2023年8月9日
暑い!兎に角暑い!日差しも強烈だ。ここ金沢では、連日ウンザリする程の猛暑日が続いていて、直射日光を受けると、服を着ていても肌が痛暑い。そんな強烈な日差しに一日中晒されている我が家の車は、熱量をまともに受け、地獄の釜さながらだ。乗ろうとしてドアを開けた途端、たじろぐ程の熱が顔を襲う。50℃近くはありそうだ。それでも仕方なく乗り込み、エンジンをかけ急いで窓を全開にし、エアコンを入れる。しかし、走り出して車内の熱気を追い出さないと、車内は直ぐには冷えない。そうした似た様な事情もあってだと思うが、マーケットなどの駐車場で、エンジンを掛けっ放しにしている車を良く見かける様になった。そんな車を見つけると、以前だったら「環境負荷になることを考えていないな!」と苦虫を噛み潰していたものだが、今はすっかり仏様になってしまい、「短い時間だったら仕方が無いか」と思う今日この頃だ。
金沢は雨も少ない。暑さで頭がボーッとしてるせいもあってか、いつ本格的な雨が降ったか記憶も定かでない。確か、梅雨明け宣言以来、半月以上は降っていないと思う。先週、申し訳程度にパラパラと来た日もあったが、お湿りにも程遠く、気温は全く下がらなかった。お蔭で、毎日水遣りしていた筈なのに、プランターに植えていたブルーベリーの葉っぱが、すっかり赤くなってしまった。遣り忘れた日があったのだろう。会社のツツジの一部も黄色くなり始めている。それ以外にも、自宅では、グリーンカーテンなど他のプランターへの朝晩の水遣りが欠かせないでいる。台風6号の影響で大雨となっている沖縄や奄美、或いは九州地方の人には申し訳ないが、何とか一雨欲しいと思っていた。
そうした切なる思いが通じたのか、これを書いている7日月曜日の夕方から夜にかけて、待ちに待った雨がザーッと降ってくれた。忘れていた、本格的な雨降りだ。天気予報ではこれから暫くはもう降りそうもないが、お蔭で久しぶりに朝晩の水遣りから解放され、蚊やブヨの攻撃に悩まされずに済んだ。家庭菜園の葉も、一息ついている様に見える。災害が発生する様な“降り過ぎ”は勘弁願いたいが、雨、そして水の有り難さを改めて実感した次第である。
しかし、これだけ暑さが続くと、体力を奪われ疲れが溜まる。夏バテだ。特に、体力の無い子供やお年寄りにはきつい。体力が奪われると、身に備わっている体力回復のメカニズムが働くのだろう、強い睡魔に襲われる。同学年の仲間に比べ少々体力には自信があった筈の小生も、夜間頻尿でちょくちょく睡眠が妨げられることもあって、最近は日中にも拘らず突然睡魔に襲われることが増えて来た。それも、どうにも我慢できない程の強さだ。特に、暑いさ中に外で体を動かした後はてきめんだ。そんな時には、勿論“場所も時間も許せば”の話だが、睡魔に身を委ね、迷わず昼寝をすることにしている。ただ、これまでは大体20分ほど眠るとスッキリし目が覚めていたのだが、最近はこのリズムが狂い始めている。
と言うのも、1週間程前ぐらいから、この暑さに疲れが溜まって来ているのか、1時間近く寝てしまうことがあるのだ。それもソファにゴロンと横になったまま、猫のように丸まって寝てしまう。寝落ちもすこぶる早い。コマーシャルで“眠りの質に影響する”と喧伝されている枕も、特に選ばない。殆ど腕を畳んだ状態での前腕枕で済む。それでもぐっすりと寝れる。人間の体は便利に出来ているものだ。しかし、この昼寝、うたたねと言った方が良いかも知れないこの寝方、どうやら注意が必要らしい。
4月の下旬、北海道に住む友人から電話があった。仕事を辞めて、今家でリハビリ中だと言う。驚いて、理由を聞いた。すると、思わぬ答えが返って来た。突然、右手が痺れて動かなくなり、救急車を呼んで病院に駆け込んだという。脳の病気を疑ったからだ。ところが運ばれた病院で下された病名は、「橈骨神経麻痺」という聞き慣れないものだった。詳しく訊くと、橈骨とは「ひじから手首までの2本の前腕骨のうち、親指側の骨」を指し、肩から二の腕(上腕)を回りこむように走りこの橈骨付近を経て指先に至る神経を「橈骨神経」と呼ぶのだそうだが、この神経が何らかの影響で麻痺した状態を「橈骨神経麻痺」というらしい。突然その「橈骨神経麻痺」が起こり、右手が不自由になったため、勤めを辞めたというのだ。
命には別状ないと聞いて安心したが、『そんなところを通る神経が何故?』と聞くと、『うたた寝だった!』と言うではないか。“うたた寝”に至る詳しい状況は忘れたが、結構長い時間寝てしまったらしい。しかも上腕に頭を載せた状態の腕枕で。この状態、つまり上腕に走る橈骨神経を圧迫したままの状態が長時間続くと麻痺が起こる、ということらしい。麻痺が起こると、指先が動かなくなったり、手首が動かなくなったりするらしい。友人の場合は、親指と人差し指が動かなくなってしまったという。3ヶ月余り経って電話すると、『やっと動かせるようになった』と笑っていたが、懸命のリハビリにも拘らず随分かかるものである。
この「橈骨神経麻痺」、別名「サタデーナイト症候群」や「ハネムーン症候群」などとも呼ばれているらしい。腕枕を原因とすることが多い、ということなのだろう。昼寝でも同じだ。上腕に頭を載せたまま眠る癖のある人は、気を付けた方が良い。ただ、昼寝は30分以内が体に良いとも聞くから、ぐっすり寝込んでしまうほど疲れを溜めないこと、が肝要なのかもしれない。いずれにしても、危険な暑さが続くこの夏、昼寝にご用心、である。
【文責:知取気亭主人】
桔梗は夏バテ知らず
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