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知取気亭主人の四方山話
 

『年賀状』

 

2023年1月18日

小正月も過ぎ、三が日後もポツリポツリと来ていた年賀状も届かなくなった。年末年始の風物詩となっているこの年賀状、正月三が日に届けられるものもそれなりに楽しみだが、遅れて届くものも待ち遠しい。三が日には届かないものの、年が明けてから書かれたものでも自身の近況を認めてくれている年賀状は、何となく差出人の温かい人柄がにじみ出ている様で僕は好きだ。「明けましておめでとうございます」などと書くのだから本来は年が明けてから書くものだ、というへそ曲がりなところがあって、「12月25日までに投函すれば元旦に届きます」のうたい文句は郵便局の勝手な言い分だ、と思っていた。

ところが、日本郵政グループが運営している『JP cast』のコンテンツ『郵政にまつわるエトセトラ Vol.1 年賀状の歴史』(https://www.jpcast.japanpost.jp/2022/01/135.html)を読むと、以下の様な文言があって、勝手な言い分だと思っていたのは、どうやら僕自身の勝手な思い過ごしだったらしい。その上、僕と同じ様な考えが書かれていて、意外とへそ曲がりじゃなかったんだ、と逆に安心している。

1月1日に届くことが重要視されるようになったのも極々近年のこと。もともと年始の挨拶まわりというのは、年が明けてから行うものです。それを考えれば、年賀状は年明けから松の内(1月7日)に書くものといえるでしょう。(原文のまま)

僕と同じ様な考えではあるものの、ただ一点「松の内」については、江戸幕府が定めたという1月7日までではなく、幼い頃教えられた15日までが正当で江戸と地方は違うのだ、と今でも頑なに意地を張っている。オッと、そんな事はさて置いて、上記コンテンツには「お年玉付き年賀ハガキ」が登場する歴史も書かれていて、なかなか面白い。僕が生まれた昭和24年(1949年)の12月に発売になったとあるが、背景には戦後間もない頃の貧困問題を案じた社会福祉の精神があったらしい。その「お年玉付き年賀ハガキ」が人気を博したのか、ピーク時には42億枚以上の発行数を記録したというから凄い。個人ばかりでなく、会社同士での儀礼的なやり取りもあって、増えたのだろう。

ただ昨今は、EメールなどITツールの浸透により、発行数は減り続けているらしい。若い人は、Eメールなどの方が手っ取り早く、しかも即時性があって便利なのだろう。そこにいくと、僕はダメだ。Eメールやスマートフォンは日常使っていて毛嫌いしている訳ではないが、相変わらず年賀状から離れられないでいる。それこそピーク時よりは少なくなってきているが、今年(令和五年の年賀状)も、家内と合わせて130枚ほど出した。齢を重ねてきた分、日頃は連絡を取り合っていなくても近況を知りたい知人・友人が多く、一年に一回元気を確認し合うハガキにもなっている。

そうした中、4、5年前から、“年賀状じまい”を伝える年賀状をポツリポツリと貰う様になって来た。歳を取ったから、というのがその主な理由となっている。これも時代の流れなのだろう、自分と同じような年代から“年賀状じまい”が届くと、一瞬「僕もそろそろにしようかな?」とも思ってしまう。ただ、そうした“年賀状じまい”さえも含めて、添えられている文言を読むと、会えていない年月を一足飛びに飛び越えて、懐かしい顔が蘇ってくる。必然的に、踏ん切りがつかないでいる。

中には、「エッ、どうしたのだろう」と気になる一言が書かれていたりもする。そんな年賀状を貰うと、直ぐに電話で文言の真意を確認したくなる。今年も「連絡取ってみなければ!」と思わせる年賀状が3枚ほどあった。何れも10年以上ご無沙汰していた方たちからだ。早速、電話を入れた。電話口から聞こえてきたのは、懐かしい声だ。若い頃に比べるとやや声に張りがなくなった感は否めないが、皆さん元気だった。昔話に花を咲かせ、共通の知人の近況を報告しあったりして、楽しいひと時を過ごす事が出来た。これも年賀状が執り持ち続けてくれたお蔭である。そう思うと、一思いに“年賀状じまい”とできない僕の思いも分かっていただけると思う。

加えて、昨年末、鹿児島に移住した高校時代の友人から「奥さんが突然重い病に倒れ、闘病中」との連絡を貰ってからというもの、長い間ご無沙汰していた知人・友人に連絡を取らなければとの思いが強くなっている。お互いに、老い先が読める年齢になった人たちが多く、「いつ何時!」の思いが強いから尚更だ。それを思うと、一年にたった一回しかやり取りしていないが、近況を確認できる年賀状は、手間は掛かるが僕にとっては貴重な手段となっている。もっと言えば、手間など大したことではなく、それよりも、紡いできた人との縁を大切にしたいと思っているのだ。やっぱり古い人間なのかぁ?

最後に、いつものジョンズ・ホプキンス大学による感染状況の集計結果を記載しておく。日本時間1月17日17時の時点で、世界全体の感染者数は6億6719万人を、亡くなった人は672万人を超えた(NHK 特設サイト 新型コロナウイルス:※1)。

(※1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/world-data/


【文責:知取気亭主人】


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