2023年4月26日
先週の土曜日、少々早かったが、誕生会をしてもらった。この歳になっても、祝ってもらえるのは嬉しいものである。その誕生会の当日、食材を求め、近江町市場に行ってきた。久しぶりの近江町だ。あれこれ見て回ると、豊漁だと言われている魚が、いつもに比べると安い。暫く刺身を食していなかったこともあり、どれも美味そうに見え、財布の紐も緩みそうだ。しかも、10,000円で12,000円分の買い物が出来る「おみちょお買い物応援商品券」をゲットして来たばかりだったこともあって、爺婆二人とも気が大きくなったのだろう、気が付けば8人家族で食べても十分な量を買い求めていた。
誕生会の夕食に、これらの食材が並んだ。何年振りかで食べる、珍しいクジラの刺身もある。皆が大好きなネギトロは、何とドンブリに入って出てきた。食卓上を見れば、皆満足できる量だ。酒の勢いもあって、僕の箸も知らず知らずに進む。後から聞くと、長男が「食べ過ぎじゃないかな?」と心配するほど、食べていたらしい。意地汚いのか、食欲中枢がマヒしていたのか、はたまたその両方なのかは定かではないが、長男の心配通り食べ過ぎたらしく、夜中になって腹の調子が悪くなって来た。気持ちも悪い。
腹痛で目が覚め、3回ほど吐いた。下痢気味にもなって来た。吐瀉物はさしてアルコール臭くないから、飲み過ぎではないと思うが、気分は悪い。翌朝、夜中に具合が悪かったことを話すと、長男も下痢気味だという。彼の見解では、ネギトロの油が凄かったからその油にやられたんじゃないか、と言う。それかな、と思う所もあるのだが、昼頃になってもどうもスッキリしない。そんな僕を心配して、家内が『お昼はお粥にする?」と聞いて来た。『そうして』と頼み、待つこと20分。出てきたのは、防災食のお粥だった。
賞味期限(2020年)がとうに過ぎた防災食だったが、これが意外といける。好物の梅干を入れたからなのかもしれないが、想像以上だ。写真-1、2のような袋に入っていて、お湯を注ぎ15分待てば出来上がる、いたって簡単な調理方法で食べられる。写真に収めたのは、“白飯”と“わかめご飯”だが、この他に当該の“お粥”と“鶏そぼろご飯”が我が家にはあった。結局、まだ暫く腹の調子を整える必要があるだろうと踏み、日曜日からその週の金曜日まで、昼ご飯はこれらの防災食の厄介になった。
写真-1
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写真-2 |
全ての種類を食した感想としては、いずれも及第点をあげられる出来栄えだ。勿論、炊飯器で炊いた炊き立てご飯の味と食感には及ぶべくもないのだが、「非常時の食料」と呼ぶには失礼なくらいで、平時に食べてもそれなりの満足感が得られる製品となっている。主材料の米粒(アルファ化米)は特徴的で、長期保存を可能にする製法で作られているだけに、写真-3に袋の中の米粒の様子を写してみたが、日常的に目にするそれとは少々違っていて、半透明で割れているものが多い。しかも、ほぼ水分がない分、とても軽い。
上の写真-2に写っている様に、袋の中にはいっているのは主材料の他には、プラスチック製のスプーンと脱酸素剤だけで、意外とシンプルだ。開封してスプーンと脱酸素剤を取り出し、袋の底を広げて自立させれば、後は熱湯を注ぐだけだ。そんな簡単な調理でも、熱湯を注いで15分後には、写真-4、5に示すように、炊き立てご飯のような状態になる。写真-4は、試しに生卵を入れた後熱湯を注いだものだが、半熟卵かけご飯の様に出来上がり、醤油を少しかけて食べてみたが、結構美味しかった。袋そのものが茶碗代わりにもなるので、お湯さえあれば食べられる。袋に書かれた説明書きによれば、水でも調理可能とある。ただし、水の場合は60分掛かるらしい。時間が掛かりはするが、被災時には熱湯が得られないことも考えられるので、水で済むというのは大変ありがたい。今度機会があったら、挑戦してみたいと思う。
写真-3(米粒)
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写真-4(白飯+卵) |
写真-5(わかめご飯) |
これまでにもいろいろな防災食を試食してきたが、防災食が出始めた頃に比べると、随分と美味しくなった。商品の種類も数も随分と増えて来た様に思う。そうしたこともあって、特に東日本大震災以降、我が家でも色々と買い揃えている。しかも、家族が多い分、量も多い。ただ、食料はいずれ賞味期限がくる。したがって、我が家では、賞味期限が過ぎた商品を時々思い出したように消費している。最近消費した中には、魚やお菓子の缶詰の他に、主食としての“山菜おこわ”などがあって、これも結構美味しく頂いた。孫たちの評判も良い
この様に、最近の防災食は、種類も豊富だし味も良い。是非、万が一に備えて買い揃えておくことをお勧めする。備えあれば患いなし、である。
【文責:知取気亭主人】
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