2022年10月5日
1日の土曜日、「燃える闘魂」と呼ばれ人気を博した、元プロレスラーのアントニオ猪木さんが亡くなった。79歳だった。昭和のプロレスファンにとっては、スーパースターだった。力道山の活躍で大相撲と共にテレビの人気番組となったプロレス中継、人気絶頂期に暴漢に襲われ急逝した力道山の後を受け、ジャイアント馬場と共にその後のプロレス界を盛り上げたのが猪木さんだった。後に馬場とは袂を分かったが、猪木さんは、ボクシングのヘビー級世界王者だったムハマド・アリと戦ったり、柔道の五輪王者で赤鬼と呼ばれたウィレム・ルスカと戦ったりと、世間をあっと言わせるような異種格闘技戦を実現させ、一時陰りが見えたプロレス界を牽引していった。その発想力や行動力は、凄いの一言だ。
想像だが、あの異種格闘技をきっかけに、今のような様々な格闘技団体が生まれたのではないかと思っている。今や、映像も含め実際に見たことがない格闘技が、世の中にたくさんある。そして、それぞれ人気らしい。つい先日も花束贈呈で物議を醸した異種格闘技戦が行われたが、(恐らく日本だけだとは思うが)あのような話題性の高い試合なども、猪木×アリ戦などの下地があって実現できたのではないかと思っている。道を切り開いた先駆者であった猪木さんが蒔いた種は、大きな木に成長し、確実に新たな世代に引き継がれている。後進の指導は勿論、それと共に業界繁栄の礎を作る、という彼が担った重責は、十分果たしたと言っていいだろう。そういう意味においても、彼はスーパースターだった。そんな彼の実績とは比べるべくもないのだが、僕も最近、「少しは責任果たせたかな?」と感じる出来事があり、何となくホッとした気分に浸っている。先日、孫全員が集った一族郎党旅行でのことだ。
第952話『行ってきました貸別荘』で書いた貸別荘(以下、コテージ)に味を占め、9月30日の夕方から2泊3日の日程で、一年振りにまた行ってきた。今回は前回よりも大人数となったため、建物自体はこれまで借りたところと違い、コテージの中で1、2を争う大きさのものを借りた。尤も、宿泊人数などの条件に見合う選択肢は少なく、一族郎党が泊まれて連泊できるところ、という条件に合致して借りられたのは結局そこだけだった、と言った方が事実に近い。
具体的に何人かと言えば、体調を崩して一人欠けたが、大人8人、子供6人、の4家族計14人の大所帯だ。ただ、これだけの大人数ながら、有難いことにタイミング良く「GoToトラベル」の代替事業である「県民割」が使えた為、大人数ながら驚くほど割安料金で利用でき、我が家の大蔵省も懐も喜んでいる。加えて、暫く前の長期天気予報では雨模様の芳しくない予想だったのだが、当日は一転して三日間とも終日爽やかな秋晴れに恵まれ、気持ちの良い“非日常”を楽しむ事が出来た。近くの海で釣りも楽しんだが、海も凪いでいて、釣果を別にすれば、絶好の釣り日和でもあった。『みんな行いが良かったんだ!』とホッと胸を撫で下ろしているところである。
都合で次男家族は1日遅れてくることになり、結局2日目の朝に全員集合となった。全員が楽しみにしているバーベキューは、その日の夕方だ。ただ、大人数だけに買い出しも含め準備も大変で、火おこしや食材の下準備などは14時位から始めた方が良いだろう、と事前打ち合わせで決めていた。我が家のバーベキューではいつも料理長を買って出てくれる長男が、今回も陣頭指揮を執っている。私はと言うと、バーベキューの準備は長男たちに任せ、孫たちを集めビンゴ大会をすることにした。
どれ程の期間かけたかは覚えていないが、とにかく長年かけて貯めた小銭を6人の孫に渡す為に、6個の巾着袋にほぼ同額になる様に分け、それをビンゴゲームで順番に選ばせるゲームだ。もう30年ほど前になるだろうか、子供たちが小さな時にもやったことがある。その時も大盛り上がりだったが、今回も大盛り上がりだった。ビンゴは各人12回チャンスがあるのだが、全員に同じ種類の物が渡る様に、巾着袋以外にもお菓子を中心に12種類の景品を用意しておいたから、途中で飽きることなく最後まで楽しめた様子だった。ゲームを取り仕切りながら感じたのが、孫たちの健やかな成長だ。実に伸び伸びと育っている。良い“親業”をしている、そんな感想を持ったビンゴ大会であった。
その大盛り上がりのビンゴ大会が終わり、いよいよお待ちかねのバーベキューだ。火おこしも既に終わり、料理長の得意料理ガーリックライス用の肉を焼き始めている。中々の手つきだ。料理長指示の下、他の大人たちとの連係もスムーズだ。やがて、お待ちかねのガーリックライスが出来上がり、ビール(奥さんはアイスコーヒー)を飲みながらその様子を観ていた我々夫婦のところに運ばれてきた。いつもながら美味い。口にした大人や孫たちからも、『美味しい!』との歓声が上がる。そんな一族郎党の楽しそうな、そして和気あいあいの様子に、どちらが言うともなしに呟いたのが、『これで一安心だな!』である。そして、タイトルにした「少しは責任果たせたかな?」を感じた次第である。ビールの酔いも手伝って、心地良い一族郎党旅行だった。
最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間10月4日17時の時点で、世界全体の感染者数は6億1856万人を超え、亡くなった人は655万人に迫っている(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。
(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/)
【文責:知取気亭主人】
孫と同じで小さなコチ
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