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知取気亭主人の四方山話
 

『エッ、嘘でしょ?』

 

2024年3月6日

発災から2ヶ月が経ちました。これまで増え続けていた住家被害は、被害が顕著だった下表の3県合計で、前話より2,664棟の増加にとどまりました。やっと被害の全容把握が見えてきた、ということでしょうか。ただ断水は、3月1日時点で、いまだに1.8万戸余りあるそうです。そんな復興とは程遠い中、被災しながらも被災者の希望の灯となるよう生業を再開された方々もいる、と報じられています。本当に頭が下がります。

死者(人) 行方不明者(人) 負傷者(人) 住家被害(棟) 備考
石川県 241(15) 確認中 1,188 76,824 3月1日14時現在※1
新潟県 0 0 49 19,273 2月29日13時現在※2
富山県 0 0 47 12,185 2月26日13時現在※3

なお、石川県の負傷者数ですが、こちらの手違いで前話までの数値には死者数も含まれていました。お詫びし、訂正させていただきます。更に、福井県については、被害が少なく発災以来変動がないので表には載せないこととしました。また、石川県内の安否不明者は、2人減って7人と発表されています。

亡くなられた方々に哀悼の意を捧げご遺族の皆様にお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 (※1:https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/documents/higaihou_103_0301_1400.pdf)
 (※2:https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/394087.pdf)
 (※3:https://www.pref.toyama.jp/documents/38062/shienhigai34.pdf)

2月29日、テレビを見ていたら、「大谷翔平選手が結婚した」とのテロップが流れてきた。これまで毎日のようにニュースソースとなり幾度となくインタビューを受けてきたにも拘らず、女性の影を全く感じさせていなかっただけに、家内と二人で思わず顔を見合わせてしまった。「自らSNSで報告した」と報じられていたが、あれだけ注目され続けているのに、ファンに知られているプライベートな事と言えば、ワンちゃんの「デコピン」を飼った事ぐらいで、パパラッチなどが飛びつきそうな女性とのお付き合いなどおくびにも匂わせなかったのは、凄いとしか言い様がない。また、この時期に公表した理由を問われ、『(報道陣の)皆さんがうるさいから…』と、笑みを交えて軽くいなしたのは、聞いていて小気味よかった。

いずれにしても、何をしても好意をもって受け取られるのは、これまでの選手としての実績とファンへの誠実な対応、そして無意識に見せる試合中での立ち居振る舞い、そうした日頃の言動から感じ取れる裏表の無さなど、誰もが認める人徳のなせる業なのだろう。孫と言ってもいいぐらい歳は離れているが、人としてああありたいものだ、と感心させられることが多い。

そんな大谷選手に比べると、恐らく好意をもっている人は皆無に等しく、(届かなかったとは思うが)批判の大合唱に晒されていたであろうと思われるのが、29日と翌日に開かれた「政治倫理審査会」(以下、政倫審)で、問われている政治的・道義的責任について弁明の席に座った、裏金問題で非難の矢面に立っている岸田首相をはじめとする自民党、しかも重鎮の面々だ。大谷選手のテロップが流れたのは、正にその中の一人武田良太元総務相の政倫審、そのテレビ中継を観ている最中だったのだ。余談になるが、“期待をしたのが馬鹿だった”と思わせる答弁に、苦虫を潰して聞き入っていたのだが、テロップで一瞬頬の筋肉が緩んだのを覚えている。

そんな余談はさておいて、武田氏以外に政倫審の席に座ったのは、29日午前中が岸田首相、3月1日には西村康稔前経済産業相、松野博一前官房長官、塩谷立元文部科学相、高木毅前自民党国対委員長の、自民党内のそうそうたるメンバーだ。ほぼ全ての答弁を見られたのは武田良太氏だけだったが、その他の人の答弁の要点は、世間の関心の高さもあってどこのテレビ局でも取り上げていて、ニュース映像で知った。しかし案の定、どなたも“知らぬ存ぜぬ”を押し通し、多くの国民が知りたがっている「裏金を何に使ったのか?」は、何も分からずじまいだった。しかも、本人たちは派閥の幹部だったのにも拘らず、誰にどれくらいのノルマを課し、誰にいくらキックバックしたかなど、経理に一切関与していないから全く知らないという。事務総長経験者の武田氏も松野氏も同じ答弁をしている。『誰が決めていたのか、全く知らないし分からない』と真顔で言うその答弁を聞いて、思わず『エッ、嘘でしょ?』と口から出てしまった。民間企業では到底考えられないからだ。

もし仮にそれが真実だとしたら、事務総長など組織の幹部には知らされないまま、会計責任者の一存で(収入に当たる)大金を集め分配(支出)していたことになる。尚且つ、民間の企業や団体なら普通に実施される、役員会での会計報告や監査報告、それらに関する質疑応答などが実施されてこなかったことになる。そんな組織があるのだろうか。自分の懐が痛まない、他人が出してくれた金だから、なのだろう。しかも、派閥で扱ってきた金額は、千円、二千円の話ではない。安倍派に至っては、裏金は6億円超に達する、と報道されている。

庶民感覚とはえらいズレである。そんな巨額のカネの流れを会計責任者の一存で決められる組織運営を、組織の全員が良しとしていたのだろうか?しかし、そんな杜撰な運営を良しとする国会議員に、少子高齢化に伴う保険&年金問題などカネにまつわる問題が山積している国家の運営を、言い換えれば我々国民の行く末を、このまま託しても良いと思う人は居るのだろうか?“知らぬ存ぜぬ”を押し通す姿を見ていると、大谷選手とは真逆の「ああはなりたくないな!」と思ってしまう。「ああなりたいな!」、そう思わせてくれる国会議員、出てこないかなぁ!


【文責:知取気亭主人】


蕗の薹(春も近い)
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