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知取気亭主人の四方山話
 

『来年の干支』

 

2022年12月14日

一年経つのは早いもので、今年も残すところ僅か半月余りとなった。時間の過ぎ行く感覚は年齢分の一だとも聞くが、昨年あたりからとみにそれを実感している。思考スピードが鈍ってきたのか、どう対処しようかと考えているうちに一日が終わってしまっているみたいだ。いずれにしても、毎年この時節になると、「時は金なりなのに勿体ない事をした」と反省することしきりである。

そんな反省ばかりしている我が身に、「来年こそは時を大事にせねば!」と思わせてくれる、この時期ならではのお届け物がある。付き合いのある店からのカレンダーと、誰が贈ってくれるのか「高島暦」である。カレンダーは、息子夫婦や孫たちの予定を書き込むのに使っていて、それを見ながら年寄り夫婦の行動を決めているから、我が家では“見える化”の際たる物として大変重要なアイテムになっている。したがって、頂き物としては大変ありがたく、この時期になると毎年心待ちにしている。

もう一つの「高島暦」は、作家の高木彬光がその著書『ノストラダムス大予言の秘密』(角川文庫 1975)の中で日本の二大預言者の一人、と評した高島嘉右衛門(もう一人は、大本教祖の出内王仁三郎)を開祖とする「高島易団」が発行している暦である(編者・発行:高島暦出版株式会社)。こちらの方は、カレンダーに比べると日々の実用には乏しく、新暦と旧暦の対比をしたり、その年の運勢を読んだりする程度で、後はいつも埃を被っている。ところが今年は、この四方山話を完成させるのに必要となり、まだ埃は被っていない。お蔭で話が続けられる。

10日(土)の朝、寝ながらNHKラジオ『マイあさ!』を聴いていると、“土用さんぽ”というコーナーで面白い話をしていた。“神社巡拝家”なる佐々木優太氏が「あやかり神社さんぽ」というコーナーを持っていて、丁度その日は、来年良い影響を受け開運に繋がりそうな“一押し神社”を紹介する日だったのだ。彼が紹介したのは、宮崎県は日向灘を望む宮崎市新別府町に鎮座する、「一葉稲荷神社(ひとつばいなりじんじゃ)」(以下、神社)である。

宮崎県と言えば神話の故郷といわれているが、神社のホームページに掲載されている御由緒によれば(http://www.hitotsubajinja.jp/)、神武紀元740年代(約1900年前)に、祝詞の中では良く聞く天津祝詞(あまつのりと)の一節に出てくる、「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に禊祓い給う…」の地に創建されたと伝えられているという。所謂、禊祓(みそぎはらい)の聖地である。その後現地に移転遷座したと書かれているが、禊祓の聖地に創建され、1900年も続くとは、歴史ある、そしてご利益のありそうな神社である。

本題に入ろう。佐々木氏の話だと、名前が示す通り稲荷神社なのだが、来年の干支であるうさぎが災難厄除け・開運として、また守り神として崇められているという。約350年前大地震に襲われた時、白いうさぎが現れ津波を蹴り返して神社を救った、と言い伝えられているからだという。うさぎが津波を蹴り返したとは、何とも凄い話だが、その様子を模した彫刻が本殿裏の軒下に飾られているという。“みずとうさぎ”の彫刻である。

感の良い人はもう気付かれたかと思うが、来年の干支は「癸卯」である。「みずのとう」と読む。正に、水とうさぎの年なのだ。佐々木氏によれば、うさぎを祭る神社は各地にあまたあれど、水とうさぎにまつわる神社はここだけだ、と言う。そして、「癸卯」は音読みすると、「きぼう」になるというのだ。説明を聴いていると、なんか来年の為にある様な、そして来年こそ明るい年になってくれるのではないか、と期待してしまう神社だ。佐々木氏も、だから来年に向け一押しの神社は「一葉稲荷神社」だ、と力説していたが、成る程と感心するばかりである

ただ、盲信はマズイ、ということで確認することにした。先ず利用したのが、冒頭で紹介した「令和五年高島暦」である。うさぎ年であることは承知しているのだが、60年ぶりに巡ってきた「癸卯」で間違いないのか、の確認である。確かに、来年は「癸卯」であった。

次に参考にしたのが、『新版 漢語林』(鎌田正・米川寅太郎著 大修館書店 平成7年)である。「癸」と「卯」の音読みと意味の確認だ。漢語林を調べると、「癸」は音読みで“キ”、訓読みで“みずのと”、そして「水の弟」の意味だと説明されている。これで片方はクリアだ。もう一方の「卯」は、音読みとして漢音で“ボウ”、呉音では“モウ”と記されている。訓読みではご存知の“う”で、意味としては十二支の第四位や陰暦二月などで、動物では兎に当てられている、と説明されている。元々は、うさぎを示していたのではなさそうだ。ただいずれにしても、佐々木氏が説明してくれた様に、来年は「きぼう(癸卯)」の年なのだ。こう書いているだけで、来年こそは良い年になってくれる様な気がしてきた。

九州にお住まいの方、或いは遠方でも興味のある方、是非「一葉稲荷神社」への参拝をお勧めする。ご利益があるかも…。僕も行きたいのはやまやまだが、遠方で行かれない。しかし、「令和五年高島暦」によると、今年の恵方(歳徳神吉方)は南南西で、(少しずれてはいるが)丁度金沢から「一葉稲荷神社」を向いた方向に一致する、と勝手に思い込んでいる。そうとくれば、来年の恵方巻は、真剣に食べるぞ!

最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間12月13日14時の時点で、世界全体の感染者数は6億4970万人を、亡くなった人は665万人を超えた(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。

(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/


【文責:知取気亭主人】


「令和5年神宮館高島暦」

【編者・発行】 高島暦出版株式会社
【出版社】 神宮館
【発行年月】 2022/08/01
【ISBN】 978-4860768812
【頁】 288ページ
【定価】2,310円(税込)
「令和5年神宮館高島暦」
「ノストラダムス大予言の秘密」

【著者】 高木 彬光
【出版社】 KADOKAWA
【発行年月】 1975/02/20
【ISBN】 978-4041338124
【頁】 232ページ
【定価】416円(税込)
「ノストラダムス大予言の秘密」

(高島嘉右衛門に関してはこんな本もある)

「大予言者の秘密-易聖・高島嘉右衛門の生涯」

【著者】 高木 彬光
【出版社】 KADOKAWA
【発行年月】 1982/03/01
【ISBN】 978-4041338575
【頁】 338ページ
【定価】458円(税込)
「大予言者の秘密-易聖・高島嘉右衛門の生涯」

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