2022年6月22日
19日の日曜日、ひと月ぶりに家族みんなで墓参りに行ってきた。暑い日だった。前日から蒸し暑い日が続いていて、墓参りした11時ごろの気温は、スマホの天気予報では29℃にもなっていた。日差しも強く、墓石を簡単に水洗いするだけで、半袖のTシャツ1枚でも汗が出る。早々に墓参りを済ませ、日差しを避ける様にして位牌のある本堂にお邪魔をし、手を合わせてきた。遮るものがない墓地と違い、お寺の本堂はまるで別荘、別天地だ。
天井が高く、100畳敷きもあろうかという広々とした本堂に入った途端、皆『涼しい!』と驚きの声を上げた。窓を開け放ってくれたお蔭で、風も通る。子供の頃に、祖父の家で窓を開け放ち昼寝をしたのを思い出す。そんな雰囲気がある。お参りを済ませ、開け放たれた窓に近寄り空を見上げると、お寺独特の屋根の形状からなのか、庇(ひさし)が異常に長く突き出ている。一間もあろうかという長さだ。この庇が一般住宅よりも長いのも、涼しさの一助となっているのだろうと思う。
ところが、最近の流行りなのか、窓の庇どころか屋根の庇さえも無い住宅を良く見掛けるようになって来た。他人事ながら、庇がない分夏は暑く冬は寒いのではないか、と心配になってしまう。また、「庇がないと家が傷みやすい」と聞いたこともあって、実際にはどうなのか良く分からないが、高温多湿で雨が多い日本には、庇はやっぱり必要なのではないかと思っている。しかも、雨や雪などが降ってきた時など、庇があれば少々の事なら窓を開けられる。しかし、庇が無いとそういう訳にはいかない。第一、(我が家も窓には庇が無くて苦労しているのだが)簾(すだれ)などの“日よけ”の取り付けが大変だろうなと思う。何せ“日よけ”は、年ごとに熱くなる日本にとって、暑さ対策の必須アイテムだ。我が家もご多分に漏れずで、これが無いととても耐えられない。
“日よけ”が必要なのには、我が家の周囲の住環境が大きく係わっている。東側の直ぐ脇には、我が家より1.5mほどの高さでアスファルト舗装された駐車場があって、今頃の季節から暫くはその照り返しがきつい。また、西側には玄関が位置していて、風を入れるために玄関を開け放つと西日が家の中深くまで入って来てしまう。しかも、道路の照り返しもきつい。こうした事を避ける暑さ対策として、毎年、家の東西両側に、ゴーヤのグリーンカーテンと合わせ、シェードと呼ばれる“日よけ”を取り付けている。西側と南側に設置するグリーンカーテンは5月の連休が、一方東西のシェードは、ツツジが咲き終わる丁度今頃が取り付け時期の目安となっている。
ツツジが咲き終わるのを待ってやるのには、訳がある。玄関先にはツツジが植えられていて、その上に竹を通しシェードを張るのだが、張ってしまうとツツジの剪定ができなくなってしまうのだ。したがって、毎年、剪定をしてお礼の肥料を施した後、張っている。実はこの玄関の日よけ、近所の人かからは「奇麗だ」と評判が良い。尤もそう言ってくれたのは一人だけだが、本人は結構気を良くしている。その日よけを、18日の土曜日、梅雨の晴れ間を縫って一年ぶりに取り付けた。
この玄関の日よけは、十数年前からやっている。経験を重ねる毎にあれこれと試行錯誤を繰り返し、一昨年から今の取り付け方になった(P-1参照)。当初から苦労していた、台風など風が強い時に速やかに撤収する仕組みも昨年思い付き、我ながらグッドアイデアだと思っている。シェードそのものは市販品だが、骨組みやら骨組みを支える仕組みなどは、僕のアイデアによる手作りだ。骨組みは竹、そして結束はビニールテープである。頑張れば一人でも組み立てられる。材料費も安い。シェードも両側の長い竹も買い替えたことは無く、僅かに横に渡す2m弱の細い竹を数年に一度買い替えるだけで済む。自慢の作品だ。
東側の日よけも、玄関の西側に負けず劣らず、アイデアが詰まっている。東側には、1階と2階にそれぞれに2面ずつ、計4面にシェードを取り付けている(P-2参照)。中でも1階台所の窓に張ったものは(P-2、下の右側)、それこそ窓の庇が無いため、ロープによる宙づり状態で設置してあり、我ながら良く思い付いたな、と自画自賛している。
また、2階の2面にも、違うアイデアを詰め込んでいる。設置は屋根の庇に取り付けられた雨どいの金具に結束しているのだが、強風の時の対策に、ひと工夫凝らしているのだ。1階の日よけと同じ様に、2階のシェードの上下も竹に結束されている。この上下の竹の左右に2本細いロープを通し、窓からこの左右のロープを同時に引っ張ると、下の竹が上に引っ張り上げられ、庇の近くで束ねられるようになっているのだ。ロープを緩めれば、元の位置まで下がって来る。女子供でも操作できる単純なこの機構で、一昨年の台風時には事なきを得た。それ以来、「ヤッタ!」と一人悦に入っている。
以上、何となく自慢話になってしまったが、完成したこれらの日よけを見ながら、これで多少は節電に貢献出来るだろう、と期待している。やはり、風が通ると涼しい!
最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間6月21日14時の時点で、世界全体の感染者数は5億3971万人を、亡くなった人は632万人を超えた(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。
(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/)
【文責:知取気亭主人】
玄関(西側)の日よけ(P-1)
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東側の日よけ(P-2)
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