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知取気亭主人の四方山話
 

『もっと怒れ!』

 

2024年2月21日

これまでに公表されている、能登半島地震による人と住家に関する被害状況は、次表の通りです。被害住家の増加がいまだに顕著で、1週間で石川県では約9,600棟も、新潟県でも約1,600棟、富山県でも約2,000棟も新たに増えています。まだ被害の全容が明らかになる途上にある、ということでしょうか。また、19日の時点で、いまだに2.3万戸以上で断水が続いているそうです。発災から7週間も経っているのに。現地の悲惨さが窺えます。

死者(人) 行方不明者(人) 負傷者(人) 住家被害(棟) 備考
石川県 241(15) 確認中 1,185 69,910 2月16日14時現在※1
新潟県 0 0 49 17,486 2月16日13時現在※2
富山県 0 0 47 10,039 2月14日13時現在※3
福井県 0 0 6 45 1月3日13時現在※4

なお、死者のカッコ内数値(15)は、災害関連死と見られる人数です。また、安否不明者は、16日の時点では1週間前より2人減って9人と発表されています。

亡くなられた方々に哀悼の意を捧げご遺族の皆様にお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 (※1:https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/documents/higaihou_90_0216_1400.pdf)
 (※2:https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/391578.pdf)
 (※3:https://www.pref.toyama.jp/documents/38062/higai32r.pdf)
 (※4:https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kikitaisaku/ishikawanotojisin_d/fil/kaigi2.pdf)

2月17日付の北陸中日新聞朝刊(以下、新聞)に、『奥能登の事業者 打撃深刻』と題する記事が載っていた。能登町に本店を置く「興能信用金庫」が行った、取引先からの聞き取り調査結果を情報源として記事を起こしたものだ。それによると、聞き取りは前月下旬〜今月上旬にかけて、奥能登の2市2町(珠洲市、輪島市、能登町、穴水町)の3,778社に対して行われたという。そのうち能登町の180社ほど連絡が取れなかったらしいが、残りの2市1町はほぼ全てと連絡が取れたという。回答率としてみれば95%ほどにもなる。

記事の内容を表にしてみたが、その現状は厳しい(表-1参照)。営業を再開している事業者が全体で約3割あるが、被災前と同じ様に営業出来ている事業者は殆どいないのが実情だろう。記事のサブタイトルに『まだ生活基盤をどうするかの段階』とあるが、その通りだと思う。

表-1、奥能登事業者が被害を受けた割合

珠洲市 輪島市 能登町 穴水町 全体では
建物が被害を受けた事業者 約9割 約6割 約5割 約6割 約6割
営業を休止している事業者 約7割 約5割 約1割 約3割 約3割
2月17日付 北陸中日新聞朝刊記事より作成

また、当該記事の対象外となっている、七尾市や志賀町など他の市町の被害も甚大だ。隆起によって漁港そのものが使えなくなってしまった輪島港を始め、農林水産業の被害も言わずもがなだ。そんな被災地の厳しい状況を考慮して、北陸3県(富山県、石川県、福井県)を管轄する金沢国税局が、被災者に寄り添った異例の呼びかけをしているという。

2月16日から、恒例の所得税の確定申告が始まった。そんな中、金沢国税局は、大きな被害を受けた石川・富山の両県に対して全ての税目の申告・納付期限の延長を決め、ホームページでも告知している。ところが、出先の税務署が損壊して閉鎖していたり、インターネットが使えなかったりすることもあって、期限が延長されている事を知らず問い合わせが相次いでいるため、『納税より 生活再建優先して』と呼びかけているというのだ。杓子定規に『延長しています』と伝えるだけでなく、被災者を気遣う呼びかけが、堅苦しいイメージのお役所の言葉とは思えず、傷ついた心をホッと和ませてくれる。ネットで調べると、このニュース、色々な地方紙にも取り上げられているらしい。今政権を揺るがしている「裏金問題」と対局を成すだけに、尚更注目の的になっているのだろう。

対極をなしているのは、“被災していても納税義務を果たそうとする庶民の健気な姿”と“裏金問題を何とか誤魔化してしまおうとする政治屋の小賢しい姿”、そして“被災者に寄り添う異例の呼びかけ”に対する“身内の不祥事には蓋をしているのに国民には納税を促す岸田首相の呼びかけ”だ。岸田首相は、国会で、所得税の確定申告に関連して『法令にのっとり、適切に申告、納税を行うようお願いしたい』と呼びかけを行ったとして、猛烈な批判を受けている。「裏金は法令にのっとっていない」と思っている国民が殆どなだけに、当然だろう。金沢国税局が被災者に寄り添っているのに倣うのであれば、国民が納得する約束をし呼びかけを行うべきだった。そこに気付かないとは…。

それにしても、裏金問題当事者たちの認識と世論のズレが天と地ほどにもズレていることを、当事者たちは気付いていないのだろうか。それとも、例え全国ニュースでこき下ろされても、地元の人達は応援してくれる、と高を括っているのだろうか。どこのテレビ番組だったか忘れたが、コメンテーターが『政権がこれだけスキャンダルまみれになったら、他の国では暴動が起こるのに、日本人は大人しい』と言っていたが、本当にそうかもしれない。暴動とはいかないまでも、日本国民はもっと怒るべきだ。そして、その怒りを選挙・投票という形で表すべきだ。特に若い人たち、貴方たちの将来は貴方たちの一票に掛かっている!


【文責:知取気亭主人】


蕾が膨らんで来た(スイセン)
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