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知取気亭主人の四方山話
 

『今回の地震で改めて学んだ事』

 

2024年1月24日

22日で「令和6年能登半島地震」の発災から3週間が過ぎました。同日付の北陸中日新聞朝刊(以下、新聞)によれば、石川県関係では、21日夕方までの時点で、亡くなった方は1週間で11人増えて232人(災害関連死14人を含む)に、安否不明者は2人減って22人に、負傷者は155人増えて1,170人、家屋被害は不明だった輪島市関係が明らかになり22,003棟も増えて34,435棟にも上るそうです。この他、国土交通省の「令和6年能登半島地震における被害と対応について(第45報)」(https://www.mlit.go.jp/common/001719018.pdf)(以下、「第45報」)によれば、石川県以外では、重傷の方が新潟県で5人、富山県で3人、また全半壊した住宅が新潟県で950棟、富山県で120棟、福井県で9棟にも上るそうです。

今回の震災の特徴は、過疎地の半島が甚大な被害を受けたということもさることながら、元旦という日本人にとっては一番望郷の念に駆られる時期に発生しただけに、帰省中に被災された家族が多い、という事も挙げられます。中には家族の中でたった一人だけ残されたという方もいて、そのニュースを見ていると、胸が詰まり涙が止まりません。亡くなられた方々に哀悼の意を捧げご遺族の皆様にお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

「第45報」によると、今回の地震は、まず16時06分に最大震度5強の地震(M5.5)が発生し、その4分後に最大震度7(M7.6)の本震が発生している。僕自身は一つの地震の様に感じていたが、今思い返すと、緊急地震速報のけたたましいアラームと激しい揺れの恐怖感から、揺れている時間が凄く長く感じたのだろう。いずれにしても、本震は立っていられないほどの揺れだった。発表された金沢市の震度は5強だった。

その後も緊急地震速報がひっきりなしに鳴る。速報の間が少し空いたのを見計らって、外回りと周辺の様子を見に行った。直ぐ近くの道路でアスファルトがめくれ上がり、水が噴き出している。水道管が破裂したらしい。基礎が傾き見るからに危なそうな住宅もあって、我が家周辺でも結構な被害が出ている。夜のニュースで、金沢市内でも土砂災害によって倒壊した住宅があることや、隣接する内灘町で液状化による被害が甚大であることが報じられた。その後報じられる被災状況は目を覆うばかりだ。ただ、被害の詳細は異なっていても、残念ながら悲惨な状況は大地震の度に繰り返されている。そこで、今回の教訓を何とか生かせないものかと、僅かばかりの体験だが、今回改めて学んだ事を整理してみた。


@ 1981年以降に建てられた新耐震基準の住宅でも万全ではない。
以前から言われていたことだが、繰り返し激しい揺れを受けると、新耐震基準の住宅でも倒壊・損壊する恐れがある。揺れやすい地盤だと、その危険性は一層高くなる。新耐震基準であったとしても耐震・制震補強する、そんな対策が必要なのだろう。
A 条件さえ揃えば、震度5弱でも激しい液状化が起こる。
今回激しい液状化の被害を受けたのは、石川県の内灘町と新潟市で、内灘町が震度5弱、新潟市が震度5強と発表されている。こうしてみると、砂地盤で地下水位が高いなどの条件さえ揃えば、5弱でも激しい液状化が起こることを教えられた。可能性としては、震度4でも起こり得るということだろうか。日本全国どこにでもありそうだ。
B 震度5を超す強い揺れに見舞われると途端に被害が増える。
住宅も道路もライフラインも、震度5を超すあたりから被害が増え始めている。Aも含め、南海トラフ巨大地震では、関東以西の広い範囲で強い揺れが想定されている。南海トラフ以外でも日本ではどこでも震度5クラスの揺れに襲われる可能性がある事を肝に銘じ、今のうちから対策を進めていただきたい。用心に越したことはない。
C 震度5を超すと、建物の中の不安定な物が落ち始める。
その地盤・建物の揺れ易さや卓越している波の周期にもよるが、今回我が家では、箪笥の上やピアノの上に置いてあった物が結構落ちた。これまで震度4程度までは経験しているから、ご近所の話や会社の被災状況なども総合すると、どうやら震度5が上から物が落ちる境界だと判断して良さそうだ。日本全国、その可能性はどこにでもある。
D 市販の地震対策グッズは効果がある。
我が家は、施してあった家具への地震対策が役目を果たしてくれた。家具の上部に“突っ張り棒”を、下には“家具転倒防止マット”を敷いて、セットで使っていたが、これが効いていた。また、ピアノの脚には防振装置、電子レンジと日本人形には防振粘着マットを敷いていたが、これも有効だった。また食器棚の扉には簡単なフックをつけ、ガラス面に防災フィルムを貼っていたお蔭で、極僅かな被害で済んだ。全て市販の防災グッズだが、2階までの高さなら結構効果を発揮してくれる。地震対策未だの方、2階の荷物を減らすことも含め、まず身近な地震対策をお勧めする。早い方が良い。

以上、今回の震災から再確認したり改めて学んだりした事を、簡単にまとめてみた。その殆どを既に承知している方も多いと思うが、それこそ再確認していただければと思う。震度〇以上になるとこんな被害が出たり増えたりするということは、結構有用な情報ではないかと思っている。インターネットには、揺れ易さや予想される震度などを閲覧できるサイトがたくさんある。それらを再確認しながら、できる対策から始めていただきたい。


【文責:知取気亭主人】


我が家近くで破損した住宅、立ち入り禁止のテープが張られている
我が家近くで破損した住宅、立ち入り禁止のテープが張られている

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