレントの容姿を侮辱するような演出プランを提案したことで、更には開会式直前になって、開会式で楽曲制作を担当するミュージシャンが過去のいじめが明るみに出て、それぞれ辞任せざるを得なくなってしまった。SDGsのバッジは付けているが本来の意味を理解していない人達が、大会組織の中に結構いたことを、世界に向けて発信してしまった格好だ。でも、そうした実態は、ある意味日本の縮図なのかもしれない。

 

大谷は 野球界の 探検家 レジェンドたちの お宝(記録)発掘

どの映画 よりも人気の ショータイム 取るもとったり 各賞総なめ 

今年はこの選手に勇気を貰った、という日本人がどれほど多かったことか。大リーグエンジェルスの大谷翔平選手である。大谷選手について多くを語る必要はないだろう。その活躍ぶりは、コロナ禍でともすれば下を向きがちな日本人に、夢と希望を与え、目標をもって前向きに進んでいくことの大切さを教えてくれた。日本一、いや日本人にとっては世界一のインフルエンサーと言っても過言ではないだろう。

シーズン中は、毎日試合結果を見るのが楽しみだった。投打の活躍ばかりでなく、アメリカのメディアにこんな風に取り上げられていた、なんてネットニュースも随分気分を良くしてくれた。来年も日本人にとってのスーパーヒーローであってほしい、と願っている。ガンバレ、大谷!

 

以上、今年一年を振り返り、印象に残った三つの出来事を切り取ってみました。まさか今年も、昨年と同じ様に巣ごもり状態のまま過ぎるとは…。パンデミックは初めて経験しましたが、恐ろしいものですね。それでも、感染もせず何とか納めの四方山話を迎えることが出来ました。こうして続けて来れたのは、何と言ってもネオンと赤提灯に目もくれなかった私の自粛生活のお蔭、ではなく、偏に拙い文章にお付き合い下さる皆様のご声援・ご愛読の賜物、と深く感謝しております。本当にありがとうございました。

何はともあれ、来年こそ終息宣言が出されることを、ただただ祈念致しております。併せて、皆様にとって迎える年が素晴らしい一年になりますように、そしていさぼう会員皆様のご多幸とご健勝を祈念して、四方山話2021年の締めと致します。


【文責:知取気亭主人】


皆さんに幸運が舞い込みますように!
皆さんに幸運が舞い込みますように!

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