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知取気亭主人の四方山話
 

『どんな人なんだろう?』

 

2023年10月25日

金沢市は、人口約45万人、ほぼ街続きとなっている野々市市や内灘町を加えると50万人を超える、本州の日本海側に位置する市として新潟市に次いで2番目に人口が多い、中核都市の一つである。戦災を受けていない為、古い町並みが比較的よく残っており、金箔や加賀友禅、茶の湯や和菓子など伝統文化もしっかり受け継がれていて、観光地としても人気がある。北陸新幹線の金沢〜長野間の開業(2015年)以来、観光客はうなぎのぼりに増え、最近では外国人観光客の姿も良く見掛けるようになって来た。彼らは基本的に歩いて観光するのを良しとしているらしく、代表的な観光施設がコンパクトにまとまっていることもあってか、夏の炎天下でも気にすることなく歩いている。そんな姿を受け入れる側の市民の一員として、感心しながらも有難いことだと思って見ている。

彼らがよく訪れる代表的な観光施設は、多くが市の中心部にあって、辺りは一帯は中心部でありながら緑が多い。また、西側は日本海に面し、東側には富山県との境をなす山稜もあって、市全体としても自然に恵まれている。車でちょっと走れば、海水浴や磯遊び、キャンプにバーベキューなど、自然の中での遊びに事欠かない。市内を流れる犀川と浅野川では、アユ釣りやニジマス釣りも楽しめる。大都市と比べ物にならないくらい、自然豊かなのだ。寿司など食べ物も美味しい。だから、とても暮らしやすい町だと気に入っている。ところが、そんな暮らしやすい町に、近年、自然が豊か故の困った問題が持ち上がっている。熊だ。

お隣の富山県や秋田県など、中国以北の道や県で人身被害を引き起こしている熊が、この金沢でも頻繁に目撃されているのだ。もう10数年前になるが、観光客が良く訪れる代表的な観光施設の一つ、金沢城公園での目撃情報もあった。市の中心部で、だ。それ以降金沢城公園周辺での目撃情報は無いが、他の金沢市街地への進出は、以前にも増して活発化している様に思える。とにかく目撃情報が多い。

9月以降、孫が通う中学校や小学校から、『熊の目撃情報について』と題するメールが頻繁に届くようになっている。目撃情報は、雪解け時期の3月頃からあるのだが、特に冬眠前の今の時季は、毎日の様に届く。「○○中学校 保護者様、本日、19時頃、△△地区から××方面に向かう道路でクマの目撃情報がありました。明日の登校時においても十分気をつけるようにお願いいたします。[〇〇中学校]」などと書かれたメールが送られてくる。私に届くメールに記載されている目撃場所は、何れも小。中学校から近くは数百メートル、遠くても1〜2キロメートルほどしか離れていない。児童。生徒の通学園での目撃だ。幸いなことにまだ生徒・児童が襲われたという被害状況は届いてないが、他県での人身被害を聞くと、いつ何時孫達が被害に遭うとも知れず、心配でならない。

全国ニュースで時々報じられている様に、この時季、各地で熊による人身被害が発生していて、亡くなる人もいる。22日のNHKニュースによれば、今年は過去最悪のペースだという。以前は、山菜採りをしていて熊に襲われたなど、人間が彼らの生息域に入り込んで被害に遭うことが多かったようだが、最近は、熊の方が人里や住宅街に現れて人を襲うのが増えたように思う。人がいるところには食べ物が多い、ということを学習してしまったのかもしれない。恐ろしい話だが、人体に味を占めた熊は再び人を襲うようになる、と報じられたこともあった。仮にそうだとすると、そうしたことを一度学習してしまった熊は、再び人里に現れて食べ物をあさるようになる可能性が高いということになる。そうさせないために、捕獲した際には、もう二度と来たくないと思わせるきつい「学習放獣」と呼ばれるお仕置きをして山に返したり、駆除したりしているのだが…。

ところが、地元住民の命や生活を守るために駆除したことに対し、激しい抗議の声が寄せられているという。60頭以上の牛を襲ったとされる「OSO18」というサスペンスドラマの犯人様な呼ばれ方をした熊を駆除したハンターに、住宅地付近に出没していた母熊を駆除した札幌市にも、そして秋田県美郷町が作業小屋に長時間立てこもっていた熊3頭を駆除したことに対しても県や町に抗議が殺到しているという。中には長時間に亘って電話で抗議を続ける人もいるという。

熊と隣り合わせで生活している様な地域に住む我々からすると、何とも理不尽な抗議に思える。一体どんな人が、抗議の声を寄せているのだろう。殆どが地域外かららしいが、思いつくままに挙げてみると、可能性があるのは、@動物愛護者、A菜食主義者(ヴィーガンやベジタリアン)、B抗議することで溜まっている鬱積を吐くクレーマー、C愉快犯、D熱狂的な熊ファンぐらいではないかと思う。そして、中には業務に支障をきたすほど長時間文句を言い続ける人もいるということから、すべての人ではないにしろBやCの人達が多いのではないかと想像している。だとすると、抗議の声は決して無くならないだろうな、と思う。

山で暮らす従兄が、『都会に、熊やイノシシなどを放してやればいい。そうすれば自然の中で動物たちと共存して暮らすということが、どれだけ大変か分る筈だ』と時々過激な事を言うが、偽らざる心境だと思う。熊の駆除に抗議する人達に言ってやりたい。『そこまで言うなら、あんたたち、目撃情報が頻繁に届く地域に住んで、熊と共存する手本を見せてくれ!』と。


【文責:知取気亭主人】


キンモクセイ(この香が嫌いな人もいる)
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