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知取気亭主人の四方山話
 

『改造』

 

2023年9月27日

9月13日、第2次岸田再改造内閣が発足した。14日の北陸中日新聞朝刊によれば、「変化を力にする内閣」と名付けられているらしい。また、「経済、社会、外交・安全保障の三つを政策の柱として、強固な実行力を持った閣僚を起用することとした」の説明があったとも書かれている。誰の内閣でもそうであって欲しいと強く願っているところだが、こう書かれてしまうと、へそ曲がりとしては、「前の閣僚は強固な実行力を持っていなかったの?」と訝しんでしまう。それは冗談としても、第2次岸田内閣は、2021年(令和3年)11月10日に発足し、翌年の2022年(令和4年)8月10日には早くも1回目の内閣改造を行っている。それから数えると、今回は2回目の改造、したがって“再”が付くという訳である。

それにしても、僅か2年にも満たない間に2回も内閣改造が行われるとは、如何なものかと思う。例えば外交の先頭に立つ外務大臣、諸外国の外相と丁々発止のやり取りをし、日本の国益を守るべき重要なポストなのに、前任の林芳正氏は1年と10ヶ月しか在任していない。やっと各国外相と気心が知れたところで上川陽子氏に交代、そんなことになってはいないだろうか。以前から、「日本の大臣の交代の早さは国益を損ねる」との声が聞えていたが、総理大臣を始め、与党の先生方はそんな感覚をお持ちではないのだろうか。それとも、前述の説明を文字通りに受け取れば、林前外務大臣は上川新大臣に比べ著しく実行力が劣っていた、のだろうか。ニュース等で報じられている林前大臣の動向を聞く限り、そんな風にも思えない。しかし仮にそうだとすると、逆に、「じゃあ何でそんな人を任命したの?」と突っ込んで見たくなる。

実際、そんな声が上がって、事実上の更迭に追い込まれた閣僚もいた。林氏の名誉の為に言っておくが、彼は違う。2022年8月に1回目の内閣改造を実施して直ぐに、経済相だった山際氏、法相だった葉梨氏、総務相だった寺田氏、復興相だった秋葉氏のお歴々が、凡そ2ヶ月の間に相次いで更迭された。4人も、である。この4人については、ご自身に責任がある訳で、辞めざるを得なかったのは致し方ないことだと思う。ただ、一国民として空しく腹立たしいのは、更迭されるまでの間、国会の審議が事実上空転を続けていたことだ。その間の国会中継を観ていると、前向きな議論は聞かれず、非難の応酬に終始していてる。本来であれば授業の一環として見せたい中継の筈なのに、子供に見せたくない一番の放送になってしまっているような気がして、残念でならない。

ところが、閣僚の更迭は第2次岸田内閣だけの話ではない。これまでの歴代内閣にも数多くいた。そして、内閣改造も度々ニュースになった。必然的に、国益を損なう可能性があるのに日本の閣僚はよく代わる、ということになってしまう。そんなことも手伝ってか、かつて高度成長期には「経済一流、政治三流」と言われ、10年程前には、『まるわかり!2014年の日本&世界経済大全 経済二流、政治三流でも、国民が一流の国は必ず繁栄する!』(中島孝志著 クリーク・アンド・リバー社 2014)なる本まで出版されている。悔しいけれど、今でも“政治は三流”と揶揄されているのだ。

何とか、そんな苦々しい揶揄を一蹴してしまう様な秘策は無いものだろうか。そこで、責任の無い立場を最大限活用させてもらって、勝手気ままに考えてみた。当然、先生方からしたらそんな事は到底受け入れられない、というアイデアもあるだろう。ただ、受け入れられるか否かは考えない事とし、小泉元首相が『自民党をぶっ壊す!』と言って総裁選に勝利し首相になったことになぞらえ、永田町の常識をぶっ壊し“国会を改造する”、そんなことができたら良いなと思い考えてみた。

内閣改造の度にメディアを賑わすが、今回の閣僚人事でも、「各派閥の思惑が複雑にうごめいていた」と報じられている。そこで、派閥の領袖からは猛反対の声が上がりそうだが、まず総理大臣の任期中は内閣改造をできなくすることだ。こうすることによって、国益を損なう早い大臣交代も無くなり、一貫性が増して、諸外国からの信頼も増すに違いない。また、通常だと4年の任期になる訳で、それこそ、4年間しっかりと任せられる“強固な実行力を持った閣僚”を選ぶことに繋がる筈である。法律を変える必要はありそうだが…。

次に、閣僚への登用に何らかの関門を設けることだ。閣僚候補者に、担当分野での喫緊の課題と長期的な課題をしっかりと認識しているか、またそうした課題への解決方法を私案として持っているかなどを、事前に把握することが重要だと思う。メディアを入れて党内で公開討論会を催す、という方法も面白いかも知れない。いずれにしても、本人の能力や人となりが任命前に分かれば、更迭は激減する筈である。

また、任命前の身辺調査、それも本人からの申告ではなく、例えば「悪い噂はないか?」とか、「言行不一致はないか?」など、周りの評判を聞くことも更迭回避には有効だと考えられる。ただ、改造からまだ10日しか経っていないのに、23日の北陸中日新聞朝刊に、閣僚1人と新たに就任した自民党幹部の2人について、脇の甘さを象徴する様な記事が載った。何だか、早くも煙が立ち始めたのか、と不安になってしまう。大丈夫かなぁー?


【文責:知取気亭主人】


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