2023年4月5日
日本中が大変な盛り上がりを見せた「第5回ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)は、見事日本が優勝し世界一に輝いた。準決勝のメキシコ戦や決勝のアメリカ戦は、手に汗握る激戦となり、正に筋書きのないドラマを見ている様で、世界中の野球ファンを熱狂させてくれた。この盛り上がりからすると、離れ始めていた野球ファンも戻って来るのではないか、と思うほどだ。いずれにしても、野球界のみならず、何となく下を向きがちな日本人にとっても、久しぶりに明るいニュースとなった。
明るいニュースと言えば、日本人の大好きな桜が各地で咲き始め、待ちに待った話題としてテレビなどで報じられている。日本人は、昔から、桜を見ると不思議と心が躍る。枯れ木然とした葉の無い木に一斉に花を付ける様は、一挙に春が訪れるようであり、長かった冬の終わりを告げてくれるからだろう。そんな事から、桜は日本人にとって春を愛でる花の代表となっている。ここ金沢でも、3月24日に開花し、目を楽しませてくれている。
ところが、平年より10日も早く開花したこともあり、もう散り始めている。少し風の強かった月曜日(3日)には、ここかしこで花びらが舞い散っていた。そんな桜吹雪の中を自転車で駆け抜けたのだが、実に気持ちが良かった。しかし、散る桜にも風情はあるが、できれば満開の桜の中で迎えさせてやりたい祝い事もある。入学式だ。4月7日は上の孫娘の中学の入学式なのだが、果たしてその頃まで持ってくれるか心配だ。ただ、地球温暖化の影響を考えると、満開の桜の中での入学式というのは、もう滅多に見られないのかも知れない。
そうした開花時期の早い・遅いも話題に成る程、桜は日本人に馴染みが深く、愛されている。特に満開の桜は、見ているだけで心を晴れやかにしてくれる。しかも、毎年同じ様な景色を見ている筈なのに、毎年新鮮な感動があるから不思議だ。世の中は、ロシアによるウクライナ侵攻や物価の高騰など、とかく暗いニュースが多い。そんな中であっても、満開の桜は、周りも、気持ちも一挙に明るくしてくれる。根本的な解決にはならないのは承知しているが、せめて花見を楽しめるこの時期だけでも、暗いニュースの事は忘れたいものである。
今回は、そんな一助になればということで、スマホで撮り置いた写真を載せることにした。写真の腕は今一で申し訳ないが、空想力を働かせ、花見を楽しんでいただければと思う。ここ数日、市内の桜処はどこも見頃で、通勤時に通る石川門周辺は、それは見事な咲きっぷりだ。今年も、思わず自転車を止めスマホのシャッターを押した。観光客なのだろうか、人出も半端ない。市内を流れる犀川(金沢で男川と称されている)と浅ノ川(女川と称されている)の堤防も、そこかしこに見ごたえのある桜並木が在り、それぞれに心奪われる。
北陸の冬は白黒の世界と揶揄される様に、冷たくて暗い。そんな冬も桜の開花と共に終わり、総天然色の世界に戻り始めた。庭にあるジューンベリーの可憐な花からは、ほんのりと香しい匂いも漂ってくる。正に春爛漫だ。多少なりとも目の保養になれば幸いである。
犀川の右岸堤防
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石川門と石川橋(右手が兼六園) |
石川門の櫓
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自宅近くの浅ノ川河畔 |
桜の花の近景
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コブシの花 |
頂に咲いた椿の花景
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ほんのりと甘い香りのジューンベリー |
【文責:知取気亭主人】
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