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知取気亭主人の四方山話
 

『今何ができるか』

 

2024年1月17日

15日で、「令和6年能登半島地震」の発災から2週間が過ぎました。典型的な過疎地域、そして半島で起きた激甚災害ということもあって、これまで被害の全容は遅々としてつかめませんでしたが、2週間過ぎた今、やっとその惨状が少しずつ明らかになって来ました。15日付の北陸中日新聞朝刊(以下、新聞)によれば、石川県関係だけに限られてしまいますが、14日夕方までの時点で、亡くなった方は221人(災害関連死13人を含む)、安否不明者24人、負傷者1,015人、家屋被害は12,432棟以上に上るそうです。この他、お隣の富山県や新潟県でも大きな被害を受けたと報じられています。亡くなられた方々に哀悼の意を捧げますとともに、被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

さて、冒頭で過疎地域と述べたが、どれほどなのか、今回特に被害の大きかった能登地域の4市4町の人口を調べてみた。資料としたのは、2023年11月調査の住民基本台帳月報だ
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/sichousien/documents/r5_11jukijinko.pdf)。震源地の半島先端から順に、珠洲市12,610人、輪島市23,192人、能登町15,224人、穴水町7,360人、志賀町18,267人、七尾市48,352人、中能登町16,851人、羽咋市19,893人で、計161,749人とある。僅かこれだけしかいない。そんな地域で起こった大地震だったこともあり、阪神・淡路大震災や東日本大震災に比べると、被災者の数は少ないように感じる。しかし、人口比率にすると、死者・安否不明者は1.5%にも達する。しかも、奥能登地域の高齢者比率は50%を超えるとされるから、厳冬期の今、災害関連死の更なる増加が危惧されている。

他方、一部破損も含めた家屋の被害は、(新聞によれば)石川県全体で12,432棟以上と報じられていて、能登地域の被災比率はどれほどになるのか、想像もつかない。道路は各所で寸断され、電気・水道などのライフラインも至る所で破損していて、これまでの生活がままならない地域は数えきれない。必然的に避難生活を強いられる人が多く、新聞に記載されていた上記太字の3市3町の市町内避難者数は、人口125,005人に対し18,302人とあって、約15%にも上る。実際には、既に市町外に避難している人もいるだろうから、避難生活を余儀なくされている被災者数はもっと多い筈だ。

荒唐無稽な例え話かもしれないが、凡そ1400万人が暮らす東京に照らし合わせると、約21万もの人が亡くなり約210万人もが避難所生活を送っているのと同じ、だと言える。今回は地方の過疎地で起こった災害ではあるが、地震の巣と揶揄される国土に住む国民として「明日は我が身だ」と捉え、また今回の地震で震度5強の揺れに襲われ断水など少しばかり被災を経験した身として、今被災地に向け支援として何ができるのかを考えてみたい。

すぐに出来るのは、返礼品なしのふるさと納税や義援金、そして支援物資を被災地に送る活動をしている団体があればこれに参加することだろう。それに加え、今被災地で救援活動をしてくれている自衛隊を始め、消防や警察などの救援組織、あるいは医療チームなどの支援組織などの手を煩わさないためにも、「自らが新たな被災者にならない事」がとても重要だと思う。被害を最小化する手立てを取っておくことも含め、能登半島被災者への支援パワーを削がないことに繋がるからだ。

また地震の被災者にならないためには、地震対策としてよく言われてきた事だが、まずは家具などの耐震対策だ。住宅そのものの耐震化はハードルが高くても、家具などの倒壊防止対策や落下防止対策は比較的手軽にできる。倒れてきた家具の下敷きにならないためにも、対策は重要だ。我が家は、ピアノを含め大きな家具全てに地震対策をしておいたお陰で、家具類は全く倒れなかった。免振シートも役立った。また、被災した時の便利防災グッズを詰め込んだ非常用持ち出し袋を常備し、いざという時に困らないように、数ヶ月に1度中身をチェックしておくことをお勧めする。意外と期限切れのグッズが多いのが実感だ。

他に出来る支援もある。今店頭に並んでいる被災地の産品を積極的に購入することだ。前述したように被災地は過疎地である。住民を雇用できる企業も少ない上に、そうした企業の多くが激しく被災している。再建できなければ、雇用の場は失われ、能登は益々過疎になる。「能登は優しや土までも」と詠われた人情も、やがて失われてしまう危機感さえある。産品の購入は、今回受けた深刻なダメージを乗り越える、強力な応援になる筈である。

そんな思いから、先日近くの大手ショッピングセンターに行き、どんな商品が購入できるか探してみた。まずコメがある。これは誰にでも買える。左党には、日本酒がおすすめだ。「能登杜氏」の出どころだけに、被災地には蔵が点在していて、美味しいお酒が多い。酒がらみで言えば、珠洲市には、阪神タイガースファンご用達の「虎の涙」と名付けられた麦焼酎の蔵元もある。能登ワインもある。また酒ではないが、七尾市には、「カニカマ」で有名な水産練り物メーカーもある。そのほか、輪島塗、珠洲焼、九谷焼などの工芸品もある。また、今回の隆起で海岸線が遠のいてしまった珠洲市で作られている塩や、輪島市の「柚餅子(ゆべし)」、能登町の「能登のいも」、七尾市の「みそまんじゅう」などのお菓子もある。

いずれ大手ショッピングセンターでは被災地応援コーナーが設けられるものと期待しているが、ネットショッピングも含め、探せば支援に繋がる商品は見つかると思う。どんどん買っていただきたい。そして、被災地を応援しよう!


【文責:知取気亭主人】


我が家近くで一部破損した宅地
我が家近くで一部破損した宅地

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