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知取気亭主人の四方山話
 

『七輪でイワシを焼く』

 

2022年7月20日

2018年頃から群発地震が発生するようになり全国的に注目されている、能登半島の先端珠洲市で、珍しい地下資源が採掘されている。埋蔵量日本一と言われる珪藻土だ。そして、それを切り出して作られる七輪が、特産品の一つになっている。ただ特産品ではあるのだが、電気やガスによる調理が主流になるとともに、七輪作りは衰退し、一時は30社近くあったものが今では僅か3社だという。そんなところに、先月の6月19日、珠洲市が震度6弱の強い揺れに見舞われた。珪藻土関係にも様々な被害が出たと報じられていて、七輪を焼く窯が倒壊したという工場もあるらしい。日の出の勢いの産業ではないだけに、歴史のある特産品が消えてしまうのではないか、と心配している。“同じ県民として”だけではなく、最近七輪の良さを“口を持って”体験し、ファンになったからだ。

記憶のある昭和30年代や40年代前半の頃は、初期の頃のサザエさんの漫画にも登場する様に、どの家庭にもごく普通に七輪はあった。しかし、調理用の熱源として電気やガスが普及し始めると、いつの間にかその姿を見掛けなくなった。我が家でも、サンマが店頭に並び始める頃に時々七輪で焼く話題が出るくらいで、それ以外では全く名前も上らなくなっていた。ところが、10年程前だっただろうか、ある日突然、ホームセンターのアウトドア用品コーナーに並ぶようになった。バーベキュー(以下、BBQ)人気で、見直されたらしい。

七輪と炭さえあれば簡単にBBQを楽しめることが、多少なりとも需要が戻ってきた最大の要因なのだろう。その上、大層なバーベキューセットに比べ、使わない時に仕舞って置くにもそんなに場所を取らない。ちょっとした棚にも、台所にも置ける。したがって、出し入れが楽で、少人数なら自宅の庭やベランダでも手軽にBBQを楽しめる。BBQ好きには堪らない代物だ。そんな優れモノの七輪を、昨年の父の日に、子供たちがプレゼントしてくれた。凡そ幅20p×長さ50pほどの長方形をしている。

その七輪を使って、最近立て続けにイワシを焼いた。脂の乗った立派なサイズの大羽イワシだ。秋の味覚サンマもそうだが、生のイワシも、炭で焼くのに限る。魚を焼く専用の調理器具を使ってガスなど他の熱源で焼くことも出来るが、魚の油が焼ける時に出る大量の煙に難儀しかねない。しかも、排煙が追い付かないと、台所は勿論の事、下手をすると家中に煙が充満し、結果、あの独特な匂いに暫く悩まさられることになる。

ところが、七輪は屋外で使えるから、そんな心配とは無縁だ。いくら煙が出ても、近くに洗濯物さえ出ていなければ、さして気にする必要もない。しかも、ガスに比べて、格段に旨い。遠赤外線の効果で、皮も身も好い加減に焼けるからだ。焼けた時の匂いも堪らない。食欲中枢を刺激する、旨そうな匂いがするのだ。また、七輪の前に陣取り、炭火を見ながら焼く、ゆったりとした時間も楽しめる。さながら、キャンプの時の“火の番”だ。ビール片手に焼け具合を見る気分は、(実際は玄関脇で焼いているのだが)もうすっかりキャンパーだ。必然的に、ビールの進み具合も、徐々にピッチが上がっていく。そんな楽しい時間を、17日の日曜日、目一杯楽しませてもらった。

17日の夕食は、大人9人、小学生以下の子ども6人の大食事会となった。その準備にと、近江町市場へ妻と二人で買い出しに行ってきた。すると、頼んであった食材とは別に、観光客があまり寄り付かないコーナーで、旨そうなイワシとスルメイカを見つけた。どちらも二人が大好きな食材だ。店員も、盛んに勧めてくる。その巧みさに加え、以前イワシを焼いたときの美味しい記憶が蘇ってきたのだろう、『七輪で焼かない?』と妻。結局、二皿ずつ、イワシ10本、スルメイカ10杯を買ってきた。

下ごしらえは妻に任せ、「焼く係は俺」と勝手に決め込み、4時半ごろから準備に取り掛かった。火が起こり、さて焼き始めようかという段になって、長女夫婦が送ってくれた特製ソーセージも焼いて、とのリクエストがきた。それではと、魚の臭いが移らない様に焼き始めをそのソーセージと決め、後はじっくりと本命の食材を焼くことにした。

ソーセージを焼き上げ、いよいよ本命だ。缶ビール片手に、網にイワシを載せた。ジリジリという皮が焼ける音とともに、煙が上がる。旨そうな好い匂いが、辺り一面に広がり始める。「夕食時だけに、ご近所さんもこの匂い堪らないだろうな!」などと、勝手な思いを巡らせながら、焼けていくイワシを見る。実に旨そうだ。それを見ているだけで、ビールも旨い。ただ、納得のいく焼き加減になるには、腹と尻尾の位置を変えたりして、結構時間が掛かる。必然的にビールが進む、という好循環になる筈だったのだが、次男夫婦が持参したサーバーの生ビールが飲めなくなるから飲み過ぎはダメ、と“待った”が掛かってしまった。結局、焼き上がりは少々遅くなってしまったが、皆の反応は上々だ。缶ビール2本で我慢していたおかげか、生ビールも最高だ。

やっぱり、イワシは七輪で焼くのに限る!

最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間7月19日17時の時点で、世界全体の感染者数が5億6363万人を、亡くなった人は637万人を超えた(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。

(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/


3連休で人出の多い近江町市場

【文責:知取気亭主人】


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