2022年8月31日
愈々今日で8月も終わる。同時に長かった孫たちの夏休みも終わりを告げ、明日からは2学期のスタートだ。ただ、孫娘が通う小学校は、コロナの影響で夏休み中に登校できなかった日の代替日として、始業式(9月1日)前の8月30、31日を登校させている。夏季授業と呼んでいるらしい。休み中の代替日で、しかも午前中だけの登校ではあるが、実質的には8月30日から2学期は始まっている様なものだ。それでなくても残り少なかった休みが実質2日も短くなってしまったのは、何とも可哀想だ。
ただどのみち、どの子も、長い休みだと思っていたのにあっという間に過ぎてしまった、と感じているに違いない。そして、残った宿題を前にして頭を抱えている子も大勢いると思う。今も昔も変わらぬ光景だ。この四方山を書き始めた28日の最後の日曜日など、大慌てで机に向かっている子たちも多いことだろう。我が家でも6年生の孫娘が、自由研究の最後の仕上げに大忙しだ。その頑張る姿に感化されたわけではないが、僕も、「刺した虫を特定せよ!」とでも表現したくなるテーマで、自由研究をする羽目になってしまった。しかも体を張って!
第993話の四方山話「グリーンキーパーの勲章」では、僕を襲った謎の虫について取り上げた。その中で、「流石に5度目は勘弁してほしい、と願っているのだが…」と書いたのだが、23日の火曜日、そんな願いも空しく5度目の被害に遭ってしまった。しかも、同時に7カ所も刺されてしまったのだ。左脇の下に6カ所(写真-1参照)、右手の親指の人差し指側の付け根に1カ所である。どちらも、御覧の通り腫れた。そして痒い。右手の腫れは、翌日の夕方には手の甲全体に広がり、手首も腫れて動かしづらくなってしまった(写真-2参照)。脇の下も痛痒い。服が当たって擦れるから尚更だ。
写真-1
写真-2
今回は、まず脇の下からやられた。草取りの最中、服の下で何かがもぞもぞと動く気配を感じ取り、「なんだろう?」と思った瞬間にチクリとやられた。急いで服を脱ぎ、裏表を確認したのだが何も見当たらない。洗面所に行って、鏡で脇の下を見たのだが、やはり虫らしきものはいない。ただ、前回と同じ様に直ぐに痛痒くなってきた。しかし、我慢できない程でもない。途中だった作業を再開しようと、脱ぎ捨ててあった服を念入りに叩いて恐る恐る着てみた。何ともない。ホッとして、外して下に置いていた右手袋に手を差し込んだ。その瞬間だ。またチクリとやられた。結構痛い。咄嗟に手袋を脱ぎ捨てると、黒い小さな虫が慌てて這い出してきた。黒いアリだ!そう、とうとう犯虫(?)を見つけたのだ。
ただ、確証はない。70余年生きてきて、アリに刺されてここまで腫れた記憶が無いからだ。刺されたというよりは噛まれたことは何度かあるのだが、痒みも痛みもこれだけ後を引いたことはない。そこで、皮膚科の先生に確認してみることにした。翌日、馴染みの皮膚科に行き、日本にいるアリでここまで腫れることがあるのか聞いてみた。すると、『ある』と言う。アリは蜂の仲間に分類されるというから、毒を持つアリがいるのも納得だ。アナフィラキシーを起こすかどうかも聞いてみたところ、その報告は知っていないが、何度も刺されると抗体ができるという。つまり、アレルギー反応を起こす可能性があるということだ。嫌な予感がしてきた。
気になって、早速ネットで“刺すアリ”を調べて見た。「生活110番」というサイトには、犯虫と思しきアリ(https://www.seikatsu110.jp/library/vermin/vr_ant/51193/)が、数種類載っている。中でも、色といい大きさといい、一番怪しいとにらんだのがオオハリアリだ。ただ、刺された時の症状は、僕の被害に比べてやや大人しい気がする。そこで、急ぎ取り寄せた、広坂寛著『刺された! 噛まれた! 危険・有毒虫図鑑』(株式会社カンゼン、2022)でも調べて見た。
すると、シリアゲアリも犯虫候補として浮かんできた。更に、ネット情報だとクシケアリ類も可能性ありだ。こうなるとお手上げだ。現行犯逮捕して確定するしかないのだが、ネットで公開されている『日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集』の「オオハリアリ刺症に伴うアナフィラキシー反応」の抄録には、オオハリアリによるアナフィラキシーの例が報告されていて(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmez/62/0/62_0_61/_article/-char/ja/)、何だか不安になって来る。しかも、オオハリアリでなくても、これだけ続けて刺されると、アナフィラキシーを起こす可能性が高くなるのではないか、と心配している。
グリーンキーパー作業の度に刺されて帰ってくる僕を見た長男が、『体張ってるね!』と揶揄する様に、少々刺され過ぎた。29日も、長袖・長ズボンと手袋を装着し、防虫スプレーをこれでもかというぐらい、手袋と袖口、靴と足首、ズボンの裾、そして膝当てにも吹きかけ臨んだのだが、また刺されてしまった。今度は右足の太ももだ。これでもう6度目となってしまった。症状は4度目、5度目と同じで、腫れていて痛痒い。恐らくアリだろう。家族は、『エッ、また?』と呆れかえっている。勿論、本人もウンザリだ。かくなる上は、孫や会社の仲間が推奨してくれる防虫グッズを身にまとい、これでもかという位の完全防備で戦うしかなさそうだ。兎にも角にも、体を張っての自由研究は、もうこれまでだ!頼むよアリさん、仲良くしよう!
最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間8月30日14時の時点で、世界全体の感染者数は6億0155万人と、とうとう6億人を超えた。この四方山話に記載してきたその時々のデータによれば、4月12日の時点で4億9984万人とあるから(第976話)、僅か約4カ月半で1億人も増えたことになる。一方亡くなった人は、同じ4月12日時点で618万人だったものが、約649万人となった。増えたのは約30万人で、その増え方は感染者数に比べて緩やかだ。Withコロナへの明るい兆しなのかもしれない。
なお、データは、何れも「NHK 特設サイト 新型コロナウイルス」(※1)に依る。
(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/)
【文責:知取気亭主人】
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「刺された! 噛まれた! 危険・有毒虫図鑑」
【著者】 平坂 寛
【出版社】 カンゼン
【発行年月】 2022/7/21
【ISBN】 9784862556516
【頁】 144ページ
【定価】1,540円(税込)
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