2022年4月6日
先週金曜日、我が家の夕食は、孫たちが大好きなカレーだった。“カレーは日本の国民食”とも言われているから、勿論大人も大好きである。そのカレー以外に、カレーと抜群に相性の良い一品も食卓に上った。前日の夕食と金曜日の弁当用にと作った、これまた家族全員の大好物、お婆ちゃん特性のチキンカツがまだ残っていたのだ。それをカレーに乗っけて、大好き料理がコラボした豪勢なチキンカツカレーとなった。孫たちは、“カツカレー”と知って食べる前からルンルンだ。
孫たちはルンルンなのだが、7人の大家族だけに、料理する家内は大変だ。カレーの時は毎度のことではあるのだが、子供用の甘口と大人用の辛口の2種類を、しかも数日分作らなければいかないからだ。それでも、孫たちが匂いを嗅いだだけで歓声を上げたり、『美味しい!』と言って食べたりしている姿が、励みになっているらしい。また、誰に似たのか、我が家の家族は全員が実に美味しそうに食べる。それも、励みになるという。そして、旺盛な食欲が、食事の雰囲気を一層盛り上がてくれる。中でも、育ち盛りの、小6、小4になる姉弟の食欲が、爺婆にとっては、眩しいくらいに逞しい。
我々が子育てをしていた時もそうだったが、子供は小3になった辺りから急に食欲が増す。男の子に顕著だが、女の子も、それまでに倍してしっかりと食べる様になる。小6になる孫娘は、体も食べる量も、ほぼ大人と同じだ。また、小4になる孫息子は、ほぼ毎日ご飯のお替りをするようになった。カレーライスや肉系のおかずがある時は、100%お替りしている。しかも、大人の男に近いご飯の量だ。二人とも、目に見えて大きくなっている。そうやって孫たちが育っていく一方で、筋力低下にブレーキが掛からない爺は、悲しいかな、だんだんと「高い高い!」が思い出話になりつつある。
育ち盛りの孫たちに比べると、大人たちは静かなものである。爺婆がご飯のお替りをすることは、もう殆ど無い。二人とも高齢者の仲間入りを果たしていて、メタボと仲良くさせてもらっている関係上、食べ過ぎに注意していて、それを続けていたら、最近ではお替りしなくてもよくなった。ところが、まだ食欲旺盛な筈の長男夫婦(孫たちの親)も滅多にしない。我が家で一番食べられる筈の長男も、である。
不惑の歳が過ぎたばかり長男は、以前は私と同じで大食漢だったのだが、半年ほど前から本格的な筋トレを始め、以来意識的に炭水化物を制限している。そうした長男の食事制限や爺婆の(僅かだが)食事量減退もあって、我が家の大人は滅多にお替りしない。だから余計にそうなのだが、育ち盛りの旺盛な食欲は、羨ましいくらい逞しい。また、美味しそうに食べるその姿は、眩しくもあり、微笑ましくもある。
自分の経験からしても、育ち盛りの頃はいつも腹を空かしていて、食欲はたいそう旺盛だったと記憶している。今の様に、おやつの習慣も無かったから尚更だ。大人だったら、多かれ少なかれそんな経験をしている。したがって、全員に行き渡らない料理などがあると、自分達は食べなくてもせめて子供たちだけでも、となる。恐らくどこの家庭でも、ごく自然に、そういう事をしていると思う。親や爺婆には、愛情ホルモンが大量に分泌されているからだ。また、子供たちを育てその次の世代に繋げなければいけない、という自然の摂理が、生物としての人間にも刷り込まれているだろう。
いずれにしても、親や爺婆にとって、子どもたちが食事をする姿は、今だけの可愛さも感じるが、将来の成長を楽しみにさせてくれる。したがって、食欲が無かったり食が細かったりすると、体調の悪さや病気を心配したり、成長の遅れを心配したりすることになる。食べている姿を見ているだけでも、安堵し、幸せな気分に浸れる理由もここにある。大人、中でも親は、何としても子供の食欲は満たしてやろうとする。それは、いつの時代も変わらない。勿論、平時であっても、戦時であっても、である。
ところが、ロシア軍によるウクライナ侵略の報道は、子供たちの食欲を満たすどころではない悲惨な状況を、連日伝えている。中でも、ロシア軍によって包囲されているウクライナの南東部の都市マリウポリでは、ロシア軍による激しい攻撃に晒され、脱出することも叶わず、停電や断水、食糧不足の中で、瓦礫の山となった市内に10万人もの住民が取り残されているという。暫く前のニュース映像だったが、『取り残された住民には水も食べ物もない』と訴えていた男性の姿が、今でも脳裏に焼き付いて離れない。幼児も子供もいるのに…。
こんな悲惨な状況なのに、赤十字国際委員会(ICRC)が実施しようとしていた住民の退避も、支援物資の輸送も、ロシア軍の妨害で実施できないでいるという。プーチンには、愛情ホルモンは分泌されていないのだろうか…。
最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間4月5日17時の時点で、世界全体の感染者数は4億9368万人に迫り、いよいよ5億人も時間の問題となった。また、亡くなった人は617万人に迫っている(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。
(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/)
【文責:知取気亭主人】
百万本のバラではないけれど…
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