2022年12月21日
激動の一年だった今年も残すところ10日となり、この四方山話も2022年の締めが近づいた。いつもであれば1週間後の28日が最終話になる筈だったが、今年は、諸般の事情で年末年始に“いさぼうネット事務局”が多忙になることが予想され、不測の事態を避けるために、今回を2022年最終話とさせていただくことにした。また、来年の話で恐縮だが、2023年の第一話目も従来であれば1月4日のところを11日に予定している。ご了承願いたい。
さて、本題に入っていこう。今年一年の世相を表す漢字として、「戦」が選ばれた。その漢字を象徴する出来事が、春の足音が聞こえ始めた2月末、突然勃発した。北京2022冬季オリンピックの熱狂が冷めやらぬ2月24日、突如ロシアがウクライナに侵攻し、世界に激震が走ったのだ。どう決着するかと、世界中が固唾を飲んで見守っていたが、あっと言う間に年末を迎えてしまった。激動の一年になった最大の原因がここにある。世界の人々が仰天したこの蛮行は、未だに緊張を強い、未曽有のインフレの元凶となって世界を混乱させている。短期間での勝利宣言の目論見は外れたが、プーチンは未だに強気の姿勢を崩していない。戦地ウクライナでは、厳しい冬将軍到来の中、今も激しい戦闘が続いている。一刻でも早く停戦し、ウクライナに平穏な日々が戻ることを祈るばかりである。
また、今年こそコロナ禍から解放されたいと願っていたのに、三年続きでコロナに翻弄された一年となってしまった。この四方山話で紹介し続けてきたジョンズ・ホプキンス大学の統計(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)によれば、全世界では2022年12月20日午後5時の時点で、感染者数6.5億人とこの1年で一挙に約3.7億人増えている。増え方は、昨年(2億人)の約1.8倍だ。下の図-1を見れば分かるが、これは、年明けから4月上旬ごろまでの大流行が大きな要因だと思われる。一方、亡くなった人は、667万人に迫っているが、昨年同時期(541万人)からは凡そ126万人増と、増え方としては昨年(355万人増)の約1/3に減っている(図-2参照)。
(※1、:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/)


上記2つの図は、毎話の最後に記してきた“感染者数”と“死者数”について、1週間毎の変化を描いてみたものだが、感染者数のグラフでは今小さな波に襲われている様にも見える。ところが、死者の数については、波と言えるものは無く、もう半年余り週1万人ほどで推移していることが分かる。このまま終息に向かい、来年こそ明るい話題でコロナを扱いたいものである。ただここに来て、ゼロコロナ政策解除に舵を切った中国で感染爆発が起きている、と報道され始めていて心配している。どうなってしまうのだろう?
なお、「感染者数7日間」とあるが、集計時間に若干の差異があるため厳密ではない。また、休んだりして死者数が把握できなかった時もあるため(この場合は前後の累計値を平均してある)、真値でない可能性もある。したがって、“全体の傾向が分かるグラフ”として見ていただければ幸いである。
さて、コロナの話題はこれくらいにして、悲喜こもごも色々な話題があった一年を、例年同様拙い狂歌で振り返ってみたい。
へぼ将棋 先手プーチン 敵読めず めげぬ棋力(気力)と 減らぬ持ち駒
プーチンは まるでジャイアン イジメっこ 難癖付けて 喧嘩吹っ掛け
もう、こまごまと書く必要は無いだろう。冒頭にも触れたが、ロシアによるウクライナ侵攻からもう10ヶ月となる。世界からの強力な支援もあって、当初劣勢だったウクライナが反撃を強め、プーチンロシアは苦戦を強いられている。NATOを中心とする西側諸国がこれほどまでに支援するとは、プーチンにとっては予想外だっただろう。一部ではウクライナに奪還された地域もある、と報道されている。ただ、寒さが厳しい冬将軍の到来を見据えて、ロシアによるエネルギー関連インフラへの攻撃が熾烈らしい。電気を止め、ガスを止め、暖房器具を使わせない作戦だ。戦争自体が非人道的なのだが、間接的にせよ非戦闘員である市民を攻撃するとは、非人道的なあるまじき行為だ。プーチンは、即刻エネルギーインフラへの攻撃を止めるべきで、停戦にも応じるべきだ。世界はそれを待っている。
五輪とは 犯罪競う 場とみたり 人気競技は 談合・賄賂
組織委は 砂糖に群がる 蟻の如 食指伸ばして 金を舐め舐め
昨年開かれた東京2020夏季オリンピック・パラリンピック(以下、東京五輪)、コロナ禍での開催に賛否両論激しい論戦が繰り広げられたが、終わって見れば、日本選手の大活躍でテレビの前で釘付けになった人も多かったに違いない。ところが、一年経ち熱狂も冷めた今年、東京五輪をめぐる汚職事件がにわかに浮上し、世間を騒がしている。談合、贈収賄、脱税などの容疑で、逮捕者が続出している。やっかみ半分で言わせてもらえば、「組織委員会の身内でやりたい放題」の感は拭えない。どこまで司直の手が伸びるか、後ろめたい人たちは戦々恐々としてることだろう。トカゲの尻尾切りで終わらせず、綺麗サッパリと膿を出し切ってほしいものだ。それにしても、世界の注目が集まる東京五輪が、アリが群がる砂糖に成り下がってしまったのは、何とも恥ずかしい限りである。正に、驕れる人も久しからず、である。
虎は皮 安倍は死して 鍵残し 開くか闇の戸 家庭連合
先生に 残る洗脳 後遺症 記憶は薄れ 言い訳巧み
安倍元首相は、第26回参議院議員通常選挙期間中だった、2022年7月8日、奈良市の近鉄大和西大寺駅前付近の街頭で応援演説を行っていた際に、背後から銃撃され、死亡した。犯人は現行犯逮捕されたが、その後の取り調べで、自らの家庭を崩壊させたとする家庭連合(旧統一教会)に恨みを持つ者と分かり、俄かに家庭連合の名前が表に出てきた。安倍元首相と家庭連合との蜜月を疑い犯行に及んだ、と供述していたらしいが、報道各社の取材が進むにつれ、安倍元首相が所属した自民党を中心に、国会議員や地方議員の先生方に深く取り入っていることが分かり、国民を呆れさせている。兎角悪い噂の絶えない家庭連合が日本の政治中枢にまで深く入り込んでいる実態は、驚くばかりである。また先生方の節操の無さには、失望させられる。係わりが原因で更迭された大臣もいたが、これほどまでに人材不足だとは、嘆かわしい限りである。
以上、今年一年を振り返り、印象に残った三つの出来事を切り取ってみました。振り返ってみると、新型コロナに感染したり、草取りで度々虫に刺されたり、自転車で転倒したりと、我が身にもいろいろとあった一年でした。一方で嬉しい事もありました。この四方山話が、大台の1000話に到達した事です。無事到達できたのは、偏に拙い文章にお付き合い下さる皆様のご声援・ご愛読の賜物、と深く感謝しております。本当にありがとうございます。
何はともあれ、来年こそパンデミック終息宣言とウクライナ戦線の終戦宣言が共に出されることを、ただただ祈念致しております。併せて、皆様にとって迎える年が素晴らしい一年になりますように、そしていさぼう会員皆様のご多幸とご健勝を祈念して、例年に比べ1週間早いですが、四方山話2022年の締めと致します。
【文責:知取気亭主人】
万両
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