2023年5月31日
先週、久しぶりに故郷の静岡に行ってきた。妻の伯父さんが亡くなり、葬儀に出席する為だ。2021年1月から始まった新型コロナウイルス騒動で、この三年間親族の葬儀や法事に全く出席できなかったのだが、今月5日にWHOがパンデミック宣言の終焉を宣言し、日本でも5月8日からインフルエンザと同じ第5類に移行したことで、やっと大手を振って出席できる雰囲気になって来た。そうした周りの状況に加え、夫婦共々伯父さんには大変お世話になり、特に妻にとっては暫く前から父親代わりだったこともあり、どうしてもお別れをしたくて、何とか日程を調整して行ってきた。
行くに当たっては交通手段をどうしようかと迷ったが、電車の場合の乗り換え(2回)の手間と、着替えなど手荷物がそこそこの量になることも考え、車で行くことにした。片道凡そ400kmの、実に三年ぶりの長距離ドライブだ。コロナ禍になるまでは車での出張もちょくちょくやっていたから、400kmだと言ってもそんなに苦になる距離ではない。それよりも、初めて自分が運転して長距離ドライブする車であることと、長距離ドライブの度に悩まされていた坐骨神経痛がまた暴れるのではないか、ということの方が気掛かりだった。果せるかな、その気掛かりは、早々と現実のものとなってしまった。
まず、家を出発して直ぐに、車のトラブルが発生した。ETCに不具合が生じたのだ。動き始めると同時に妻がETC車載器(以後、車載器)にカードを挿入するのだが、何も反応しない。聞えて来る筈の『ETCカードが挿入されました』などの音声が、全く聞こえてこない。「どうしたんだろう?」と思いあれやこれや操作しているうちに、習慣とは恐ろしいもので、迷うことなくETC専用のゲートに入ってしまった。ところがバーが上がらない。あたふたとして少しバックさせたところへ、係員がやって来た。車載器が反応してくれない事とカードの有効期限はしっかり有る事を伝えると、入場カードを渡され『出口でこのカードとETCカードを提示してください、そうすればETCでのお支払いができます』と教えてくれた。
凡そ6時間後、東名高速道路の袋井インターに着き、教えられた通りの手段で、無事ゲートは通過できた。帰りも同じ方法で無事帰ってこれたのだが、車載器の反応は相変わらず無い。帰宅してネットで調べたところ、どうやら問題の車載器は、2022年12月以降は使えなくなっていたらしい。詳しくは「ETCが使えなくなるって本当?2022年問題と2030年問題について徹底解説!(https://smartdrive.co.jp/fleet/useful-info/etc2020/)」に譲るが、どうやら使えなくなる古い規格だったらしい。どうりで反応しない筈である。買い替えるかは悩みどころだが、何はともあれ、原因が特定できホッとしている。
残るは、坐骨神経痛の方である。坐骨神経痛は、凡そ10年前から痛みが現れていた、いわゆる持病だ。長時間運転していると、お尻から膝にかけての大腿部裏側の筋が、何とも表現しづらい痛みに襲われる。ハンドルを握り座ったままの姿勢は、時間にして1時間ほどが我慢の限界だ。症状が出始めた頃、当時の掛かりつけ医に相談したところ、「坐骨神経痛」との診断を受けた。それから、症状の出るタイミングが長時間運転の時に限られていたことに加え、ズボラな性格もあって、特段治療もせずに放っておいた。
ここ3年程は、コロナ禍もあって車で遠出することもなく、坐骨神経痛の事はすっかり忘れていた。もっとも、机に向かっている時にも時々痛みは出たが、そんな時は直ぐに立ち上がってストレッチの真似事をすれば治まっていた。だからそんなに辛いと思ったことはなかったのだ。ところが、高速道路で車を運転している場合は、そうはいかない。サービスエリアなりパーキングに止めるまで、我慢するしかないのだ。したがって、長距離運転の場合は、ほぼ1時間ごとに休憩を入れるノンビリ行程にならざるを得ない。そんな不安が、車での静岡行きを決めた時、ふと頭をよぎったのだ。
不安は的中した。ほぼ1時間ごとに休憩をとり、その度に、両脚の裏を伸ばすストレッチと腰痛防止の股割を入念に繰り返した。すると痛みは嘘のように引いていくのだが、また1時間ほど運転し続けると痛み出す。徐々にその感覚は短くなっていくから、根本的な解決にはなっていないのだが仕方が無い。行きも帰りも、休み休みの行程で何とか乗り越えた。
何とか直したいなと思い、ネットで坐骨神経痛について調べてみた。すると、(株)日本薬師堂の通販サイトに「健康コラム」というコンテンツ(6項目)があって、その1つに「坐骨神経痛とは?」(https://www.nihonyakushido.com/knowledge/zakotsu.html)のタイトルで詳しく説明されていた。詳しい事は同サイトに譲るが、常日頃痛みを感じる“高いところの物を取る動作”での場合は、「腰部脊柱管狭窄症」が原因とある。また、“あぐらや横座り”や“中腰で行う動作”でも痛み出すのだが、こちらの方は「腰椎椎間板ヘルニア」が原因だとしている。それに加え、お尻の筋肉の衰えも原因になるらしい。僕の場合は、どれもこれも当てはまっている。加齢とこれまでの不摂生が祟っているのだろう。
しかし、それはそれとして、完治できないまでも何とか症状を和らげたい。そこで、遅ればせながら始めたのが、お尻の筋肉を鍛えることだ。朝起き上がる前にやっている腹筋運動に加え、お尻を持ち上げる運動を加えることにした。仰向けに寝たまま、膝を90に曲げ立て、肩・腰・膝が一直線になる様にお尻を持ち上げ、この時お尻を絞めるように意識して姿勢をキープする。これを10回繰り返しているのだ。以前、長男に教えてもらった運動で、暫く続けていたが、すっかり忘れていた。こんなことでは、3年ぶりの坐骨神経痛だと騒いでも、家人からは『どうせまた…』と痛いところを突かれるのが関の山、なのかもしれない。
【文責:知取気亭主人】
サルビア(撮影者:Y)
|
|