いさぼうネット
賛助会員一覧
こんにちはゲストさん

登録情報変更(パスワード再発行)

  • rss配信いさぼうネット更新情報はこちら
知取気亭主人の四方山話
 

『安心してください、出てますよ!』

 

2023年11月8日

今回は、尾籠な話で申し訳ないが、排尿の話である。人間に限らず生きとし生ける動物の殆どは、物を口に入れたら、老廃物を排泄物として体外に出す。それは、生きていく為にどうしても必要な生理現象である。当然のことながら、人間の排尿もそうだ。そうご理解をいただいて、今回の話にお付き合い願いたい。

前話の『譫妄』でも触れた様に、10月25日から前立腺肥大症治療の為、入院していた。肥大症により60歳頃から排尿に影響が出始め、夜間頻尿で睡眠にも悪影響を及ぼすようになって来た。処方される薬は飲み続けていたのだが、排尿に時間を要することも徐々に増えて来ていた。そうした状況とエコーで確認した肥大の程度を考えるとこれ以上薬頼みでは改善できない、との主治医の判断もあって、肥大した前立腺を内側から削って小さくする手術を受けることにした。術名を「経尿道的前立腺レーザー蒸散術」と言う。

入院翌日の26日が手術日だ。16時30分頃病室に戻り、朦朧とした中で妻の見舞いを受けたのだが、直ぐに眠りに落ちた。夜になり目が覚めベッドの周りを見ると、モニター付きの機器の他に、点滴をぶら下げているスタンドが目に入って来た。見慣れたやつだ。ところがよく見ると、スタンドの高い所に2袋、更に床に付きそうなくらい低い所には別の大きなビニール袋が1つぶら下がっている。上の2袋のうちの1つは点滴、そしてもう1袋は生理食塩水だ。後で確認したところ、この生理食塩水は、尿道に挿入されている尿道カテーテル(以後、管)先端のバルーンと管そのものが詰まらないよう、人為的に尿を増やし、血や削った組織などを流してしまう役目があるのだという。また、下の大きな袋は、管と直接繋がっていて、流れ出る尿を溜める袋だと教えられた。

「成る程そんな装置で守られているのか」と納得し、ベッドの上で体をずらし何とか下の袋を見ると、濃いトマトジュース色の液体が溜まっている。術後まだ数時間しか経っていないからこんな色だろうなとは思っていたが、いつもの尿との違いに、さすがに見た瞬間ギョッとしてしまった。しかし人間の回復力とは凄いもので、気になる尿の色は、時間が経つにつれ濃いトマトジュース色から熟れた西瓜の果肉の色に、そして管を抜いた3日後の日曜日には西瓜ジュースの色へと確実に薄まっていった。これだけ見える形で変化してくれると、退屈な入院生活も結構楽しめる。

何を楽しんだかと言えば、主治医や看護師の言いつけを守り、それがどれくらい効果を上げるのか知ることだ。手術の翌日から言われたのは、『術後の回復が早いからなるべく歩いてください!』と、『管を詰まらせないために毎日ペットボトル2〜4本ほど、水分を摂ってください!』である。特に、水分は重要で、術後尿が出なくなってしまって再手術しなければいけない人もいる、と脅された。そんな事になっては堪らんと、手術の翌日から毎日600tのペットボトル3〜4本を、せっせと飲んだ。そのせいか、主治医からは『量も色も順調ですね!』と褒められ、晴れて3日後に管を引き抜くことができた。

そして、ここからが本当に楽しんだ事なのだが、管を引き抜いた直後から、紙と計量カップを渡され、排尿した時間と量を記録し、計量した尿はトイレに設置した専用のビニール袋に溜めて欲しいと言う。それを聞いた途端、「これは四方山話に使える」と閃いた。そうなれば、当然排尿にも記録にも身が入る。水の飲み忘れに気をつけ、せっせと記録した。そして退院までのデータから作成したのが、次の図だ。

主治医も担当看護師も、毎回『量、色とも良いですね』と言ってくれるほど、初日から順調に出ている。2日目、家族LINEで「オシッコの具合どうですか?」と尋ねてきた。それに対し、イギリスで笑いをさらったあの芸人を真似て返したのが、表題の「安心してください、出てますよ!」である。結構受けた。しかし、“受けた”と喜んでばかりはいられない。退院までの4日間、日中も夜間も満遍なく尿が出ていて、相変わらず夜間頻尿の傾向が残ったままなのだ。

ただ、一縷の望みが無い訳でもない。明け方の排尿間隔が少しずつ開いて来たのと、退院後夜間に排尿する回数を記録しているのだが、やや減る傾向にあるのではないかと期待するデータになっているのだ。もう少し長い期間の観察が必要だとは思うが、大いに期待している。来週の四方山話には、良い結果が報告できるかもしれない。乞うご期待である。


【文責:知取気亭主人】


入院中に見られた虹(良い事があるかも)
入院中に見られた虹(良い事があるかも)

Copyright(C) 2002- ISABOU.NET All rights reserved.